電子契約サービス導入時に確認が必要なポイントとは 導入目的別に解説!
電子契約サービス導入時に確認が必要なポイントとは 導入目的別に解説!

電子契約サービス導入時に確認が必要なポイントとは 導入目的別に解説!

「電子契約サービス導入時に何を確認すればよい?」

「導入目的別の確認ポイントとは?」

と疑問に感じていませんか。

電子契約サービスを導入することでコスト削減やリードタイム短縮などのメリットを期待できます。ただし、メリットを最大化するためには導入目的に適したサービスを選択する必要があるため注意が必要です。

当記事では、電子契約サービスの導入目的別の確認ポイント、導入時の注意点までご紹介します。

目次

電子契約サービスの導入目的別メリット・確認ポイント

電子契約サービスの導入目的別メリット・確認ポイント

電子契約サービスを導入することによるメリット、メリットを最大化するために確認が必要なポイントを目的別に解説します。

目的①:契約書1通あたり2,500円のコスト削減効果を目指す

電子契約サービスを導入することで以下のコストメリットを期待できます。

  • 印紙税の削減
  • 書面契約の作成・郵送・管理コストの削減
  • 監査コストの削減 など

電子契約サービスで世界No1シェアのDocuSignを導入したソフトバンク株式会社では契約書1通あたり2,500円のコストメリットがあったと公表しています。この事例からもわかる通り、電子契約サービス導入によるコストメリットは大きいといえるでしょう。

このようなコストメリットを最大化するためには、業務効率化が必須です。電子契約サービスをコスト削減目的で導入する場合には、業務効率化が期待できる機能が搭載されているかが確認ポイントとなるでしょう。

導入目的に応じた確認ポイントの一例は以下の通りです。

  • 契約書のテンプレート登録
  • 契約書の一括配信
  • 電子契約サービス上での文書保存
  • 契約書の検索・検索項目の属性付与など

目的②:契約の即日契約を目指す

書面契約の場合、相手方が契約書に記名押印後、回収するまでのリードタイムが長い点に課題があります。

自社で契約書を作成し、相手方に送付後、相手方は契約書を印刷し、記名押印後、返送するような業務プロセスを取ると、1回のやりとりに1週間程度時間がかかる場合も珍しくありません。

また、契約書上の記名押印漏れなどの不備があれば、さらに業務上のリードタイムは長期化するでしょう。

この点、立会人型の電子契約サービスを利用すれば、書面契約と違い、契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで署名・契約締結を完了できますので、リードタイムの短縮できるメリットがあります。

また、電子契約であれば、記名押印の代わりに電子署名を利用しますので、契約不備をある程度予防できる点もメリットです。

このようなリードタイムを短縮することを目的とすると、例えば以下のような機能が搭載されているかが導入目的を達成するために確認が必要になるでしょう。

  • 立会人型の電子契約サービスの利用有無
  • 顧客別のステータス管理
  • 相手方のアカウント発行有無
  • 社内承認用のワークフロー  など

目的③:法対応を容易にする

目的③:法対応を容易にする

電子契約は電子とはいえ、契約書ですので各種税法に基づいた保管をする必要があります。もし、各種税法に基づいた保存をしていない旨が国税調査時などで指摘された場合、青色申告の承認取り消しなどのリスクがありますので注意が必要です。

例えば、対応が必要な税法として以下があります。

  • 電子帳簿保存法 電子取引要件(場合によってはスキャナ保存要件)
  • 法人税法 など

上述の各種税法に対して、電子契約サービスを利用せずにExcelなどで作成した電子契約で対応しようと思うと中々大変です。例えば、電子帳簿保存法電子取引要件に対応しようと思うと、検索性の確保が1つの要件となります。

この要件にExcelなどで作成した電子契約で対応しようと考えると、電子取引の都度、契約先別、取引年月日別にフォルダを作成、その後、エクセル表上などに取引内容を記載、のような手間が発生します。

加えて、真実性を担保するために事務処理規定を作成するような手間もかかってきます。とてもじゃないですが業務上、現実的に対応ができないことが想像つくのではないでしょうか。

この点、電子契約サービスを活用すれば、システム上で簡単に各種税法への対応ができますので、大きなメリットです。法対応の容易化を目的とすると以下の機能が搭載されているかの確認が導入目的を達成するために必要でしょう。

  • 主要3項目(取引年月日、取引先名、取引金額)別検索
  • タイムスタンプの付与
  • システム上での7年以上の長期保存
  • バージョン管理 など

電子契約サービス導入時の注意点

電子契約サービス導入時の注意点

電子契約サービス導入によるメリットは大きいですが、一部導入時に注意すべきポイントがあります。

各種税法に基づいた文書保存が必要

電子契約は税法上の国税関係書類に該当しますから、業務上、各種税法に基づいた保存が必要です。

電子帳簿保存法

電子契約は電子上でデータのやり取りをしますので、電子取引に該当します。したがって、電子帳簿保存法電子取引要件を満たした保存が必要です。

電子帳簿保存法電子取引要件は以下の通りです。

  • 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け
  • 見読可能装置の備付け等
  • 検索機能の確保
  • 真実性の確保

この中で業務上、システムに求められる要件は以下の通りです。

  • 検索機能の確保
  • 真実性の確保

上記をシステム上で容易に対応ができるかが電子契約サービス選びのポイントになります。

法人税法

電子契約はシステム上で最低7年間(繰越欠損金がある場合は10年間)の保存が必要です。

必ずしも電子契約サービス上で保存する必要はありませんが、電子契約サービス上で保存する場合にはシステム上で保存が可能か、保存する際の料金プランを確認しておきましょう。

また、サービスの中にはシステム上で保存する文書量に応じて課金するタイプの料金プランを持つものもありますので留意してください。

各リスクへの対応が必要

電子契約は書面契約と同様に利用ができます。なぜなら、電子契約の場合、真正性を確保するために電子署名を付与しているからです。ただし、以下のようなリスクに陥った場合、真正性が満たせられない場合がありますので対応が必要です。

なりすましリスク

立会人型の電子契約サービスを利用する場合、契約締結用のメールアドレスが漏洩し、第三者がなりすまして電子署名をするリスクがあります。

このなりすましのリスクを回避するために、より本人確認を厳格にする機能をもった電子契約サービス選びが重要です。

最も簡単に本人確認を厳密にする手段は、二要素認証機能を保持した電子契約サービスを選ぶことです。システム選定の際に確認すると良いでしょう。

無権代理のリスク

なりすましリスクを回避できたとしても、無権代理のリスクがあります。無権代理のリスクとは、本人によって署名されたけれど、そもそもその署名した本人が契約締結の権限を持っていないリスクです。

この署名した本人に契約締結の権限がないリスクを回避するために、初めて契約締結する相手方である場合には、相手方に署名や契約締結の権限があるかを確認する必要があります。

具体的には書面に相手方の所属、階級などを記載してもらう、電子フォーマット上に同様の内容を記載してもらうなどの手段が考えられるでしょう。

契約書の文言変更が必要

契約書の文言変更が必要

電子契約と書面契約では、作成方法や法要件が異なるため、契約書の内容が異なります。したがって、電子契約サービス導入初期に、それまでの契約書の内容を変更する必要があるのです。

書面は利用しないため、書面に関する文言を修正する

書面とは法律上で”紙”を意味するため、電子契約では利用をしなくなります。したがって、電子契約を利用し始める際には、契約書文言中の”書面”と記載のある個所に対して、電子ファイルを指し示す内容に修正する必要があるでしょう。

修正前:書面契約書の記載文言 修正後:電子契約書の記載文言
記載文言 甲と乙は、本契約成立の証として、
本書2通を作成し、両者記名押印のうえ、
各自1通を保有するものとする。
甲と乙は、本契約の成立を証として、
本電子契約書ファイルを作成し、それぞれ電子署名を行う。
なお、本契約においては、
電子データである本電子契約書ファイルを原本とし、
同ファイルを印刷した文書はその写しとする。

電子署名を利用するため、押印に関する文言を修正する

電子契約では民事訴訟法228条で求められるような真正性に対して、電子署名を付与することで満たしています。一方で、これまでの書面契約では記名押印をすることで真正性を満たしていたのです。

この業務上のギャップにより、電子契約を利用する場合には契約書上の文言から記名押印にまつわる個所を電子署名に置き換える必要があります。

記名押印に関する文言を電子署名に修正していない場合、最悪のケースで電子契約上に記名押印がないために契約の不成立・無効を主張されるリスクが想定されますので注意が必要です。

導入に際して相手方の了承が必要

電子契約サービスを導入するためには、事前に相手方の了承を得る必要があります。相手方の中には電子契約サービスの導入に否定的な企業もありますので、以下について丁寧な説明が求められるでしょう。

  • 導入目的
  • 相手方の業務上のメリット/デメリット
  • 相手方の業務上のコスト/負担
  • 電子署名付与のための電子証明書の発行有無
  • 電子契約の法的有効性 など

契約業務の効率化が目的として導入されるケースが多いかと思いますが、特に相手方にもコスト削減やリードタイム短縮などのメリットがあることを伝えましょう。

また、電子契約の法的効力を懸念される企業が多いですので、立会人型電子契約サービスによる電子契約であっても書面契約と同様に利用可能であり、裁判で電子契約が利用された判例も少なからず出てきている旨も伝えると安心材料になります。

まとめ 導入目的に合わせたシステムを導入しよう

まとめ 導入目的に合わせたシステムを導入しよう

電子契約サービスを導入する際には、導入目的に合わせたシステム選びが重要です。導入目的を達成可能な機能をもったシステムを選択するようにしてください。

導入メリットが大きい一方で、一部導入時に注意すべきポイントがあります。注意すべきポイントはシステム上の機能でほぼ吸収できますので、注意ポイントをカバーできる機能を搭載した電子契約サービスを選ぶようにしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次