「電子印鑑を作成可能なおすすめソフトは？」
「電子印鑑を無料で作成するおすすめの方法を知りたい」
と疑問に感じていませんか。
電子印鑑はエクセルなど手元にあるツールでも簡単に作成できますが、透過処理が難しいなど一部機能的な制約があります。この点、電子印鑑作成のための無料/有料ツールを利用する方法だと品質の高い電子印鑑が作成できるため利用がおすすめです。
当記事では、電子印鑑作成ソフトと電子契約サービスの違い、おすすめの無料/有料電子印鑑作成ソフトをご紹介します。
電子印鑑とは何か
電子印鑑には法的な効力はないものの、商習慣上の理由でビジネスシーンにおいて利用されています。
法的な効力はない
契約の成立に対して、電子印鑑の有無は無関係です。なぜなら、契約はそもそも、民法522条にある契約自由の原則により、いかなる形式であっても成立するとされているからです。つまり、口約束でも契約は成立します。
ただし、ここで契約の成立と契約を万が一の裁判時に証拠として利用できるかは別問題である点に注意が必要です。
口約束でも契約は成立するものの、裁判になった際に口約束では証拠としての信ぴょう性に欠けます。そこでこの課題に対して、民事訴訟法228条1項では、裁判時に証拠として提出する資料に対して真正性の証明を求めています。
書面契約の場合、本人の押印により、二段の推定を踏まえて真正性の証明が可能です。また、電子契約では、押印の代わりに電子署名を付与することで、電子署名法3条により真正性を証明できます。
つまり、電子契約の真正性の証明と、電子印鑑の有無は無関係なのです。
商習慣上の理由で求められる場合がある
法的に効力を持たない電子印鑑ですが、以下の理由から電子文書への付与を求められるケースがあります。
- 電子印鑑が電子文書に押してあると、信頼における文書に見える
- 契約締結されていることが一目でわかる など
つまり、相手方の感情論なわけですが、大事な観点です。なぜなら、電子契約等の電子文書は現状、過渡期にあり、文書としての信頼性を疑う方も多いからです。
電子印鑑を付与することで心情的に信頼できると思ってもらえるのであれば、電子印鑑の果たす役割は大きいといえるのではないでしょうか。
電子印鑑作成ソフトと電子契約サービスの違いとは何か
電子印鑑を付与可能な作成ソフトとしてよく利用される以下のサービスがあります。
- 電子契約サービス
- 電子印鑑作成ソフト
混在して語られることが多い上記サービスですが、異なるサービスですので、各サービスがどのようなサービスであるか整理をしましょう。
電子印鑑作成ソフトとは
電子印鑑作成ソフトとは、文字通り電子印鑑をパソコンやスマホ上から作成するソフトです。電子印鑑作成ソフトを利用することで、三文判のような簡易な印鑑から、会社印やビジネス印など実務上で利用する印鑑まで幅広く作成ができます。
電子契約サービスとは
一方で、電子契約サービスは契約書を電子的に作成が可能なサービスです。電子契約サービスの中には、電子印鑑を作成する機能を持つサービスもあるため、電子印鑑を作成する際に利用されることもあります。
電子印鑑作成ソフトが電子印鑑を作成することを目的にしているのに対して、電子契約サービスは契約業務そのものを効率化するために機能を搭載していますので、目的がそもそも異なる点に留意ください。
おすすめ無料ソフト
電子印鑑を作成するにあたり、おすすめの無料作成ソフトをご紹介します。おすすめの無料作成ソフトは以下の通りです。
- おすすめ①：印鑑透過
- おすすめ②：PIXLR X
- おすすめ③：Excel電子印鑑
- おすすめ④：パパッと電子印鑑free
おすすめ①：印鑑透過
「印鑑透過」はブラウザ上で電子印鑑を作成可能なソフトです。「印鑑透過」では以下2種類の方法により電子印鑑を作成できます。
- テキスト入力
- 印影画像を入力
「印鑑透過」では、印影画像をアップロードするだけであとは自動でシステム側においてトリミングや透過処理を実施してくれるため、とても簡単に高品質な電子印鑑を作成できますので、電子印鑑をお手軽に作成したい方におすすめのソフトです。
また、テキスト入力でも対応が可能ですので、時間をかけずに作成を希望する方はテキスト入力から対応ください。
おすすめ②：PIXLR X
「PIXLR X」はスキャンした印影画像に対して、こだわりの編集が可能な電子印鑑作成ソフトです。Photoshopの電子印鑑版と捉えても差し支えないほどの編集ができます。
「PIXLR X」を利用する方法の場合、スキャンした印影画像をシステム上にアップロードすることで以下の操作方法が可能です。
- 印影画像の色、濃度、明るさの微調整
- 透過処理
- トリミング
かなり細かく微調整が効きますので、自分用の電子印鑑はこだわって作りたいという方におすすめです。
おすすめ③：Excel電子印鑑
「Excel電子印鑑」はMicrosoftOffice365が提供するExcel上にインストールして利用するアドインです。「Excel電子印鑑」を利用することによりExcel上で簡単に電子印鑑を生成できるようになります。
普段の業務でExcelを利用するのであれば、もっとも利用がしやすい電子印鑑作成ソフトといえるでしょう。したがって、Excelユーザーにおすすめのソフトといえます。
「Excel電子印鑑」は「窓の社」や「Vector」などいくつかのサイトからダウンロード可能ですので、適時ご利用ください。
また、「Excel電子印鑑」では、電子印鑑以外にも文言のスタンプもExcel上で右クリックをすることで作成ができるため、汎用性の高さからもおすすめです。
おすすめ④：パパッと電子印鑑free
「パパッと電子印鑑free」は有料ソフト「パパッと電子印鑑4 PRO」のフリーソフト版です。一文字単位の細かな調整が可能なことから、電子印鑑に熱意を持った層から非常に高い評価を得ています。
より電子印鑑の品質にこだわりたい企業担当者におすすめの電子印鑑作成ソフトです。有料版に変更すれば、追加の書体や書式、フォントも利用できるようになるため、一文字単位の書体までこだわりたい方におすすめの電子印鑑作成ソフトといえます。
おすすめ有料ソフト
電子印鑑を作成するにあたり、有料ソフトもあります。無料ソフトに加えて、電子印鑑を作成するだけでなく、業務そのものを効率化する機能を搭載している、識別子付の電子印鑑を作成できる点が特徴的です。おすすめの優良ソフトは以下の通りです。
- おすすめ①：電子印鑑GMOサイン
- おすすめ②：shachihataCloud
- おすすめ③：Adobe Acrobat
おすすめ①：電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインは国内導入数No1を誇る電子契約サービスです。電子契約サービスではあるものの、システム上で識別情報をもった電子印鑑GMOサインの作成ができます。
また、電子印鑑GMOサインは契約業務そのものを効率化する機能を多数搭載していますので、通常業務の中で契約業務にかかる工数削減やコスト削減を希望するのであれば、電子印鑑GMOサインの利用がおすすめです。
おすすめ②：shachihataCloud
shachihataCloudはシャチハタ株式会社が提供する電子印鑑作成ツールです。長年、印鑑を作成してきた会社だけあり、角印や代表印のオーダーメイドによる作成方法が可能になっています。認印や日付印であれば即日発行可能です。
また、shachihataCloud上で管理者がユーザに対して、印面を割り当てることができますので、印面の不正利用が防げます。加えて、捺印日時やユーザIDをログ管理できるので、安心のセキュリティを備えている点が特徴的です。
shachihataCloud自体がDocuSignやBOXなどの関連する外部システムとの連携アダプターを準備しているため、電子印鑑を作成してすぐに他システムで利用できる点もメリットといえます。
したがって、セキュリティを重視し、他システム連携をしたい方におすすめのソフトといえるでしょう。
おすすめ③：Adobe Acrobat
「Adobe Acrobat」の場合、「Adobe Scan」を利用して、スキャンした画像を電子印鑑化できます。「Adobe Scan」でスキャンして電子印鑑化した画像は自動で「Adobe Acrobat」に連携可能ですので、手間少なく運用ができる点がメリットです。
また、「Adobe Acrobat」では電子契約サービスadobe signも提供していますので、電子契約上に作成した電子印鑑を挿入するのも簡単ですので、ぜひ利用をご検討ください。
電子印鑑を利用する時の注意点
上述した通り、電子印鑑自体には法的効力はありません。したがって、電子印鑑に法的効力を持たせるためには電子署名に求められる要件を満たした電子印鑑を利用可能なサービスを利用する必要があります。
基本的に無料の電子印鑑作成ソフトの場合、識別情報を電子印鑑に付与ができませんので、有料の電子印鑑サービスを利用することになります。
有料の電子印鑑サービスを利用するのであれば、契約業務そのものを効率化する電子契約サービスを含めて検討をするとよいでしょう。
電子契約サービスの中には契約業務にかかるコストの80%を削減できるとデータを提示しているサービスもあるため、投資額に対して十分な業務効率化効果と電子印鑑を得られると考えています。
まとめ まずは無料ソフトを試してみよう！
電子印鑑の作成方法はいくつかありますが、まずは無料の電子印鑑作成ソフトを利用するのがおすすめです。無料の作成ソフトを利用したうえで、要件に不足があれば、有料の電子印鑑作成ソフトをご利用ください。
また、契約業務そのものを効率化するところまで検討するのであれば、電子契約サービスを利用するとよいでしょう。電子印鑑作成ソフトを利用して、契約業務を効率化していきましょう！