【徹底解説】電子署名サービスとは？電子契約システム導入するメリット

2022年1月15日

電子署名サービスに求められる条件や機能とは

電子署名サービスとは、従来の紙形式の契約書、請求書などとは違い、オンラインで電子文書のやり取りを行うことができるシステムが組み込まれたもののこと。

これによりこれまで時間やコストがかかっていた契約をスピーディに進めることができるようになり、なおかつ印紙代も節約できることになりました。

しかし電子署名についてあまり詳しくない人や電子署名サービスを利用したことがない人の中には、電子署名システムを導入するメリットや利用にあたっての煩わしさがあるのではないかと不安に思う方も多いと思います。

そこで今回は、電子署名サービスの基本的な内容について1から分かりやすく解説します。電子署名システムを導入するメリットやサービスを契約する前に確認したい注意点なども併せて見ていきましょう。

この記事は、次のような人におすすめの内容です。

電子署名システムのメリットが知りたい人
電子署名サービスの選び方が分からない人
おすすめの電子署名サービスが気になる人

そもそも電子署名サービスってなに？

電子署名サービスとは、オンラインで契約書や議事録、請求書などに電子サイン(電子署名)をしてやり取りできる電子契約システムのことです。

サインや書類の閲覧はオンラインで行い、契約後は企業が管理するサーバーやクラウドストレージに保存しておきます。

暗号技術を使用した電子サイン(電子署名)が直筆のサインや印鑑の代わり、タイムスタンプというシステムが日本独自の実印の代わりになるので法的効果を持つことができるので、裁判で有効性の有無を問われた際に証明することが可能。

これまでのようにわざわざ文書を印刷し、金庫で保管するなど面倒なやり取りをする手間を省くことができるでしょう。

電子署名サービスを導入するメリット

電子契約書を電子署名サービスで作成・管理すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

この章では、企業が電子署名サービスを導入した場合に感じられる3つのメリットを紹介します。

メリット①費用削減

電子署名サービスを利用すれば、次のような費用を削減できます。

収入印紙代
コピー用紙代
印刷代（インク、コピー機にかかる費用等）
契約書の郵送にかかる費用
契約書の作成等にかかる人件費
契約書を保管するためにかかる費用

紙の文書で契約を締結する場合は、取引金額に応じた収入印紙が必要です。しかし、電子署名システムを利用して契約書を作成すれば、文書に収入印紙を添付しなくてすむので費用の削減につながります。

上記の通り、電子署名サービスを会社に導入して活用すれば契約の締結にかかる費用が少なくすむため、年間契約数が多い会社はより大きなメリットを感じられるでしょう。

メリット②契約締結手続きの効率化

電子署名サービスは、契約書などの文書をオンライン上で作成したり、電子サインができたりする電子契約システムです。

そのため、紙の契約書を取り扱うよりも、すべての作業にかかる時間が少なくすみます。

会社に導入された電子署名サービスを社員が使いこなせば、作業効率が劇的に変化することもあるでしょう。

社員個人が抱える業務量が多くてどれだけ頑張ってもなかなか仕事がさばけない場合などに、電子契約システムを導入して様子を見てみるのもおすすめです。

メリット③セキュリティ対策の強化

電子署名サービスの契約プランにもよりますが、多くの場合、作成した電子文書をクラウド保存できます。

紙の契約書と違って印刷してファイルなどに保管したり、取引先のところまで持参したりする必要がありません。

そのため、重要な文書を失くしたり、第三者に盗まれたりするリスクが少なくなるメリットがあります。

ただし、強固なセキュリティの電子契約システムを選ぶ必要があります。価格の安さに惹かれて適当なものを電子契約サービスを選ぶと、脆弱なセキュリティで情報漏洩などの問題につながる可能性もあるでしょう。

値段だけでなく、電子契約システムの機能やリスク対策に目を向けることが大切です。

電子契約と書面契約の比較

	電子契約	書面契約
契約媒体	紙	電子データ
署名方法	記名・署名・押印	電子署名
締結日時の証明・改竄対策	日付記入、確定日時の取得	タイムスタンプ機能など
相互確認	原本の郵送、手渡し	オンライン上で確認
保管	金庫やキャビネットなど	企業やサービス内のクラウド、データストレージ内など

電子署名を利用するときの注意点

電子契約サービスを導入して電子サインを活用すれば会社としてメリットを多く得ることができますが、注意すべきポイントもあります。

そこでこの章では、電子署名サービスを利用する前に確認したいポイントを3つ紹介します。

あらかじめ注意点を確認することで、導入後のトラブルを未然に防止できるのでしっかりチェックしていきましょう。

注意点①電子化が認められていない書類が存在する

電子契約サービスはとても便利なシステムですが、会社が取り扱うすべての文書を電子化できるわけではありません。これはサービス的な問題ではなく、法律に関わってくるものです。

そのため、電子契約サービスを導入する前に、会社で取り扱っている文書の電子化が認められているかを確認する必要があります。

例えば、次のような文書は電子化ができないので、紙に印刷してやり取りしなければいけません。

訪問販売の契約書
電話勧誘販売の契約書
連鎖販売取引に関する文書
定期借地契約書
定期建物賃貸借契約に関する文書

いくら魅力的な料金プランでも利用できなければ意味がないので、一度無料プランなどで電子契約サービスを実際に利用して確認するのもおすすめです。

注意点②社員や取引先への理解を求める

会社の上層部で電子契約サービス自体の利用はそれほど難しいものではありませんので、誰でも利用することができますが、いきなり利用を開始すると、現場での混乱も起きるかもしれません。

電子契約サービスを頻繁に利用するのは現場にいる社員なので、少なくとも本格的にシステムを導入する前に研修などを実施するのが良いでしょう。

また、電子化した契約書を送付する取引先にもきちんとした理解をしてもらうための説明も必要です。相手が電子契約サービスを既に導入しているのであれば良いですが、場合によっては、紙の文書と電子契約のメリット、デメリットをきちんと説明するのが良いでしょう。

いずれにしても、一部の人だけで電子契約ツールの導入に踏み切るのではなく、周りの人に理解を求めることが大切です。

注意点③セキュリティ対策が万全か、電子帳簿保存法に対応しているかをチェックするべき

先に少し触れましたが、電子契約サービスを利用して結ぶ契約はオンライン上での電子データになります。もしセキュリティ面で不安がある電子契約サービスを選んでしまうと、万が一のデータ流出や改竄なども起こってしまうかもしれません。

電子契約サービスは電子契約の際に必要となるセキュリティ、例えばISO/IEC 27001が備わっているのに加え、そのほかセキュリティ認証を取得しているものを選ぶのがおすすめ。

電子帳簿保存法について

また電子帳簿保存法に対応しているかどうかも重要なポイント。電子帳簿保存法とは国税関係の帳簿類や証憑類の全部、または一部を電子データで保存することを認めた法律。

電子データで作られた契約書はこの電子帳簿保存法に沿って保存、管理される必要があります。

電子帳簿保存法にはいくつかのポイントがありますので、これらを満たしている電子契約サービスを選ぶようにしましょう。

電子契約システムを選ぶときのポイント

電子署名ができるサービスにはたくさんの種類があるので、特に初めて利用する人は「どのサービス・製品を契約すればいいのだろう」と困ることもあるかもしれません。

電子契約サービスはたくさんありますし、どれを選んだ方が良いのか分かりづらいかもしれません。しかし電子契約サービスを使用していく上で、きちんとした機能が備わっていないと後程、乗り換えやサービスの選び直しになってしまうことも。機能やセキュリティ対策などたくさんありますので、きちんと選ぶのが賢明と言えます。

そこでこの章では、会社に導入する電子契約サービスを選ぶときにチェックするべきポイントをいくつかご紹介します。