電子契約における無権代理リスクとは?メール認証のリスクや対応策を解説!

電子契約の無権代理を解説 メール認証のリスクの概要と対応策も併せて紹介

「電子契約サービス利用時、メール認証を利用する予定だけれど、無権代理のリスクって何?」

「電子契約サービス利用時の無権代理のリスクへの対応策は?」

と疑問に感じていませんか。

電子契約サービスを利用する多くのユーザはメール認証を利用しています。メール認証の場合、無権代理のリスクがあり、この無権代理のリスクに対応した電子契約サービス選びが重要です。

当記事では、電子契約サービスにおける無権代理のリスクや無権代理への対応策、おすすめの電子契約サービスまでご紹介します。

目次

無権代理リスクとは?

そもそも無権代理のリスクとは何か説明します。

電子契約サービスは2タイプある

無権代理のリスクについて説明する前に電子契約サービスについて説明させてください。電子契約サービスは利用ユーザ自身で電子証明書を発行するか否かにより以下2タイプに分けられます。

  • 立会人型(利用ユーザが電子証明書を発行しない)
  • 当事者型(利用ユーザが電子証明書を発行する)

立会人型は利用ユーザ自身が電子証明書を発行する必要がないため、簡単に電子契約サービスを利用できる点が特徴的です。多くのユーザはこの点を強くメリットに感じて立会人型を採用しているようです。

メール認証を利用する場合のリスクの1つが無権代理

電子契約サービスの立会人型を利用する場合、以下の流れで契約締結をする場合が多いです。

  • 契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送信
  • 相手方はメールに記載されたURLをクリックし、契約締結用ページへ移動
  • 契約内容を確認して署名ボタンをクリック

上記の流れを俗にメール認証と呼びます。メール認証には以下の問題点があります。

  • 契約当事者以外の第三者が不正にメールアドレスを取得する等してなりすまし署名を実施する(なりすまし署名のリスク)
  • 署名者自身がそもそも会社から署名者としての権限を与えられていない(無権代理のリスク)

なりすましのリスクに対しては、電子契約サービス上にワンタイムパスワード発行機能など、二要素認証が搭載されていればある程度リスクが低減できます。

一方で、無権代理のリスクは電子契約固有のリスクではないため、電子契約を利用する運用を含めた対策の検討が必要です。

無権代理への対応策

では、無権代理への対応策として何が考えられるでしょうか。無権代理への対応策案は以下の通りです。

アドレスの所有ユーザーを事前に書面で確認する

まず、アドレスの所有者自身が契約締結の権限を保持していることを書面上で確認する手法が考えられます。具体的な対応方法としては以下のパターンが想定されるでしょう。

  • 相手方にメールアドレスの所有者情報(契約締結権限の有無など)を記載した書面の提出を求め、無権代理を回避する。
  • 契約書上に契約時に利用するメールアドレスおよびメールアドレスの所持者は契約締結の権限を委任されていることを記載し、無権代理でない点を明確化する。

より確実にメールアドレス所有者の契約締結権限を確認したければ、書面上に実印を押印し、印鑑証明書も同時に提出いただく方法も考えられます。

とはいえ、書面業務の効率化を目指して電子契約サービスを導入したのにも関わらず、書面でメールアドレス所有者本人の権限を確認するのは矛盾が生じます。

そこで、次の紹介するアドレスの所有者の権限保持状況をシステム上に登録する方法を提案させてください。

アドレスの所有者をシステム上で事前登録する

何かしらのシステムを利用してWeb上のフォーマットに以下のような権限情報を入力させることで無権代理を回避する方式も考えられます。

  • 企業名
  • メールアドレス
  • メールアドレス所有従業員の役職および名義
  • 契約締結権限の有無
  • 自社型の契約締結担当者名/所属部門

この手法であれば無権代理への対応策をすべてシステム上に集約できるほか、入力された関連情報を法務部などの特定の部門に集約できるため管理が楽です。

特定の役職者以上のアドレスのみ署名可能にする

上述したような書面を提出させる方法やシステム上に入力させる方法の場合、手間とコストがかかる点が課題です。この点を課題とする場合は、相手方との契約締結にルールを設けることでも無権代理への対策ができます。

例えば、会社法14条1項に基づき表見代理を主張しやすくするために、メール認証を利用できる人間を「課長」や「部長」以上に限定する方法が考えられます。

ただし、役職は固定されるものではないため、定期的に役職情報の見直しをする必要がある点に注意が必要です。

署名者は代表(取締役)に限定する

上述したような特定の役職者以上のアドレスに限定する方法の場合、定期的な役職情報の管理が課題です。この点を課題に感じる場合は、代表のアドレスに限定することで無権代理を回避する手法が考えられます。

そもそも代表のアドレスに限定してしまえば、無権代理のリスクは発生しません。したがって、実務上もっとも簡単に効力を発揮する手法といえます。

ただし、署名者を代表に絞った場合、相手方から送信者も代表にしてほしいと依頼される可能性があるため注意が必要です。

無権代理のリスクを取ってまでシステムを導入する理由とは

無権代理のリスクを取ってまでシステムを導入する理由とは

無権代理のリスクを冒してまで電子契約サービスを導入する理由は以下の通りです。

印紙税が削減可能

電子契約サービスを導入することで、印紙税の削減が期待できます。印紙税法第44条を参照すると以下の記載があり、電子契約は課税文書(紙)の作成は実施しないため、非課税であることがわかります。

第44条 法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。

課税額は契約書に記載された取引金額により上下しますが、1通あたり2,000円~かかる場合も多いため、取引量が多い企業であれば印紙税が削減できるだけでも電子契約サービスを導入したコストを回収できるでしょう。

取引のリードタイム短縮が期待できる

郵便法が2021/10に改正され、普通郵便の配送日が最短で翌々日になりました。したがって、取引のリードタイム長期化が懸念されます。特に海外企業との契約書のやり取りや、NDAなど修正が多数発生する契約書の場合、長期化が深刻です。

電子契約サービスであれば契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで、印鑑押印も不要であり、クラウド上で契約締結が可能である場合が多いため、取引のリードタイム短縮を期待できます。

契約業務の効率化が期待できる

新型コロナウイルスの流行を受けて、押印業務など契約業務の効率化、リモートワークの推進が求められています。従来の契約業務の場合、印鑑押印をするために出社が求められる場合があり、押印そのものが企業のリモートワークを妨げていました。

電子契約サービスであれば押印の代わりに電子署名(デジタル署名)を付与することで、書面契約と同等に法的に有効な契約書を作成できるため、契約業務の効率化、リモートワークの推進を期待できます。

電子契約サービスを利用するならDocuSignがおすすめ

無権代理などメール認証のリスクに対応するのであれば電子契約サービスDocuSignの導入がおすすめです。

DocuSignとは世界180か国以上で利用され7割弱の世界シェアを誇る電子契約サービスです。米国では不動産契約の約90%が利用し、世界で66万社以上の事業者が利用しています。

電子契約サービスの中で世界No1シェアを誇る裏付けとして多機能性と使いやすいUIを搭載している点が特徴的です。メール認証の課題であるなりすまし署名に対しても、多要素認証機能を利用することで対策ができます。

また、無権代理のリスクについてもDocuSignであれば契約書のテンプレートの修正が容易であるため、対応がしやすい点が魅力的です。

電子契約サービスとして非常に高機能なDocuSignですが、1アカウントあたり10$~と業界最安水準で利用できるためコストパフォーマンスに優れた電子契約サービスといえるでしょう。

ただし4アカウント以上利用する場合には個別に問い合わせが必要な点に留意ください。基本的に代理店経由で問い合わせをした方がサポートが手厚い分、メリットが大きいため代理店への問い合わせをおすすめします。

まとめ 電子契約サービスを導入して契約業務を効率化しよう!

メール認証を利用した電子契約サービスの場合、無権代理のリスクがあります。無権代理のリスクとは本来契約締結をする権限を持たない人間が、契約書に署名をしてしまうリスクです。

無権代理のリスクに対策をする手段は、署名者を代表のみにするなどいくつか手段がありますので、自社の運用に適した手法で無権代理のリスク低減をご検討ください。

電子契約サービスを導入して契約業務を効率化していきましょう!

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