【サンプルDL可能】電子契約を利用する際に必要な規程とは?徹底解説!

電子契約導入時に作成が必要な規程とは?関連法や作成が必要な文書を紹介!

「電子契約サービスを導入する際にどのような規程の作成が必要?」
「具体的な規程の書き方を知りたい、サンプルはないの?」

と疑問に感じていませんか。

電子契約を利用する場合、法対応のために作成が必須の規程、社内での運用上必要な規程が存在します。

各規程は国税庁や電子契約サービス事業者がサンプルを提供しているため、サンプルを入手の上、対応を進めると効率的。

規定のサンプル等は当記事より登録等不要・無料で誰でもダウンロード可能となっています。

当記事では、電子契約サービスを利用する場合に必要な規程、各規程類を作成する際のポイントなど規定類の作成を効率化する方法をご紹介します。

目次

電子契約サービスを利用する場合に必要な規程

電子契約サービス利用のイメージ

電子契約サービスを利用する場合、作成が必須の規定と作成が推奨される規程が存在します。

電子帳簿保存法対応関連で作成が必須の規程

契約書は税法上の国税関係書類に該当するため、各種税法に基づいた保存が求められます。

法人税法など

国税関係書類である契約書は法人税法などにより企業であれば、最低7年の保存義務(繰越欠損金がある場合は10年)があります。電子契約でも同様に保存義務がある点に注意ください。

したがって、おそらく既に作成している「文書管理規定」上の「文書保存期間一覧表」等に以下の項目を追記すると内部的な運用がスムーズにいくでしょう。

  • 契約書名(満期または解約となった証書、契約書など)
  • 管理部署(法務部など)
  • 保存期間(7年など)

電子帳簿保存法(通称、電帳法)

契約書を電子取引でやり取りする場合は、電子帳簿保存法電子取引要件を満たした保存が必要。2022年1月に電帳法は改正され、電子取引を行った文書の紙保存が原則認められなくなりました。

したがって、以下いずれかの真実性の要件を満たしてファイルの電子保存が必要です。

  • タイムスタンプの付与
  • 訂正削除履歴が確認できるシステム(または、訂正削除できないシステム)上での保存
  • 事務処理規程の作成

タイムスタンプの付与や訂正削除履歴が考慮されたシステムを利用する場合、少なくないコストがかかる点が課題。したがって、事務処理規定の作成により真実性の確保をする場合も多いです。

それぞれ、真実性の要件とその要件を満たす場合必要となる規程は以下の通りです。

真実性の要件 必要となる規程
タイムスタンプ 電子取引による電子保存規程
事務処理規定 電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程
※書面契約の電子保存 スキャナによる電子化保存規程

書面契約を電子化して保存する場合、電帳法スキャナ保存要件を満たした保存が必要な点にも注意が必要。スキャナ保存要件に対応する場合、タイムスタンプの付与タイミングが「業務サイクル後速やか」の場合、スキャナによる電子化保存規程の作成が必要になる場合があります。

電子署名の利用にあたり作成が推奨される規程

電子契約サービス導入のイメージ

テレワークの普及により電子署名を活用した電子契約の利用が増えています。そのため、電子署名の管理ルールを定めた電子署名管理規定の作成を推奨しています。

電子署名とは

電子契約に使用される電子署名は、紙の契約書の押印に当たるもの。

電子署名で、電子契約書が本人によって作成され、第三者に改ざんされていないことを証明可能に。

一般的に電子署名管理規定に記載すべき項目は印章管理規定から大きく変更する必要はありません。

記載すべき項目は以下の通りです。

  • 目的
  • 定義
  • 利用する電子署名制定の手続き
  • 改廃の手続き
  • 利用する電子署名の種類
  • 登録の手続き
  • 電子署名管理責任者の定め
  • 紛失・盗難・毀損・事故等の場合の対応

ただし、印章と異なり、電子署名では管理対象の物体がない点に留意の上規程の作成をする必要がある点に注意しましょう。

各文書の作成時のポイント サンプルを含めて解説

ポイント解説のイメージ

上記で紹介した各規程類の作成時のポイントやサンプルの取得先をご紹介します。

事務処理規程の作成時のポイント

上記で電帳法の電子取引要件やスキャナ保存要件への対応の1つのステップとして、事務処理規定の作成が法律的に必要であると紹介しました。

電帳法で作成が求められる規程類のサンプルを国税庁が公表しているため、サンプルを元に自社用にアレンジをして作成をすすめましょう。以下、規定類の作成の上での参照カ所(サンプル)を紹介します。

規程類名前 参照ヶ所
スキャナによる電子化保存規程  電子帳簿保存法一問一答 【スキャナ保存関係】問49のサンプル
電子取引による電子保存規程  電子帳簿保存法一問一答 【スキャナ保存関係】問49のサンプル ※電子取引用に改変
訂正削除の防止に関する事務処理規程  電子帳簿保存法一問一答 【電子取引関係】問24のサンプル

この中で特に作成する場合が多い、「訂正削除の防止に関する事務処理規定」の作成ステップのポイントは以下の通りです。

第4条 電子取引の範囲

可能な限り具体的な記載が必要。「その他電子取引」などの記載でなく、現状判明している電子取引の範囲の記載をしましょう。

第7条 運用体制

保存責任者の氏名を必ずしも記載する必要はありません。説明責任が問われた際に個人を特定できればよいですので、〇〇部××課課長のような記載でよいです。他社事例として、管理責任者を別表管理する企業も。

電子署名管理規程作成時のポイント

電子署名管理規定の作成のポイントは以下の2点。

  • 秘密鍵(署名鍵)とパスワード、二要素認証端末の管理を明文する
  • 立会人型電子契約サービスを利用する場合、自社と事業者の関係性を明文する

秘密鍵(署名鍵)とパスワード、二要素認証端末の管理を明文する

電子署名を利用する際に、電子署名を管理していることを証明するため、管理上重要な以下に対してどのような管理を規定しているかを明記するとよいです。

  • 秘密鍵(署名鍵)
  • パスワード
  • 二要素認証端末

上記の要素に対して、管理方法と管理責任者を明記しましょう。

以下のサンプルような別表を作成し、クラウド事業者と自社の管理関係について規定しておくこともおすすめです。

管理対象 代表取締役商業登記電子署名 代表取締役電子署名 ○○担当部長電子署名 銀行届出電子署名 社名角印代用電子署名
管理責任者 秘密鍵 代表取締役 代表取締役 ○○担当部長 財務経理部長 総務部長
パスワード・2要素認証端末 代表取締役 代表取締役 ○○担当部長 財務経理部長 総務部長
管理代行者 秘密鍵 弁護士ドットコム株式会社 弁護士ドットコム株式会社 弁護士ドットコム株式会社 弁護士ドットコム株式会社
パスワード・2要素認証端末 総務部長 ○○担当部長が指名した者(職員) 財務経理課長 総務部長が指名する者(職員)

また、秘密鍵とパスワードおよびセキュリティを強化する2要素認証端末それぞれの管理責任について、規程に定めておくことが導入の際ポイント になります。

それぞれの対応関係を表にまとめると、以下の通りです。

押印 電子署名
(1)意思表示を記録するツール 印章 秘密鍵
(2)1を補完する場所 金庫 USBメモリ/サーバー
(3)2に保管する1を利用するためのカギ 金庫の鍵 パスワード・2要素認証端末

立会人型電子契約サービスを利用する場合、自社と事業者の関係性を明文する

立会人型電子契約サービスを導入する場合、秘密鍵(署名鍵)の管理を電子契約サービス事業者が実施し、この秘密鍵を利用するために自社はID/PWと二要素認証端末の管理を実施します。

立会人型電子署名を利用する場合は、自社の管理責任者(またはその委任を受けた代行者)が、電子契約サービス事業者が持つ秘密鍵を利用するためのカギの管理をする、という関係 です。

自社で秘密鍵(署名鍵)を生成する場合とは管理方法や管理責任が異なります。この点も規程に明記するとよいです。

規程類の作成工数を少しでも減らすためには? サンプルを有効活用しよう

規程類の作成が実務上必要である、推奨である、と理解をしているものの、作成するのは中々骨が折れます。そこで、以下では規定類の作成の際、効率的に作業ステップをすすめるポイントや利用可能なサンプルをご紹介します。

タイムスタンプ付与が可能な電子契約サービスを導入する

電子契約の電帳法対応の際に真実性を確保するため、事務処理規定を作成する場合があります。ただし、そもそも電子契約の真実性の確保をタイムスタンプで実施してしまえば、事務処理規定の作成が必要なくなる場合も。

たしかにタイムスタンプの導入はコストがかかりますが、タイムスタンプの付与は電子契約の電帳法対応のみの用途だけでなく、電子契約の訴訟リスクへの対応としても活用できる点にもメリットがあるため、導入をおすすめしています。

電子契約サービスの場合、タイムスタンプを電子契約に付与することで係争時の信頼性が向上すると考えられます。立会人型の電子契約サービスは当事者型と比較して係争時の信頼性が劣ると考えられるため、信頼性の向上のためにタイムスタンプの導入もありです。

電子契約サービスとタイムスタンプ付与可能な他システムを連携する

上述でタイムスタンプを付与できれば規定類の作成工数が減るとお伝えしましたが、タイムスタンプは必ずしも電子契約サービス上で付与する必要はありません。

電子契約サービス上の契約書を他クラウドなどにAPI連携する等してからタイムスタンプを付与する方法も認められています。したがって、電子契約サービスがAPI連携できるのか、連携実績サンプルが豊富にあるのかもまたサービス選びの軸になってきます。

各種規程のサンプルを提供可能な事業者と契約する

電子契約サービス事業者の中には、電子契約サービス導入時に対応が必要な規程類のサンプルを提供している事業者があります。このサンプルやテンプレートを活用して対応を進めることで作業工数を減らせられます。

特に電子契約サービスのほかに文書管理ツールを売っているようなベンダーであると、電子契約の電帳法対応のサンプルやナレッジを豊富に持っている場合があり、電帳法対応に利用できる規定類サンプルを豊富にもっている、かつ、導入時のコンサルティングをしてくれる場合もあるようですので、サービス・サンプル選びの参考にしてください。

規程サンプルのダウンロード

サンプルのイメージ

以上のポイントをふまえ、

  1. 押印
  2. 商業登記電子署名
  3. 立会人型電子署名

の管理ルールを定めた規程サンプルはリンクよりダウンロード可能です。契約の種類等でサンプルを上手に使い分けましょう。

規程サンプル.exel 規程サンプル.word 電子化保存規程サンプル

社内規程の定め方は様々ですので、サンプルは適宜修正が必要となりますが、上記ポイントと照らしてぜひご活用ください。

まとめ 電子契約サービスを導入して契約業務を効率化しよう!

まとめのイメージ

電子契約サービスや電子署名導入時には法的に作成しなければならない規程と、作成が推奨される規程があると紹介しましたが、多くの規定は事業者や国税が提供するサンプルを利用することで作業工数を大きく減らすことができます。

面倒に感じる規程の作成もサンプルの利用で効率化できますので、電子契約サービスの選定の際にはサンプルの提供の可否も電子契約サービス選びの軸として考えてみてください。

サンプルを活用しつつ規程作成ステップを効率化し、電子契約サービスを導入しましょう!

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