「登記申請はオンラインで可能?必要な手続きとは?」
「電子契約サービスを利用すれば登記申請はできる?」
と疑問に感じていませんか。
不動産、会社・法人の登記申請、登記事項証明書など法務局に関する主な手続きはオンラインで実施できます。電子契約サービスを活用してオンラインで実施することで手間を必要とすることなく登記申請ができますので活用をしましょう。
当記事では電子契約サービスを利用した登記の概要やオンライン登記の一連の流れ、登記以外の電子契約サービスを活用するメリットまでご紹介します。
登記は電子契約サービスを利用すれば申請可能
電子文書に電子署名を付与することにより、オンライン上で登記申請が可能です。以下では登記の概要から具体的な方法までご紹介します。
そもそも、登記とは?
登記とは重要な権利や義務を対外的に公表し、権利を保護した上で取引を円滑にするために実施される法制度の1つです。登記することで、第三者や相手方の法人に権利を主張したり、社外からの信用を獲得できます。
登記にはいくつか種類がありますが、その中でも特に利用される頻度が高いのは以下の2つです。
- 不動産登記
- 商業登記・法人登記
不動産登記には土地や建物など不動産がどこにどのような状態で存在しているかの「物理的現況」と誰が所有しているかの「権利関係」を法務局に記録するものです。
商業登記・法人登記とは会社や法人を立ち上げる際に法務局に記録が必要に求められるものです。この商業登記・法人登記があることで会社や法人の信頼性を担保できます。
商業登記・法人登記を参照することで誰が社長で、誰が役員で、資本金はいくらかなど、会社や法人の情報を相手方が参照できるため、安心して取引ができるのです。
その他、以下のような種類が登記にはあります。
- 動産譲渡登記
- 債権譲渡登記
- 成年後見登記
- 船舶登記
登記申請の方法
上記の登記手続きを行う手段は以下の2つがあります。
- 書面による申請
- オンラインによる申請
書面による登記申請の場合、以下を準備し、事前に郵送か持参で提出する必要があります。
- 会社届出印、個人実印、認印など申請者本人を確認できるもの
- 印鑑届出書
一方でオンライン申請の場合、本人確認として以下の提供が必要です。
- 電子証明書
- 電子署名つきの申請書データ
オンライン申請自体は法務局が提供している「登記・供託オンライン申請システム」で実施します。
電子契約サービスを利用する場合には登記・供託オンライン申請システム上に電子契約サービス上で電子署名を付与した申請書データを添付して手続きを進めれば、問題なく登記申請が可能です。
一般的なオンライン登記申請の流れ
不動産登記や商業登記・法人登記など、一般的なオンライン申請の流れを解説します。オンライン申請は以下の流れを取ります。
- 申請書情報の作成
- 添付書面情報の添付
- 到達・受付のお知らせ
- 登録免許税・登記手数料の納付
- 補正・取下げ
申請書情報の作成
法務省HPからダウンロードできる申請書用総合ソフトを利用して、申請書情報を作成します。作成後、申請書に対して電子契約サービス上で電子署名を付与してください。
この時、利用する電子契約サービスは立会人型電子契約サービス、当事者型電子契約サービスのいずれの利用でも問題ありません。
添付書面情報の添付
登記申請に必要な添付書面情報をシステム上に添付します。登記申請をオンラインで申請する場合に使用ができる拡張子は以下の通りです。
- 署名付きPDFファイル(.pdf)
- ビットマップイメージファイル(.bmp)
- XML電子公文書ファイル(.xml)
その後、作成した登記の申請データを登記・供託オンライン申請システムに送信します。
到達・受付のお知らせ
申請データが登記・供託オンライン申請システムに送付された段階で、送付日時、申請番号をシステム上で確認できます。同様に申請先の登記所で受付されると、受付番号、受付日時をシステム上で確認できますので、申請の進行状況を確認しましょう。
登録免許税・登記手数料の納付
登記申請をする場合、登録免許税を納める必要があります。登録免許税の納め方は以下の2通りですので、いづれか都合のよい方法を選択して納付してください。
電子納付
インターネットバンキング、モバイルバンキング、電子納付対応のATMを利用した納税方法です。
領収書または印紙納付
領収証書または収入印紙を窓口に提出することで登録免許税を納付できます。
補正・取下げ
オンライン上で登記申請した申請データや添付情報に誤りがある場合、原則的に申請は却下されます。しかし、不備の内容が補正できるものであると判断される場合には、登記官が定めた期間内に補正をすることで登記可能です。
登記の修正もオンラインで補正が必要です。オンライン上で補正する場合には、申請用総合ソフトに用意されている補正書の様式を利用して補正情報を作成してください。作成した補正情報を登記・供託オンライン申請システムに送付することで補正ができます。
電子契約サービスを利用する他のメリット
電子契約サービスを利用することで登記申請ができるのは明確なメリットです。登記申請以外にも以下のようなメリットがあります。
契約書1通あたり2,500円のコスト削減効果を見込める場合がある
電子契約サービスを利用することで以下のコスト削減効果を見込めます。
- 印紙税の削減
- 書面契約の作成・郵送・管理コストの削減
- 監査コストの削減
電子契約サービスで世界No1シェアのDocuSignを導入したソフトバンク株式会社では契約書1通あたり2,500円のコスト削減効果があったと公表しています。この事例からも電子契約サービスを導入することによるコスト削減効果は大きいといえるでしょう。
契約業務の期間を即日にできる場合がある
書面契約を利用している場合、1つの契約書を締結するまでに2-3週間程度かかる場合も珍しくありません。
一方で立会人型の電子契約サービスを利用すると契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約締結を完了できます。つまり、契約内容に相手方との認識齟齬や不備がなければ契約業務を即日で完了できる可能性があるのです。
法対応が容易になる
電子契約は電子とはいえ契約書ですので、電子帳簿保存法など各種税法に基づいた保存が必要ですので注意ください。
Excelなどすでにお持ちのツールで電子契約を作成することも可能ですが、電子帳簿保存法などの各種税法に対応しようと思うとExcelなどのツールでは対応が難しいでしょう。
例えば、電子帳簿保存法電子取引要件では電子契約をタイムスタンプを付与するなどして真実性を満たし、かつ、主要三項目(取引年月日、取引先名、取引金額)で検索できることを要件としています。この要件をExcelで作成した電子契約で満たすのはむずかしいです。
したがって、電子契約に求められる各種税法に簡単に対応する方法は電子契約サービスを利用することといえます。電子契約サービスの中には国内の各種税法に対応した機能を搭載しているサービスもありますので、簡単に法対応を実施することができます。
まとめ オンラインで申請しよう
登記申請をするときに必要な関連書類は電子契約サービスを利用して電子署名を付与することで作成が可能です。電子契約サービスを利用することでコストの削減や取引のリードタイム短縮などの効果を期待できますので、ぜひ前向きに導入をご検討ください。