文書管理規程など電子契約導入時に修正が必要な文書・修正ポイントを解説
文書管理規程など電子契約導入時に修正が必要な文書・修正ポイントを解説

文書管理規程とは?電子契約利用時に作成が必要な文書を解説!

「電子契約を利用する場合、印章管理規程や文書管理規程の更新が必要?」

と疑問に感じていませんか。

書面契約と電子契約では、真正性の証明の仕方や文書の保存方法などに違いがあるため、既存の文書管理規程などの修正が必要です。

また、電子契約は電子帳簿保存法電子取引要件に準じた保存をする必要があり、場合によっては文書管理規程等とは別に事務処理規定を新規に作成する必要があるため注意しましょう。

当記事では、電子契約利用時の印章管理規程や文書管理規程などの修正ポイント、新規で作成する必要がある場合の電子契約向け事務処理規程の作成ポイントまでご紹介します。

目次

電子契約導入時、社内規程の見直しがある

電子契約導入時、社内規程の見直しがある

書面契約を電子契約化することで、既存の業務運用と大きく変わる部分があるため、業務が回らなくなる場合があります。

例えば、書面契約では法務担当が契約書の内容確認後押印し、営業担当が相手方に郵送していた契約フローが、電子契約では法務が電子署名後に自動で相手方に送付されるため、営業担当者側で相手方のフォローが必要になるなどの変化です。

したがって、電子契約の導入による業務変更を事前に把握して、電子契約に対応するために自社内の業務フローを整理して、社内規定に落とし込む必要性があるのです。

電子契約を導入したときに検討が必要な項目は以下の通りです。

  • ポイント①:電子契約を利用した業務フローを作成する
  • ポイント②:電子署名管理規程を作成する
  • ポイント③:文書管理規程を見直す
  • ポイント④:事務処理規程を見直す

ポイント①:電子契約を利用した業務フローを作成する

ポイント①:電子契約を利用した業務フローを作成する

書面契約で利用していた押印を廃止して、電子契約では電子署名を利用するようになるので、業務フローの変更が必要です。

電子契約導入時の業務フローの検討は以下の順序で実施して、文書管理規程など各種規程類に検討結果を反映させます。

  • 電子契約化する契約の一覧化・対象の決定
  • 電子契約化対象に対する契約締結権限整理
  • 電子契約/書面契約管理方法の決定
  • 他文書管理ツールなどとのシステム連携決定
  • 文書管理規程など社内規程へ追記・修正

ポイント②:電子署名管理規程を作成する

ポイント②:電子署名管理規程を作成する

整理した業務フローをインプットに印章管理規程の代わりとなる、電子署名管理規程の整備が必要です。押印と電子署名では業務フローや真正性を証明する手段が異なるので、別に規程の作成をしてください。

電子署名管理規程で確認すべき事項

電子契約導入時に作成する電子署名管理規程には以下の項目が含まれている必要があります。

  • 目的
  • 定義
  • 利用する電子署名制定の手続
  • 改廃の手続
  • 利用する電子署名の種類
  • 登録の手続
  • 電子署名管理責任者(管理代行者)の定め
  • 紛失・盗難・毀損・事故等の場合の対応

大枠で上記の関連する内容が含まれる場合が多いです。ただし、法的に特定の項目を記載しなければならないわけではありませんので、各社の実態に即した内容を含めるようにしましょう。

秘密鍵、パスワード、二要素認証端末の責任を明記する

書面契約の場合、実印を金庫の中で保持していれば管理できます。しかし、電子契約で利用する電子署名の場合、物理的なハンコは存在しないので、”電子署名”という目に見えない存在を管理できていると証明する必要が出てくるのです。

電子契約における電子署名では、真正性を証明するための要素として以下があります。

  • 秘密鍵(書面契約でいうところの印象)
  • 秘密鍵を保管する場所(書面契約でいうところの、金庫)
  • パスワード(書面契約でいうところの、金庫の鍵)
  • 二要素認証端末(書面契約でいうところの、金庫の鍵)

上記の要素に対して、電子契約利用時の管理責任者の明記が必要になります。

商業登記電子署名を規定しておく

実印を利用していた行政手続きや重要な契約は、電子署名によって代替が可能な場合があります。その一例として、登記があるのです。法人が電子署名、電子契約を使用して登記をした場合、電子証明書の提出を求められる場合があります。

したがって、書面契約で印鑑証明書を提出するのと同様に、電子契約では電子証明書の提出義務が生じる可能性があるのです。

この提出義務に対応するために、電子契約では電子署名管理規程上に商業登記電子署名の秘密鍵等の管理方法について記載をする必要があります。

ポイント③:文書管理規程を見直す

ポイント③:文書管理規程を見直す

文書管理規程とは、税法上で規定される国税関係書類だけでなく、企業活動の中で必要とされる文書の管理ルールをまとめた資料です。

文書管理規程は文書を適切に保存するために作成する

文書管理規程を作成することで、電子契約など企業内で発生する文書の管理方法などを統一して、監査時などのタイミングに迅速に確認・提示できることを目指しています。

よく文書管理規程と間違われる概念として文書管理マニュアルがありますが、適用範囲と位置づけの点で異なります。

文書管理規程は文書管理に対する方針や原則を示しています。一方で文書管理マニュアルは組織や部署ごとの文書管理方法です。つまり、前者が憲法、後者が法令のような位置づけになっています。

文書管理規程は原則・方針であるため、大きく変わることはありませんが、文書管理マニュアルは随時現場の要望に応じて変更されるのです。

文書管理規程に必要な項目

文書管理規程には一般的に以下が記載されます。

  • 責任者・責任部署
  • 規程の適用範囲
  • 文書の定義づけ
  • 持ち出しなどの禁止事項
  • 保管(保存)アクセス権限の付与
  • 廃棄方法
  • 規程に反した場合の罰則

電子契約を利用する場合であっても、国税関係書類であることには変わりませんので、各種税法に基づいた保存が必要です。

とはいえ、電子契約のような電子データの保管となると、クラウド上のストレージとの兼ね合いもあり、文書の管理場所や年限について、書面契約と異なる部分が出てくると想定されています。この電子契約の異なる部分について追記・修正が必要になるでしょう。

ポイント④:事務処理規程を見直す

ポイント④:事務処理規程を見直す

電子契約を利用する場合、書面契約では作成していなかった新たな規程を準備する必要がある場合があります。

電子帳簿保存法対応で事務処理規程作成が必要な場合がある

電子契約は相手方と電子的に取引情報をやり取りしていますので、電子帳簿保存法電子取引要件を満たした保存が必要です。電子取引要件では、要件の一つとして真実性の確保を有しています。

真実性の確保では以下いずれかの要件の中から、自社の都合のよい要件を満たして保存することを求めているのです。

  • タイムスタンプの付与
  • データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
  • 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け

タイムスタンプの付与や訂正削除がわかるシステムの利用は、コスト面から対応が難しい企業が一定数いるようです。

そのような企業の場合、事務処理規程を整備することで真実性の対応をする必要があるため、電子帳簿保存法電子取引要件対応のために事務処理規定の作成が必要になる場合があるのです。

事務処理規程に必要な項目

事務処理規定に含むべき内容は法律的に規定されているわけではありません。しかし、国税庁より事務処理規程テンプレートが提供されていますので、このテンプレートに即して記載をするとよいでしょう。

◆国税庁 一問一答 問19

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タイムスタンプが付与できれば規程の作成は不要

とはいえ、事務処理規定を作成し、運用をしていくのは中々大変です。したがって、電子帳簿保存法電子取引要件の真実性を確保するのであれば、他手段によって、要件を満たすことを推奨しています。

事務処理規程で真実性の確保ができるものの運用が大変

事務処理規定の作成によって、電子帳簿保存法の要件を満たすことができるものの、実際に運用まで実施する必要があるので、実務上は負荷が増えます。

例えば、事務処理規程上に特定の文書を削除する際に、申請書を出すという運用を記載した場合、実際に運用を実施しなければなりません。内部統制上の観点でその申請書が監査対象になる場合もありますので、証跡の保存も必要です。

他手段で真実性を確保できれば、より確実、かつ、容易

したがって、可能であればタイムスタンプの付与や訂正削除履歴が担保されたシステムの利用など他手段によって、電子帳簿保存法対応をすることをおすすめしています。

多くの電子契約サービスではタイムスタンプの利用ができますので、可能であればタイムスタンプの利用ができるサービスを選ぶようにしましょう。

タイムスタンプは電子帳簿保存法対応だけでなく、文書の完全性向上や電子署名の有効期限延長(長期署名)、バックデート対策など、いくつか利用用途がありますので、導入メリットは非常に大きいです。

電子署名の有効期限延長はほぼ必須

特に電子署名の有効期限延長はほぼ必須であるので、タイムスタンプの導入を強くおすすめしています。

電子署名法施行規則6条で電子署名には5年間の有効期限が設定されています。一方で法人税法上では7年以上の保存が必要です。つまり、法人税法上で規定された年数を保存するとなると、電子署名の有効期限延長が必要になってきます。

この時、電子署名にタイムスタンプを重ね打ちすれば(長期署名)、理論上、無制限に電子署名の有効期限を延長できるので、タイムスタンプの導入をおすすめしています。

まとめ 電子契約導入時には文書管理規程などを見直そう

まとめ 電子契約導入時には文書管理規程などを見直そう

電子契約サービス導入時には電子署名管理規程や文書管理規程など、幅広い規定類の修正が必要になります。文書管理規程などの修正だけでなく、法対応の方針によっては事務処理規程の作成も必要になりますので注意が必要です。

文書管理規程など規定類の運用には少なくない工数がかかりますので、可能な限り規程は作成しない方向で検討したほうがよいです。

その点、タイムスタンプ付きの電子契約サービスであれば、事務処理規定の作成が不要になる場合が多いですので、ぜひタイムスタンプを付与可能な電子契約サービスを導入ください。

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