「電子契約におけるなりすましのリスクとは?」
「なりすましのリスクを低減するために、何をすればいいの?」
と疑問に感じていませんか。
電子契約を利用する場合、無権限者の第三者が本人になりすまして契約を締結するリスクがあります。
書面契約でも同様になりすましのリスクは存在しますが、電子契約を利用する方法であれば、なりすましリスクに対応しつつ、コストメリットなどもありますので、電子契約サービスの導入をおすすめしています。
当記事では、電子契約利用時のなりすましのリスク、なりすましリスクに対して電子契約で対応をする理由、なりすましリスクへの対応可能なシステムの選び方、なりすましリスクのほか電子契約が抱えるリスクまでご紹介します。
電子契約利用時にはなりすましリスクがある
冒頭でご紹介した通り、電子契約を利用する場合、契約を締結する権限のない第三者がなりすまして契約締結をしてしまうリスクがあります。
なぜこのリスクが生じてしまうのか、以下では確認します。
電子ファイル起因のリスク
書面契約の場合、書面上に契約者の署名捺印が付与され、印鑑に対して印鑑証明が同時に提出されていれば、厳密に本人性を証明できます。
また、署名の筆跡鑑定をすることによっても本人性の証明が可能であり、なりすましのリスクを抑えることができていました。
一方で、電子契約の場合、契約書上に何か本人性を証明できる情報を表面的に残すことが難しいため、本人性の確保がむずかしいです。電子契約上に電子印鑑や署名を残そうとしても容易に複製を作成できてしまうと考えられるためです。
電子契約サービス利用起因のリスク
電子契約を利用する場合、多くの企業で電子契約サービスを利用しています。電子契約サービスを利用する方法の場合、相手方企業の本人性をますます証明しにくくなる点が課題です。
また、ある程度知名度のある電子契約サービスを利用する場合、知名度故に本人性の確認および証明がおろそかになってしまっているとも考えられます。
なりすましリスクがあるのであれば書面契約でよいのでは?
上記で電子契約を利用するとなりすましのリスクがあると紹介しました。
では、電子契約を利用せずに書面契約を利用する方法を取ればよいのではないか?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
書面契約ではなく、あえて電子契約を利用するメリットを紹介します。
書面契約の課題
書面契約を利用する場合、以下3点が課題として指摘される場合が多いです。
- 契約締結までの業務の煩雑さ、煩雑さに起因する取引リードタイムの長期化
- 多額の印紙税など、コスト負担が大きい点
- 契約書の検索性の低さ
電子契約導入のメリット
電子契約、特に電子契約サービスを利用する方法であれば上記の課題に対応できます。電子契約を利用するメリットは以下の通りです。
取引のリードタイムの短縮
書面契約の場合、契約書の印刷、製本、封入、投函、郵送、捺印、保管など相手方と契約締結するまでの業務が煩雑な点が課題となり、取引のリードタイム短縮化が命題です。
また、2021/10に郵便法が改正され、普通郵便の最短配送日が翌々日となりリードタイムのさらなる長期化が懸念されます。
この課題に対して電子契約サービスを利用する方法であると、契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約締結が完了できるサービスが多いため、取引のリードタイム短縮を期待できます。
加えて、多くの電子契約サービスでは、契約書のテンプレート登録、複数の相手方への一括配信など、煩雑な契約業務を効率化する機能を多数備えているため、業務の効率化も見込める点もメリットでしょう。
印紙税削減などのコストメリット
電子契約を利用する場合、印紙税の削減や書面契約の保管・運用コストを削減できる点がメリットです。
特に印紙税は、契約書上に記載された契約金額により課税金額が決まりますが、契約書1通あたり、2,000~円以上かかる場合も多くコストメリットは非常に大きいです。
世界No1シェアを誇るDocuSignを利用するソフトバンク株式会社では、契約書1通あたり2,500円の削減効果を実証していることからも、電子契約導入によるコストメリットが大きいことが確認できるでしょう。
契約書の検索性向上
契約書を電子化することで、電子ファイルに主要三項目(契約日付、契約金額、契約先名)などを付与できます。
したがって、項目別や範囲検索が可能になるため、契約書全体の検索性向上を期待できる点がメリットです。
契約書の検索性が向上すると、契約書の管理運用コストが下がるほか、監査コストの低減を期待できる点も魅力的です。昨今では、システム監査の高度化などにより、監査報酬の高騰が懸念されています。
私自身も監査法人で監査を実施していましたが、何千とある書類の中から特定の書面契約を見つけるだけでも監査時間が延びる経験をしてきているため、契約書の検索性向上は監査コスト低減も期待できるといえるでしょう。
電子契約の法的有効性
以上のように、書面契約ではなく電子契約を利用するメリットは大きいです。しかし、ここで電子契約は法的に有効なのか、と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
結論、電子契約は書面契約と同等に法的に有効です。民法522条2項にて契約方式は自由であると記載があるため、契約の締結に際して電子契約は法律的に有効とわかります。
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
ただし、電子契約は法的に有効ですが、利用する電子契約サービスのタイプなどにより係争時の信頼性に差ができる場合があるため注意が必要です。
リスク低減のためにサービス導入時に気を付けること
電子契約を利用する場合、なりすましのリスクがある一方で、メリットがあると説明しました。ここからは、なりすましリスクに対応可能な電子契約サービスの比較の仕方をご紹介します。
電子署名を付与可能なサービスを利用する
なりすましリスクに対応するには、厳格な本人性の確認・証明が必要です。
電子ファイルに対して、厳格に本人性を証明するためには電子署名(デジタル署名)が付与可能な電子契約サービスを比較するとよいでしょう。
基本的には電子署名(デジタル署名)を付与可能な電子契約サービスが一般的ですが、一部本人確認をメール認証などの方法によって実施するサービスもあるため、なりすましリスクに対応する上では注意が必要です。
システム的に本人確認が厳密に可能なサービスを選ぶ
電子契約サービスを利用する場合、なりすましリスク対策として事業者側で厳密に本人性の証明が可能なサービスを比較しましょう。
例えば、二要素認証が利用できるサービスを利用すると本人性の証明が可能になるため、なりすましリスクに対応ができます。
その他電子契約が抱えるリスク
ここまでなりすましリスクについて解説しましたが、電子契約では他にもいくつかリスクを抱えています。なりすましリスク以外のリスクについて解説します。
無権代理のリスク
仮にシステム的に二要素認証などを実施してなりすまし対策を実施したとしても、そもそも本人確認を実施した人間が企業内で契約締結を実施する権限を与えられていない場合があります。この事象を無権代理のリスクといいます。
無権代理のリスクに対しては、本人確認時に企業内での役職情報を提供する等いくつか対応方法があるため、別途検討が必要でしょう。
セキュリティ上のリスク
電子契約を利用する場合、どうしてもセキュリティ上のリスクが伴います。
サービス自体のセキュリティリスクについては、国際標準規格「ISO 27001(ISMS)」を取得しているかが1つ比較指標です。
一方で、サービス利用時のセキュリティ上のリスクに対しては、契約書別のアクセス制御ができるか、監査ログが取得可能か、IPアドレス制御が可能か、SSO管理が可能かなど、いくつか製品選定時に確認する必要があるため、念頭においておきましょう。
なりすましリスクに対応するならDocuSignがおすすめ
なりすましリスクに対応する電子契約サービスとして世界No1シェアを誇るDocuSignをおすすめします。おすすめする理由は以下の通りです。
なりすましリスクに対応する機能を搭載している
DocuSignとは世界180か国以上で利用され7割弱の世界シェアを誇る電子契約サービスです。
米国では不動産契約の約90%が利用し、世界で66万社以上の事業者が利用しています。
世界No1シェアを裏付けるだけの機能性と使いやすいUIを搭載している点が特徴的です。なりすまし問題を防止可能な機能として、二要素認証や電子署名機能を搭載しているためなりすまし対策を期待できます。
また、上述で紹介した電子契約サービスを利用するメリットを享受できるだけの豊富な機能を搭載していることからおすすめです。
機能に対して割安な料金プランを提供している
非常に高機能なDocuSignですが、1アカウントあたり10$~と非常に安価で利用できることからコストパフォーマンスに優れると判断できます。ただし、4アカウント以上利用する場合は別途、問い合わせが必要となる点に注意ください。
契約する場合は代理店経由での契約をおすすめしています。代理店経由での契約であれば、オンボーディングに対するサポートが手厚いなどメリットがあるため推奨しています。
まとめ なりすまし対策が可能なサービスを選ぼう
電子契約を利用する以上、なりすましリスクは常につきまといます。
とはいえ、システム上でなりすましリスクに対応することは可能ですので、なりすましリスクに対応した電子契約サービスを選択することが重要です。
なりすましリスクに対応した電子契約サービスを導入して、契約業務の効率化を実現していきましょう!