シャチハタ社といえば“朱肉のいらないスタンプ印”が有名ですが、実は電子文書に利用できる「電子印鑑」の老舗メーカーでもあります。
この記事では、シャチハタ社が提供している3つの電子印鑑作成サービスを比較しながらご紹介。
電子印鑑を導入するメリット・デメリットについても解説しているので、テレワークや在宅勤務における業務効率を向上させたいとお考えの企業・団体様はぜひ参考にしてみてください。
シャチハタ株式会社が提供する電子印鑑作成サービスとは
まずは、電子印鑑を取り扱うシャチハタ社の概要と、電子印鑑作成サービスを導入するメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
シャチハタ株式会社の概要
シャチハタ株式会社(表記は“シヤチハタ”)は、1925年に創業された印鑑メーカーです。
当時はインキをスタンプ台に染み込ませるのが一般的であったため、インキを補充せずに連続して捺印できる「万年スタンプ台」は画期的な商品として話題を呼びました。
1965年にはシャチハタ社の代名詞である「Xスタンパー」が発売され、現在も主力商品の1つとして進化を続けています。
そんなシャチハタ社が最初に電子印鑑のシステムを開発したのは1995年のことです。
マイクロソフトが「Windows95」を発売するというニュースを受けて電子化の未来を予見し、オンプレミス製品の「パソコン決裁」を誕生させました。
現在はクラウド製品「Shachihata Cloud(シャチハタクラウド)」に名前を変え、電子印鑑システムの最先端を走り続けています。
電子印鑑の種類とメリット・デメリット
電子印鑑を作るには、フリーソフトで印影画像を作成する方法と、有料ソフトで識別情報の組み込まれた印影を作成する方法の大きく2種類があります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットは以下の通りです。
フリーソフトで印影画像を作成する
1つめは、紙に押印した印影をスキャナーでパソコンに取り込み、透過処理などを行って画像化させる方法です。
印鑑を持っていない場合は、フリーソフトを使って一から電子印鑑を作成することもできます。
こちらは無料で手軽に作成できるため、個人利用の認印や三文判を作る場合に役立ちます。
ただし印影を画像化させただけのものは複製やなりすましのリスクが高く、法的効力も持たないためビジネスシーンでの利用は避けた方が安心です。
印影に識別情報が付与されているもの
2つめは、有料の電子印鑑作成サービスを利用して識別情報の組み込まれた印影データを作成する方法です。
印影画像と合わせて、印鑑の使用者・押印日時といった情報を記録でき、なりすましなどの悪用リスクを低減する効果が見込めます。
ある程度のコストはかかりますが、識別情報の組み込まれた電子印鑑なら本人証明・非改ざん証明が可能なため、社外文書などにも使うことができます。
シャチハタが提供している「Shachihata Cloud(シャチハタクラウド)」も、識別情報を組み込めるタイプの製品です。
話題のクラウド型電子印鑑作成サービス【Shachihata Cloud】の特徴
シャチハタ社は、2020年11月に「Shachihata Cloud(シャチハタクラウド)」というクラウド型の電子印鑑作成サービスをリリースしました。
こちらは「パソコン決裁Cloud」として展開されてきた電子印鑑作成サービスのリニューアル商品です。
続いて、Shachihata Cloudの特徴と、プランごとの価格・機能について詳しく見ていきましょう。
リモートワークや在宅勤務で活躍!
Shachihata Cloud(シャチハタクラウド)は、これまで紙で行っていたワークフローの運用をそのままデジタル化できる電子決裁サービスです。
印鑑が必要となる社内文書・社外文書(稟議書・申請書・見積書・請求書・決裁文書など)の電子化に対応しており、テレワークや在宅勤務へのシフトを後押しします。
Shachihata Cloudの主な機能として、以下のようなものがあります。
電子印鑑の作成機能 | 手持ちのネーム印・日付印・角印・丸印を電子印鑑化 |
---|---|
電子署名・タイムスタンプ機能 | 署名時点での文書の存在・署名以降の文書の非改ざんを証明する |
回覧機能 | 社内・社外への回覧ルートを設定できる |
PUSH通知・二要素認証機能 | スマホアプリからのPUSH通知や、顔・指紋でのログイン認証が可能 |
Shachihata Cloudのプラン・価格
Shachihata Cloud(シャチハタクラウド)のプランごとの価格・機能は以下の通りです。
スタンダード版 | ビジネス版 | |
---|---|---|
価格(税込) | 110円/印面数・月 | 330円/印面数・月 |
PDF変換機能(対象:Word・Excel) | ○ | ○ |
回覧ルート保存 | ○ | ○ |
組織階層作成/管理 | ○ | ○ |
ファイル保存(1年間) | ○ | ○ |
ファイル添付 | ○ | ○ |
社内回覧専用設定(社外非表示) | × | ○ |
二要素認証 | × | ○ |
IPアドレス制限(※要別途申請) | × | ○ |
電子署名 | × | ○ |
スマホネイティブアプリ | ○ | ○ |
ポータル | ○ | ○ |
また有料オプションとして、以下のような機能を追加することができます。(全て税込価格)
スタンダード版 | ビジネス版 | |
---|---|---|
SAML認証 | × | 110円/1ユーザー |
SAML認証設定 | × | 33,000円/初期設定費 |
タイムスタンプ署名 | × | 3,300円/月・100回まで |
BOX自動保存 | 110円/1ユーザー | 無料 |
入力フォームテンプレート | 110円/1ユーザー | 無料 |
シャチハタでは、Shachihata Cloudのビジネス版を体験できる30日間の無料トライアルも実施しています。
まずは、トライアルでShachihata Cloudの機能を体験し、その後どちらのプランに申し込みを行うか検討するという流れがおすすめです。
シャチハタではオンプレミス製品も販売
シャチハタでは、オンプレミス型の電子印鑑システムの販売も行っています。
利用規模によってはこちらの方が使い勝手が良い場合もあるので、価格や使い方を一通り確認しておきましょう。
グループ・ビジネス利用なら【パソコン決裁7+電子印鑑パック】
パソコン決裁7は、複数のパソコンで使用することを想定したビジネス向けの電子印鑑システムです。
WordやExcel、Adobe Acrobatに対応しており、各ソフトウェア上で簡単に捺印を行うことができます。
ユーザー認証や文書改ざん防止機能、捺印履歴管理といった機能が備わっているため、セキュリティ面も安心です。
パソコン決済7の価格は65,780円(税込)で、1つの会社につき1つのパッケージ購入で利用できます。
またテクニカルサポートの加入料金として、13,200円(税込)/年が発生します。
この他、独自の電子印鑑を作成する場合は、電子印鑑パックの追加購入が必要となり、こちらはスタンダード版が5,280円(税込)/1個、カスタム版が10,780円(税込)/1個です。
個人利用なら【デジタルネーム】でも対応可能
1台のパソコンで利用する分だけで良いという場合は、デジタルネームという電子印鑑システムがおすすめです。
こちらは個人利用を想定した電子印鑑システムで、ユーザー認証や捺印履歴管理などの機能は備わっていません。
個人の印鑑発行や文書保護が必要な場合に役立つソフトとなっています。
デジタルネームの価格は1,980円(税込)となっており、Word・Excelでの利用に対応しています。
まとめ
- シャチハタ株式会社では、従来の印鑑と合わせて電子印鑑システムの販売も行っている
- Shachihata Cloud(シャチハタクラウド)の電子印鑑はセキュリティが高く様々な社内・社外文書に利用できる
- 利用規模が小さい場合には、パソコン決済7やデジタルネームといったオンプレミス製品の検討もおすすめ
有料の電子印鑑システムを活用することで、不正利用を防ぎながら、承認作業などの業務効率化を図れます。
Shachihata Cloudなら電子署名などにも対応しているので、電子印鑑の導入をお考えの方はシャチハタ社製品の利用を検討してみてはいかがでしょうか。