すまい給付金は住宅ローンを電子契約締結でも受給できる?関連内容を解説!
すまい給付金は住宅ローンを電子契約締結でも受給できる?関連内容を解説!

すまい給付金は住宅ローンを電子契約締結でも受給できる?関連内容を解説!

「すまい給付金は電子契約を利用しても受給できる?」

「そもそも住宅ローンなどを電子契約化して法的に問題ない?」

と疑問に感じていませんか。

すまい給付金の受領には住宅取得に係る金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約書)など契約書の提出が必要になります。この契約書類について電子契約を利用しても受給が可能です。

当記事ではすまい給付金の概要や住宅ローン契約書などを電子契約化して問題ない法的な根拠、電子契約を利用するメリットまでご紹介します。

目次

そもそも、すまい給付金とは

そもそも、すまい給付金とは

最初にすまい給付金とは何か解説します。

すまい給付金は住宅購入者の負担を減らす制度

すまい給付金とは住宅ローンを利用して建て替えを含む住宅を取得した際に住宅購入者の負担を減らすことを目的に2014年に創設された制度です。

いわゆる住宅ローン減税です。2014年に消費税が8%に増税されたことを受け、消費税率引き上げに伴う住宅購入者の住宅ローンによる負担を下げるべく始まっています。

すまい給付金を受取要件

すまい給付金の受給要件は以下の2つです。

  • 住宅ローンを利用し新築住宅を購入した場合
  • 住宅ローンを利用し中古住宅を購入した場合

住宅ローンを利用し新築住宅を購入した場合

すまい給付金の受給要件における新築住宅とは以下の要件を満たした住宅を指します。

  • 人の居住の用に供していない
  • 工事完了後1年以内
  • 不動産登記上床面積が50㎡以上
  • 第三者の現場検査を受けて品質が担保されていると証明できること

以上の要件を満たした消費税の課税対象である物件に対して、住宅ローンを利用して自分名義で購入し自宅として利用する場合にすまい給付金を受給できます。

住宅ローンを利用し中古住宅を購入した場合

すまい給付金の受給要件において、住宅ローンを利用して中古住宅を購入した場合にもすまい給付金の受給が可能です。

そもそも、すまい給付金は住宅購入者の消費税負担を軽減することを目的に創設された制度ですから、個人間取引のような消費税が発生しない取引は対象外です。

逆に言えば、中古住宅を購入する場合であっても消費税が発生するような取引であればすまい給付金を受給できます。

中古住宅を購入した場合の受給要件は以下の通りです。

  • 売主が宅地建物取引業者であること
  • 現行の耐震性能を満たしていること
  • 不動産登記上床面積が50㎡以上
  • 第三者の現場検査を受けて品質が担保されていると証明できること

以上の要件を満たしたうえで消費税が適用された住宅を自分名義で購入した場合にすまい給付金を受給できます。

すまい給付金によっていくら受け取れるのか

最大で50万円まで受給できます。すまい給付金の受給額は都道府県の所得割額に応じて10万~50万円まで段階的に決まっているのです。大まかな受給目安金額は以下の通りです。

収入額の目安*(参考) 給付基礎額
450万円以下 50万円
450万円を超え525万円以下 40万円
525万円を超え600万円以下 30万円
600万円を超え675万円以下 20万円
675万円を超え775万円以下 10万円

※夫:収入有、妻:収入無、中学生以下の子供:2人 の場合

電子契約を利用しても受給できる

電子契約を利用しても受給できる

すまい給付金を受給するためにはいくつか文書の提出が必要です。その文書の中で、住宅ローン契約書など契約書類がありますが、電子契約書でも要件を満たすのでしょうか。以下では住宅ローン契約書を例に電子契約化が可能か解説をします。

住宅ローン契約書などは電子化可能

そもそも、民法522条2項の契約方式の自由によりいかなる形式でも契約は成立します。

2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

つまり、口頭などの目に見えない形式でも契約は成立しますし、もちろん住宅ローン契約書の電子契約も法的に成立するのです。しかし、住宅ローン契約が成立することと、係争時に証拠として利用できることは別問題であるため注意が必要です。

係争時の証拠として利用するためには民事訴訟法228条1項にあるような真正性を満たす必要があります。

文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。

電子署名を付与することで真正性の確保も可能

上記の真正性を満たすために書面契約の場合、押印をすることで要件を満たしていました。では、電子契約においてどのように真正性を満たすかというと、電子署名を付与することで要件を満たします。

電子契約に電子署名を付与することで真正性を満たせる旨が電子署名法3条に記載があります。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

電子署名とはどのようなサインでもいいわけではありません。電子署名法2条に記載があるような以下要件を満たした電磁的な署名を付す必要があります。

第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

つまり、以下の要件を満たす必要があります。

  • 電子署名が本人の意思によって署名されたことが証明できること(本人性)
  • 電子署名後に改ざんされていないことが証明できること(非改ざん性)

この電子署名を電子契約に付与することで、電子署名法第3条により住宅ローン契約を電子化した場合であっても真正性を確保できます。

民法587条2項でも電子契約化可能な旨の記載あり

上述のようの住宅ローン契約書は電子契約化しても法的に有効な上、係争時の証拠として利用ができます。

しかし、一部の契約では書面による契約書作成を法的に義務付けているため、住宅ローン契約書は大丈夫なのか?と疑問に感じる方もいるのではないかと思います。

結論、以下の民法587条4項を確認すると住宅ローン契約書(消費者貸借契約書)を電子契約化しても書面契約と同様に扱う旨が記載ありますので、電子契約化して問題ないと判断できるでしょう。

4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。

電子契約で受給するメリット

電子契約で受給するメリット

すまい給付金を住宅ローンの電子契約を活用して受給するとどのようなメリットがあるのか解説します。

取引のリードタイム短縮が期待できる

住宅ローンの一連の手続きは、事前審査から始まり、申し込み、契約まで何度も金融機関に通う必要があるため、非常に時間と労力を必要とします。

この点、電子契約を利用すると一連の手続きをすべて電子契約システム上で完結できますので、時間と労力を大幅に削減できる点にメリットがあります。

印紙税などコスト削減が可能

金融機関で住宅ローン契約を結ぶ場合、契約書上の契約金額に応じて収入印紙を購入し、印紙税を納める必要があります。例えば、1,000万円~5,000万程度のローンであれば2万円程度です。

この点、電子契約であれば印紙税は非課税ですので、印紙税の削減を期待できます。加えて、電子契約を保管することで、文書の検索性向上、保管スペースの削減が実現できますから、文書の保管・運用コストの削減が見込める点がメリットでしょう。

まとめ すまい給付金を簡単に受給しよう

まとめ すまい給付金を簡単に受給しよう

すまい給付金を受給する際には電子契約の利用が可能です。書面契約でもすまい給付金を受給できますが、時間と手間がかかるのでせっかくですから電子契約を利用して効率的にすまい給付金を受給するようにしていきましょう。

住宅ローン契約を電子契約化したとしても法的に有効ですので安心してすまい給付金を申請・受給するようにしてください。

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