電子契約サービスの導入手順とは システムの選定ポイントも含めて解説!
電子契約サービスの導入手順とは システムの選定ポイントも含めて解説!

【手順まとめ】電子契約サービスの導入方法とは 進め方のポイントを解説!

「電子契約サービスの導入手順とは?」

「手順上で注意点はある?」

と疑問に感じていませんか。

昨今の電子契約サービス市場の拡大に伴い、電子契約サービスの種類が非常に多くなりました。各サービスで顧客に提供するメリットが異なるため、導入手順を守ることで、自社の要件に適合したシステム選びが重要です。

当記事では電子契約サービスの導入手順や導入手順上の注意点までご紹介します。

目次

なぜ電子契約サービスの導入が必要?

なぜ電子契約サービスの導入が必要?

電子契約サービスを利用しなくても電子契約を作成することができます。では、なぜ電子契約サービスの利用が推奨されるのか解説します。

Excelなどの既存ツールでも電子契約作成は可能

電子契約はExcelやWordなどすでにお持ちのツールでも作成することができます。しかし、電子契約は電子とはいえ、契約書ですので各種税法に基づいた保存が必要な点に注意が必要です。

例えば、電子契約は電子帳簿保存法電子取引要件を満たした保存をする必要があります。電子取引要件は以下の通りです。

  • 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け
  • 見読可能装置の備付け等
  • 検索機能の確保
  • 真実性の確保

上記の要件をExcelやWordなどで作成した電子契約で満たすことも理論上可能ですが、対応する工数が高いことから現実的ではありません。

電子契約サービスを利用するとメリット最大化することができる

一方で電子契約サービスを利用すると電子帳簿保存法のような税法対応を容易にすることができます。システム上でタイムスタンプの付与や主要三項目(取引年月日、取引先名、取引金額)で検索できる機能を持つシステムが多いからです。

また、電子契約サービス上には他にも契約書のテンプレート登録や一括送信、顧客ステータス管理など契約業務を効率化する機能が多数搭載されています。

つまり、ExcelやWordなどでは成しえなかった契約業務の効率化までを電子契約サービスであればできるのです。

電子契約サービス導入までの手順

電子契約サービス導入までの手順

では、実際にどのような手順で電子契約サービスを導入すればよいのか手順例を解説します。

手順①:現状の契約業務の整理

契約業務上で発生する文書を以下の観点から整理をします。整理をすることで現状の契約業務の手順上の課題を洗い出すことが目的です。

  • 契約書の種類
  • 契約書の発生頻度
  • 契約書の作成工数
  • 保管方法
  • 契約の流れ
  • 関与する人員数 など

手順②:電子契約サービス導入のスコープ決定

手順①で洗い出した現状の契約業務の課題を元に電子契約サービス導入のスコープを決定していきます。

すべての契約書を対象とするというのが最もシンプルに聞こえますが、契約書ごとにワークフローの整備や電子契約のフォーマットの準備などの手順が必要なため、中々大変です。したがって、電子契約化する契約書の選別が手順上、必要になります。

契約書に優先順位をつける際の評価軸は例えば以下があります。

  • 社内/社外で利用する契約書
  • 契約書の取り扱い頻度
  • 契約書の重要度 など

手順③:システム選定

手順①手順②で把握した現状の契約業務の課題、スコープを元にシステム選定をします。特に手順①で把握した課題を解消することができる機能を搭載しているかがシステム選びの肝になるでしょう。

システム選定の際によく評価軸としてあがる機能例は以下の通りです。

法対応の容易さ

冒頭で紹介したとおり、電子契約は各種税法対応が必要です。したがって、電子契約サービス上で税法対応をすることができるかの機能確認が手順上、必要になります。例えば、電子帳簿保存法対応をするための機能は以下の通りです。

  • タイムスタンプの付与
  • バージョン管理
  • 主要三項目(取引年月日、取引先名、取引金額)による検索
  • 範囲検索、複数条件検索 など

他、法人税法にも対応が必要です。法人税法に対応するために必要な機能例は以下の通りです。

  • システム上で長期保存(通常7年、繰越欠損金がある場合は10年)が可能か
  • 長期保存した場合に保存量を問わず定額で保存することができるか

セキュリティ対策

電子契約サービス導入時にはセキュリティ対策についても手順上、検討する必要があります。よく評価軸として手順上あげられる機能は以下の通りです。

  • 契約書別の閲覧制御
  • ユーザ別の閲覧制御
  • 閲覧履歴の取得
  • 二要素認証
  • ISO27001を取得しているか など

コスト削減の度合い

電子契約サービスで世界No1シェアのDocuSignを導入したソフトバンク株式会社では契約書1通あたり2,500円のコスト削減効果があったと公表しています。このように電子契約サービスを正しく活用すれば大きなコスト削減効果を得られるのは明白です。

コスト削減を実現するために例えば以下のような機能が搭載されているかが手順上、確認ポイントです。

  • 契約書のテンプレート登録
  • 契約書の一括送信
  • 顧客のステータス管理
  • 内部承認用のワークフロー機能 など

また、同時に電子契約サービスを利用する時の料金プランも確認しましょう。確認ポイントは以下です。

  • 基本料金
  • 契約書を送付毎の料金プラン(定額/従量課金)
  • 契約書の保管量の料金プラン(定額/従量課金)
  • 機能アップグレードに伴う料金プラン など

取引のリードタイムの短縮度合い

電子契約サービスを利用することで相手方との取引のリードタイムを短縮することができます。取引のリードタイムを短縮するために手順上、確認が必要な機能は以下の通りです。

  • 立会人型の電子契約サービスの利用有無
  • 立会人型の利用時、手順上で相手方のアカウント発行は義務か
  • 契約に未署名のユーザに対するリマインド など

手順④:社内および社外との調整

手順④:社内および社外との調整

導入するシステムが決定後、社内および社外で調整が必要です。社内、社外で対応が必要なポイントは以下の通りです。

社内での調整

多くの電子契約サービスにはワークフロー機能が搭載されていますので、電子契約サービス導入後は社内の承認フローはワークフローで実施していく場合が多いです。

この時、社内におけるワークフロー構築が必要になるのですが、どのような承認ルートを設定すべきか、また契約書別に承認ルートを変更する必要があるかなど調整が必要になるでしょう。

社外での調整

電子契約サービスを導入したとしても相手方の同意なしには取引上で電子契約サービスを利用することができません。したがって、電子契約サービス導入による双方のメリットを十分に説明した上で電子契約サービス導入に同意してもらうプロセスが必要になります。

立会人型の電子契約サービスを利用すれば相手方に契約締結用のURLが記載されたメールを送付し、相手方は受信したメール記載のURLをクリックして契約書に署名をするのみで契約締結ができますので、使い勝手の悪さや導入のしにくさが原因で断られる場合は少ないです。

また、相手方にとっても電子契約サービスを利用し始めることで、契約書の管理が容易になる、印紙税が削減できるなどの多数のメリットがありますので、十分に説明をすれば導入はスムーズでしょう。

手順⑤:電子契約サービスの本導入

システムを導入しても社員が活用がすることができずに形骸化してしまうケースがあります。このようなケースを避けるためにもシステム導入後には社内向けに活用手順マニュアルや活用手順説明会などを導入手順上で実施して社内活用を促進してください。

システム導入手順上の注意点

システム導入手順上の注意点

導入手順上で注意点がいくつかありますので解説します。

法対応をする必要がある

上述した通り、電子契約は電子とはいえ契約書ですので各種税法に対応する必要があります。例えば電子帳簿保存法、法人税法などです。

もしこれらの税法に基づいた保存をしていない旨が国税から指摘された場合、青色申告の承認取り消しのリスクがありますので、注意が必要です。

特に電子帳簿保存法では電子契約の電子保存を義務化していますので、電子上で要件を満たした保存することができるようにシステムを選定してください。

電子契約の真正性が脅かされるリスクがある

民事訴訟法228条2項で規定される真正性を電子契約では、電子署名を付与することで電子署名法3条により満たしています。しかし、電子署名を付与すれば確実に真正性を満たせられるかというとその限りではない点に注意が必要です。

例えば、電子契約には潜在的になりすましや無権代理のリスクがあります。電子契約を契約当事者でない第三者が署名した場合には電子署名法2条で規定されるような本人性を担保することができませんから、真正性をみたせません。

したがって、なりすましリスクを低減する措置が必要になります。例えば、二要素認証などを利用して厳密な本人確認をする手法が考えられるでしょう。

また、二要素認証を実施して厳密に本人性を担保したとしても、無権代理のリスクが残ります。無権代理のリスクとは、本人による署名であるが、そもそもその本人が契約締結権限を保持していないようなリスクです。

無権代理のリスクに対応するために、契約締結をする本人の役職や所属などを確認しておく必要があるでしょう。

立会人型を利用する場合には固有性の要件を満たす必要がある

立会人型の電子契約サービスを利用する場合であっても、当事者型と同様に電子契約の真正性を満たすことが可能です。

この旨は2020/7に公表された「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A」で総務省・法務省・経済産業省により保証されています。

上記の公表の中で、立会人型の電子契約サービスを利用するためにはより厳密に本人性を担保する要件、固有性の要件について記載があります。

固有性の要件を満たす方法はいくつかあるようですが、上記の公表の中で二要素認証の利用が推奨されていますので、固有性を満たすのであれば、まずは二要素認証が電子契約サービス上で利用することができるかを手順上で、確認する必要があるでしょう。

まとめ 契約業務を効率化しよう

まとめ 契約業務を効率化しよう

電子契約サービス導入後に「想定よりもメリットを発揮できていない」というような経験をしないためにも、導入手順をある程度守って導入準備を進めるのをおすすめしています。

導入手順上で電子帳簿保存法対応などの法対応や固有性の要件への対応など、いくつか手順上で注意点がありますので、確認の上手順を進めて下さい。

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