電子契約の導入を検討している企業の中には、国内や海外におけるサービスの普及率が気になる人も多いでしょう。普及率が高ければ、それだけ多くの企業で電子契約サービスが利用されていることが分かって安心して導入を進められるかもしれません。
そこで本記事では、国内と海外における電子契約サービスの普及率について解説します。電子契約サービスの普及が進む理由や導入メリットについてもあわせて確認していきましょう。
電子契約の導入に際して、他の企業の動向が気になる方はぜひ参考にしてください。
国内での電子契約の普及率
まずは、国内における電子契約の普及率をチェックしましょう。
国内の普及率は、JIPDEC・ITRの調査で明らかになっています。リリースされた「IT-REPORT 2021 Spring」によると、電子契約の普及率は67.2％になっているとのことです。
本調査は、2021年1月13日～1月15日の期間のアンケートがもとになっているため、リモートワークが急速な広まりを見せた新型コロナウイルスの影響を受けた結果です。
また、同調査では、将来的に電子契約サービスの導入を考えている前向きな企業を加えると、84.9％に達することもわかりました。
このことから、国内における電子契約の普及率は非常に高く、今後も多くの企業で導入される可能性があると言えるでしょう。電子契約の市場規模はさらなる拡大を見せることが予想できます。
海外での電子契約の普及率
海外での電子契約の普及率について調べた公式の調査結果は残念ながら見当たりません。
しかし、一部のデータでは、アメリカにおける電子契約の普及率は8割とも言われています。
アメリカなどの海外は、日本のように書面に印鑑を押す文化がないため、電子契約の普及率はかなり高いと考えられます。
普及している理由、サービス導入のメリット・留意点
電子契約の普及率から、多くの企業が電子契約サービスにメリットを感じて導入していることが分かります。
この章では、電子契約サービスの普及率が高まっている要因を導入後のメリットとあわせて解説します。
業務の効率化につながる
電子契約サービスを導入すれば、紙を使った契約締結と比較して契約業務にかかる工程が少なくなります。現場の業務効率が改善され、企業としては生産性の向上につながる可能性もあります。
紙を使って契約を結ぶ場合、作成した契約書を印刷し、相手先に渡し、押印・サインをもらってから保管しなければいけません。
しかし、電子契約サービスを導入すれば、作成した契約書のデータを相手にメールなどで送付するだけで済みます。後は、相手先が手の空いたときに内容を確認し、合意してくれるのを待つだけなので非常に簡単です。
電子化した契約書は、電子契約サービスのクラウドやデバイスのファイルに保存できるのもポイントです。
コスト削減が可能
法律上、電子契約には印紙税が課税されません。そのため、紙の契約のときにかかっていた収入印紙代の負担がなくなります。
また、契約業務の工程が削減されるため、契約書の印刷に必要なインク代や用紙代、郵送代などのコストもかかりません。ペーパーレス化によるメリットも感じられるでしょう。
電子契約サービスの導入によって削減されたお金を別の業務の補填に回す判断も可能です。
コンプライアンス・セキュリティを強化できる
電子契約を締結するためには、複雑な暗号化システムである電子署名・タイムスタンプが必要です。この2つを使用することで、電子契約は第三者による改ざんを防止できる仕組みです。
紙の契約書は誰かによって書き換えられても、最悪の場合、改ざんに気づけないリスクがあります。しかし、電子契約なら誰かに改ざんされればその後が残るため、改ざんされたことをしっかり把握できます。
そもそも、第三者によって改ざんされるような簡単なシステムではありません。
また、電子契約は契約書をデータとして管理するため、紙のように取引後になくす心配がありません。
コンプライアンスを強化したいと考えている企業には、電子契約サービスの導入がおすすめです。
電子契約を導入済み企業の割合
国内ですでに電子契約の導入が済んでいる企業の割合は、67.2％です。この普及率から電子契約は非常に多くの企業で使用されている状況であることが分かります。
国内・海外で高いシェアを誇る電子署名サービス
最後に、国内・海外で多くの企業から人気を得ているシェアが高い電子署名サービスを紹介します。
ワールドワイドな事業展開をしている・する予定がある場合は、海外シェアが高い電子署名サービスが適しているでしょう。将来的な海外進出をまったく考えていない場合は、国内でシェアが高い電子署名サービスの利用を考えてもいいかもしれません。
海外でシェアが高い電子署名サービス：DocuSign
DocuSign（ドキュサイン）は、海外で高いシェアを得ている電子契約サービスです。多言語に対応しているため、国外展開を積極的に進めている企業におすすめです。送信者側の対応言語は14言語、受信者側は43言語も使用できます。
DocuSignはパソコンだけでなく、モバイルアプリも提供しています。そのため、スマホやタブレット端末などでも、契約業務を進められます。
社員の出張や移動が多い企業は、Docusignの導入に適していると言えるでしょう。
国内でシェアが高い電子署名サービス：クラウドサイン
国内に限定すると、クラウドサインのシェアが高くなります。弁護士監修の電子契約サービスで、大企業からベンチャー企業までさまざまな規模の会社で利用されています。
各社が抱える課題にあわせて、電子契約サービスの導入・運用をしっかりサポートしてくれるのがクラウドサインの魅力の1つでもあります。
また、外部サービスとの連携数が多いため、効率よく契約業務を進めらえる可能性があるでしょう。