電子契約システムを導入するメリットとは?導入時の注意点も含めて解説!

電子契約システムを導入するメリットとは?導入時の注意点も含めて解説!

「電子契約サービスを導入するメリットって?」

「電子契約サービス導入時に注意すべきポイントって何?」

と疑問に感じていませんか。

電子契約サービスを導入することで、印紙税の削減や取引業務のリードタイム短縮、契約業務の効率化など多数のメリットがあります。

メリットがある一方で、すべての契約書の原本の電子化ができるわけではない、電子帳簿保存法など法対応が必要な場合があるなどに注意が必要です。

当記事では、電子契約サービスを導入する6つのメリット、導入時の3つの注意点、メリットを最大化できるおすすめの電子契約サービスまでご紹介します。

目次

電子契約サービスを導入する6つのメリット

電子契約における本人確認の重要性

電子契約サービスを利用し、既存の書面契約を電子化することで企業に以下6つのメリットがあります。

印紙税の削減

印紙税は契約書の取引金額により課税額が上下しますが、1通あたり2,000~円かかる場合も多く、取り扱う契約書量が多い企業にとってコスト負担が大きいです。この課題に対して、電子契約を導入することで、印紙税を削減できる点がメリットです。

「え、本当に印紙税って納めなくてもいいの?」

と疑問に感じる方も多いかと思いますので、印紙税が非課税な理由を紹介します。

印紙税法第2条に以下記載があります。

文書(略)の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある

したがって、印紙税の課税有無の判別は課税文書の作成有無により実施していることがわかります。

また印紙税法第44条に以下の記載があります。

第44条 法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。

つまり、書面(紙)を作成することが課税文書の作成にあたると考えられるため、書面を作成しない電子契約は非課税であると考えられるのです。

契約締結までの取引業務のリードタイム短縮

郵便法が2021/9に改正され普通郵便の最短配送日が翌々日になりました。したがって、取引業務のリードタイムの長期化が懸念されます。また、海外企業との契約書のやり取りや、NDA締結など多数の契約書修正が発生する取引業務ではさらに長期化が課題でしょう。

この課題に対して、電子契約サービスを利用することで対応ができます。電子契約サービスの多くは契約締結用のURLを記載したメールを相手方企業に送付することで契約締結可能なものが多いため、取引業務のリードタイム短縮が可能な点がメリットです。

また、多くのシステムでは契約書のテンプレート登録、一括送信、社内向け承認ワークフローなどの機能が搭載されていることから、業務を効率化しつつ取引のリードタイム短縮が期待できる点もメリットといえるでしょう。

保管コストの削減

契約書は法人税法など税法上の国税関係書類に該当するため、最低7年間(繰越欠損金がある場合は10年)の保管が必要です。したがって、書面の契約書の保管コストが課題でした。

電子契約サービスを導入することで、システム上にストレージを確保する必要があるものの書面を保管する場所やコストの削減が可能な点がメリットです。

管理コストの削減

長期保管した後の契約書の廃棄や税務調査時に提出を求められた契約書の検索など、契約書の管理コストが高い点に課題があります。

電子契約であれば、システム上で規定の年数が経過した契約書を廃棄用フォルダに移動させる、契約書をファイル名により自動仕分けを実施することなどが可能なサービスもありますので、管理コストの削減がメリットといえるでしょう。

特に昨今では監査報酬の高騰を背景に監査コストの削減が課題です。この課題に対して、電子契約では高い検索性を保持することで監査コストの削減を期待できる点もメリットです。

セキュリティの強化

契約書を保管する場合、契約書の閲覧・持ち出し・編集履歴の管理や紛失・盗難などに対する施策の実施などの点に課題があります。

一方で電子契約サービスの場合、書面契約と同様にリスクを抱えるものの、リスクを低減できる点がメリットです。

多くの電子契約サービスの場合、契約書別のアクセス制御やIPアドレスによるログイン制御、閲覧・編集・DLログ管理などを実施することで、セキュリティの強化を期待で切る点もメリットでしょう。

ただし、システムを利用することによる固有のリスク(外部からの攻撃、ID/PWの紛失など)があるため、対応がしやすいシステム選びが重要です。

リモートワークへの対応が可能

新型コロナウイルスの流行を契機に多くの企業でリモートワーク対応が求められています。一方で、印鑑を押すためだけに出社が必要など、おおよそ現代的とは言いにくい状況が発生している事実があります。

この課題に対して電子契約サービスを利用することで解消できる点がメリットです。多くの電子契約サービスでは、従来印鑑や印鑑証明書が担っていた押印者の本人性の担保を電子署名と電子証明書によって担保できます。

以下の電子署名法第3条に記載されている通り、電子署名を付与された電子契約は書面契約と同等に法的に有効ですので、電子署名を付与できる電子契約サービスさえ利用すれば、押印の為にわざわざ出社ということもなくなります。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する

また、多くの電子契約サービスでは社内承認用にワークフロー機能を搭載している場合が多いですので、書面契約を上長に届けるために出社という悲劇を防げる点もメリットといえるでしょう。

電子契約サービス導入時の3つの注意点

電子文書の場合も印鑑は必要?

メリットが多数ある電子契約サービスですが、導入時の注意点があります。

すべての契約書原本を電子化できない

一部の業界の契約書では原本の電子化が法的に禁止されています。例えば不動産業で扱う一部の契約書では取引金額が高額であるため、原本の電子化が認められていません。

他、原本の電子化が認められていない契約書例は以下の通りです。

【公正証書の作成が必要とされる類型】

  • 事業性貸金契約の保証契約(民法465条の6)
  • 定期借地契約(借地借家法22条) など

【書面交付が必要とされる類型】

  • 宅地建物売買等の媒介契約書(宅建業34条の2)
  • 宅地建物売買等契約における重要事項説明時に交付する書面(宅建業法35条) など

ただし、原本の電子契約化が認められていないだけであって、複製の保存は認められている点に留意ください。つまり、複製を電子契約化して保存することで検索性向上などのメリットは期待できます。

また、2021/9に施行されたデジタル改革関連法により、不動産業の売買契約書などこれまで原本の電子契約化が認められていなかった契約書の電子契約化が認められる動きがあります。電子契約化可能なものは2022/5までに電子化可能になる見込みですので、併せて確認が必要です。

選択する電子契約サービスにより係争時の信頼性が異なる

以下の民法522条2項により、電子契約も書面契約と同等に法律的に有効であり効力に差はないことは明白ですが、導入する電子契約サービスのタイプにより係争時の信頼性に差があることに注意が必要です。

契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

電子契約サービスは利用ユーザ自身が電子証明書を発行するか否かにより以下のタイプに分けられます。

  • 当事者型
  • 立会人型

当事者型はユーザ自身が電子証明書を発行するため、立会人型と比較して係争時の信頼性は高い点がメリットと考えられます。ただし、電子証明書の発行には手間とコストがかかることが懸念点です。

一方で立会人型はユーザ自身で電子証明書の発行を必要としない為、簡単に電子契約サービスの利用を始められることがメリットです。

多くの電子契約サービスでは契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付することで契約締結が完了できる点に強いメリットを感じて、多くの企業は立会人型を選択しているようです。ただし、係争時の信頼性は当事者型と比較して引くと考えられる点に注意しましょう。

法対応が必要な場合がある

国内取引で利用した契約書は法人税法など税法上で国税関係書類に該当するため最低7年間の保存が必要です。また、電子帳簿保存法に準拠した保存が求められる点にも注意が必要でしょう。

電子契約は電子帳簿保尊法電子取引要件に準拠した保存が必要です。2022/1に電子帳簿保存法は改正され、電子取引したデータをシステム上に保存していない旨が国税調査時に指摘された場合、青色申告承認の取り消しのリスクがありますので注意しましょう。

また、書面の契約書を電子化保存して保存する場合には電子帳簿保存法スキャナ要件に基づいた保存が必要です。電子取引要件とスキャナ保存要件は似て非なるものですので、各要件の違いを理解したうえで対応が求められます。

メリットを最大化するのであればDocuSignがおすすめ

電子契約・電子署名サービスDocuSign(ドキュサイン)

電子契約サービスを利用した場合のメリットを最大化するのであればDocuSignの導入がおすすめです。

DocuSignとは世界180か国以上で利用され7割弱の世界シェアを誇る電子署名サービスです。米国では不動産契約の約90%が利用し、世界で66万社以上の企業が利用しています。

世界シェアNo1を裏付けるだけの機能性と使いやすいUIを搭載しているため、メリットを最大化できます。また、電子契約は他システムと連携して利用する場合が多いですが、DocuSignは350以上の他システムとの連携実績を保持している点もメリットでしょう。

メリットを最大化可能なDocuSignですが、1アカウント10$と業界最安水準で利用できる点も魅力的です。ただし、4アカウント以上利用する場合には個別に問い合わせが必要になる点に注意ください。問い合わせをする場合は手厚いフォローがある点で代理店経由の方がメリットに勝るため、代理店への問い合わせをおすすめします。

まとめ 契約業務を効率化しよう!

電子契約サービスを導入することで印紙税の削減、契約業務の効率化、取引のリードタイム短縮など様々なメリットを受けられます。

メリットが多数ある一方で、法対応が必要な場合がある、すべての契約書原本を電子化できるわけではないなどの注意点もあるため、留意の上システムを選定ください。

ただし、基本的にはメリットが勝るかと思いますので、導入して損はありません。電子契約サービスを導入して契約業務の運用を効率化していきましょう!

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