電子契約サービスは、契約における全てのプロセスをクラウド上で行うために作られたシステムです。
電子契約を採用することで、作業効率の向上や契約までのスピードアップが見込めます。また、「脱ハンコ化」が推進されている現在、電子契約サービスを導入する企業が増えているのも事実です。
しかし「電子契約を導入したいけどコストが心配」「電子契約の導入方法がわからない」とお考えの方も少なくありません。そこで、電子契約サービス導入時に活用してほしい公的な支援策として「IT導入補助金」があります。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者が事業のIT化・デジタル化を推進するための公的な補助金です。中小企業・小規模事業者が業務を効率化し、売上を向上するサポートとして、ITツールを導入する場合に経費の一部が補助される制度とされています。
このサイトで紹介している電子契約サービスもIT導入補助金の補助対象になります。
今回は、IT導入補助金の概要をはじめ、電子契約サービスを導入する際にIT導入補助金を活用する方法もご紹介します。事業のDX化推進をお考えの中小企業・小規模事業者の方、電子契約ツール導入をお考えの方は参考にしてみてください。
電子契約ツール導入にも活用できる「IT導入補助金」とは
IT導入補助金とは、自社の課題やニーズに合ったパッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用など、中小企業・小規模事業者等のITツール導入を支援する補助金です。独立行政法人中小企業基盤整備機構よって採択されました。
日々の業務の効率化や自動化のためのITツール導入にあたってのサポート費用や設定費用も補助の対象として含まれます。
IT導入補助金2021について
以前から交付されていたIT導入補助金ですが、新型コロナウイルス感染症が事業環境に影響を与えた2020年以降、「通常枠」に加えて、新型コロナウイルス感染症対策および拡大防止の具体的な施策としてITツールを導入する中小企業・小規模事業者のための「特別枠」が設けられました。
「IT導入補助金2021」にも特別枠が設けられています。また、通常枠の補助率が2分の1であるのに対して、特別枠の補助率は最大3分の2に拡充。ITツールの導入を優先的に支援する補助金となっています。
このサイトでは電子契約ツールを紹介していますが、もちろん電子契約ツールもIT導入補助金の補助対象となっています。テレワーク推進のため、電子契約サービスを導入している中小企業・小規模事業者も増えています。
申請枠の類型
上述したように、電子契約サービス導入にも活用できるIT導入補助金には、通常枠と特別枠が設けられています。それぞれの違いを紹介していきます。
通常枠(A・B類型)
通常枠は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際に、最大で経費の2分の1を補助します。補助対象は、ソフトウェア費・導入関連費です。
自社の課題やニーズに合うITツールを導入することで、中小企業・小規模事業者の業務効率化・売上アップをサポートすることを目的としています。IT導入補助金2021事務局HPに掲載されている通常枠の交付目的は以下のとおりです。
自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。
また、補助金の申請条件や申請額の違いによってA類型とB類型に分けられています。申請条件はITツール導入で生産性が高まる業務プロセスの数や賃上げ要件などによって異なります。また、A類型・B類型のそれぞれの申請額は、A類型が「30万円以上150万円未満」、B類型が「150万円以上450万円以内」です。
A類型 | B類型 | |
---|---|---|
補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
上限額・下限額 | 30万円~150万円未満 | 150万円~450万円以内 |
また、一般的にIT導入補助金2021を用いて電子契約サービスを導入したい場合は、通常枠A類型を用いて申請できる可能性が高いです。最大で電子契約サービス導入費用の2分の1、上限150万円の補助金対象となります。
低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)
低感染リスク型ビジネス枠のC類型・D類型は、複数プロセスの非対面化や業務の更なる効率化を目的とした事業が対象です。最大で経費の3分の2を補助します。C類型・D類型のいずれも非対面化ツールの導入が必須要件となります。
また、D類型に関しては、上記の要件に加えて導入するITツールがクラウド対応されているものである必要があります。
低感染リスク型ビジネス枠の交付目的は以下のとおりです。
低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)は、新型コロナウイルス感染症の流⾏が継続している中で、ポストコロナの状況に対応したビジネスモデルへの転換に向けて、労働生産性の向上とともに感染リスクに繋がる業務上での対人接触の機会を低減するような業務形態の非対面化に取り組む中⼩企業・小規模事業者等に対して、通常枠(A・B類型)よりも補助率を引き上げて優先的に支援するものです。
なお、通常枠のA類型・B類型の補助対象がソフトウェア費・導入関連費に限定されているのに対し、低感染リスク型ビジネス枠のC類型・D類型の補助対象にはソフトウェア費・導入関連費に加え、PCをはじめとするハードウェアレンタル費も含まれます。
C類型 | D類型 | |
---|---|---|
補助率 | 2/3以内 | 2/3以内 |
上限額・下限額 | 30万円~450万円以下 | 30万円~450万円以下 |
IT導入補助金2021の補助対象となる事業者
IT導入補助金の補助対象者は、飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等の中小企業・小規模事業者等です。
電子契約サービスの導入時、会社の規模や業種、またその他の申請要件を満たすことで、IT導入補助金の補助対象となる可能性があります。資本金や従業員数から自社が補助対象となるか判断しましょう。
企業・団体の場合
業種・組織形態 | 資本金 (資本の額又は 出資の総額) |
従業員(常勤) |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
※資本金・従業員規模の一方が、上記以下の場合対象(個人事業を含む)
法人の場合
業種・組織形態 (その他の 法人) |
資本金 (資本の額又は 出資の総額) |
従業員(常勤) |
---|---|---|
医療法人、社会福祉法人、学校法人 | – | 300人 |
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 | – | 100人 |
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特別の法律によって設立された組合またはその連合会 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特定非営利活動法人 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
小規模事業者の場合
業種分類 | 従業員(常勤) |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
電子契約ツール・ドキュサインもIT補助対象
さまざまなITツールが補助金の対象となります。
例えば、当サイトで紹介している電子契約ツールをはじめ、財務・労務・顧客管理など、バックオフィス業務の効率化を目的にしたITツールは、これまでにも多数申請されているようです。その他、業種の特性に合わせたITツールも補助対象となります。
このサイトでもおすすめによく挙げている世界シェアNO.1の電子契約ツール「ドキュサイン(DocuSign)」の電子署名もIT補助金対象ツールとなっています。
電子契約ツール・ドキュサインを用いた場合、インターネット環境があれば、いつでもどこでも電子契約を締結できます。ナビゲーションに従うだけで簡単に、そして直感的に署名・押印して電子契約を結ぶことができるのです。さらに、電子契約において署名をするだけの場合、相手方がアカウントを作成する必要はありません。
ドキュサイン導入時に最大で導入費用の2分の1、上限金額150万円を受け取ることが可能
IT導入補助金2021を用いて電子契約ツール・ドキュサインを導入する場合、電子契約ツール・ドキュサインは通常枠A類型対象となっています。
最大で導入費用の2分の1、上限金額150万円を補助金として電子契約サービス導入時に受け取ることができます。なお、ZoomかBOXと一緒に申し込むことで、最大で導入費用の3分の2、上限150万円が補助金対象となります。
また、IT導入補助金は、IT導入支援事業者(ITベンダー事業者・ITサービス事業者)の支援のもとでの申請となります。電子契約ツール、ドキュサインを導入する場合は、販売代理店を通して契約するのがおすすめです。詳しくは販売代理店の詳細ページをご確認ください。
「電子契約サービスを導入して、脱ハンコやペーパーレス化を推進したい」とお考えの中小企業・小規模事業者の方は、IT導入補助金が活用できるこの機会に電子契約ツールを導入してみてはいかがでしょうか。
スケジュール
四次交付申請が既にスタートしており、電子契約ツール・ドキュサインに適用可能な通常枠の四次締切り分の申請は11月17日(水)17時までとなっています。
電子契約ツール導入をお考えの企業様は申請の準備をお急ぎください。
- 3次締切分 【締切日】9月30日(木)17:00 【交付決定日】10月29日(金)
- 4次締切分 【締切日】11月17日(水)17:00(予定)【交付決定日】12月15日(水)(予定)
- 5次締切分_2021年最終 【締切日】12月中(予定)【交付決定日】2022年1月中(予定)
IT導入支援事業者が申請手続きを全面サポート!
IT導入補助金の申請は、IT導入支援事業者(ITベンダー事業者・ITサービス事業者)の支援のもとで行う必要があります。
IT導入補助金2021の補助対象となる中小企業・小規模事業者の申請手続きの流れは以下のとおりです。また、下記のフローは全てIT導入支援事業者が無料でサポートしてくれます。
1.「IT導入補助金」の補助事業・申請要件の理解
まずは、申請前にIT導入補助金2021の事務局HPや公募要領を読み、補助事業や申請要件について理解をします。自社がIT導入補助金2021の補助対象に該当しているかどうかを確認しましょう。
2.「IT導入支援事業者の選定」と「ITツール」を選択(事前準備)
自社がIT導入補助金2021の補助対象に該当していることを確認したら、自社の業種や事業規模、経営課題を踏まえてIT導入支援事業者と導入したいITツールを選定します。
先ほども紹介したとおり、当サイトでも紹介している電子契約システム、ドキュサインもIT補助金対象ツールです。電子契約システムを導入する場合は、販売代理店を通して契約しましょう。
3.「gBizIDプライム」アカウントの取得「SECURITY ACTION」の実施(申請要件)
交付申請の要件として、「gBizIDプライム」アカウント(ID・パスワード等)の取得が必須とされています。gBizIDプライムアカウントID発行までの期間はおおむね2週間と時間がかかるため、まだアカウントを取得していない場合は、早めに手続きを行いましょう。
また、gBizIDプライムアカウントの取得に加えて「SECURITY ACTION」の宣言も必須の要件とされています。交付申請作成時に宣言済アカウントID入力が必須とされているため、「SECURITY ACTION」の宣言まで必ず行ってください。
4.交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
IT導入支援事業者やITツールを選んだからといって、すぐにITツールの発注・契約・支払いを行うと、補助対象とならない場合があるので注意が必要です。ITツールの発注・契約・支払いの前に、まずはIT導入支援事業者との間で商談を進め、交付申請の事業計画を作成しましょう。
5.ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
交付申請を完了し、事務局からIT導入補助金の「交付決定」を受けたら、ITツールの発注・契約・支払い等を行います。
6.事業実績報告
ITツールの発注・契約・支払いが完了したら、実際にITツールの発注・契約・支払いの実施を行ったことが分かる証拠を事務局に提出します。
7.補助金交付手続き
事業実績報告の完了後、補助金額が確定します。補助額は「申請マイページ」で確認できます。補助額の内容を確認後に補助金が交付されます。
8.事業実施効果報告
IT導入補助金2021の受給後、定められた期限内に事業実施効果報告を行う必要があります。IT導入補助金2021を受給した事業者が「申請マイページ」より必要な情報を入力してください。
IT導入補助金を活用して、電子契約ツールを導入しませんか?
今回は、独立行政法人中小企業基盤整備機構よって採択された「IT導入補助金2021」について、補助金の概要をはじめ、電子契約ツールを導入する際にIT導入補助金を活用する方法を紹介しました。
新型コロナウイルス感染症対策および拡大防止の具体的な施策として、電子契約ツールを導入している中小企業・小規模事業者も増えています。
また、本サイトで紹介している電子契約ツール・ドキュサインは通常枠A類型対象となっています。電子契約サービス導入時に、最大で導入費用の2分の1、上限金額150万円を補助金として受け取ることができます。
なお、ZoomかBOXとの同時申し込みで、最大で導入費用の3分の2、上限150万円が補助金対象となりますので、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
電子契約ツール導入をお考えの場合は、販売代理店を通して電子契約ツールを契約するのがおすすめです。電子契約サービス導入をお考えの中小企業・小規模事業者の方は、ぜひこの機会にIT導入補助金を活用してみてください。
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