「可能な限り安い電子契約サービスを知りたい」「安い電子契約サービスを選ぶポイントは?」と考えていませんか。
電子契約サービスの中には全機能を無料または安い料金プランで導入できるサービスや、業界最大シェアを誇りながら安い料金プランで導入可能なサービスまで存在します。
安い料金プランで導入できるものの、一部機能制限などがあるため、自社のシステム要件を満たした電子契約サービスであるか検証の上、導入することが重要です。
当記事では、おすすめの電子契約サービスを安い順に紹介したうえで、安い電子契約サービス選びのポイントや電子契約サービス導入時の注意点までをご紹介します。
【安い順】おすすめの電子契約サービス4選
以下ではおすすめの電子契約サービスを安い順にランキング形式で紹介していきます。
みんなの電子署名
みんなの電子署名は株式会社ベクターが提供するほぼ無料で導入できる電子契約サービスです。
同サービスを2年以上利用した場合に電子文書の月額保管料として、1通あたり11円(税込)課金される非常に安い料金プランをとっています。
立会人型電子署名やタイムスタンプ、ワークフロー機能、二要素認証機能、操作ログの確認機能、文書の保管・検索機能など、他企業では無料プランに含まれづらい機能までを含んでいます。
また、2022/1に改正された電子帳簿保存法電子取引要件にも対応していることから、みんなの電子署名上に電子文書を電子契約サービス上で保管することで法対応できる点も魅力的です。
ただし、WebAPIを利用した他システムとの連携はできないため、自社の基幹システムや文書管理ツールとの連携を想定している場合には不向きである点に注意ください。非常に安い料金プランは以下の通りです。
月額料金(税込) | 0円 |
---|---|
新規文書作成および送信料(税込)/件 | 0円 |
文書保管料(1年以内)/月 | 0円 |
文書保管料(1年以上)/月 | 10円/件 |
Adobe Sign
Adobe Signは世界36か国で対応でき、年間80億回の処理を行う世界的な電子契約サービスです。
Adobe Acrobat Pro DCユーザであれば既存契約の中で無料利用できるため、安い料金プランで電子契約サービスを導入したいユーザにおすすめです。
PDF編集ツールとしてAdobeを既に導入している場合、既存のPDF編集画面からAdobe Signの編集・署名・送信ができることからシステム上のUI上も優れているといえます。
また、Adobe Sign世界的にシェアのあるシステムであるため、kintoneやMicrosoft365など他システムとの連携実績も豊富にある点も魅力的でしょう。料金プランは以下の通りです。
Adobe Acrobat Pro DC (電子サイン機能付き) |
Adobe Acrobat PDF Pack (電子サイン機能付き) |
|
---|---|---|
月額(税込) | 1,738円 | 1,218 円 |
機能詳細 | Adobe Acrobat PDF Packの全機能、PDF内のテキスト編集、Wordファイルなどを入力可能なフォームに変換など | PDF文書に署名、文書を送信して他の人から署名を収集、モバイルアプリで本人から直接署名を取得など |
DocuSign
DocuSignは世界180か国以上で導入され7割弱の世界シェアを誇る電子署名サービスです。米国では不動産契約の約90%が利用し、世界で66万社以上が利用しています。
ここまで紹介してきた電子契約サービスのように無料で利用できるわけではありませんが、1アカウントあたり10$~と業界最安水準で利用できるため安い料金プランを求める企業におすすめです。
また、機能面でも世界No1シェアを裏付けるだけ機能を網羅的に搭載しています。例えば、テンプレート登録機能やワークフロー機能など電子契約サービスに求められる機能を網羅されていると考えてよいでしょう。
加えて、350以上のシステムとの連携実績があるため、自社のシステムとの親和性も高いと見込める点がメリットです。優れた機能性とUIがあり1アカウントあたり10$~であれば安いといえます。料金プランは以下の通りです。
プラン名 | Personal (個人向け) |
Standard (企業向け) |
BusinessPro (企業向け) |
高度な ソリューション |
---|---|---|---|---|
月額/1ユーザ | 10$ | 25$ | 40$ | 要問合せ |
ユーザ数 | 1 | 最大3 | 最大3 | 要問合せ |
機能 | 基本フィールド、モバイルアプリ、テンプレート機能、ワークフロー機能、リアルタイム監査証跡、dropboxやグーグルドライブなどのクラウド製品との統合、多言語対応 | Personal(個人向け)の全機能、リマインダー通知、コメント機能 | Standard(企業向け)の全機能、支払い機能、署名者の添付資料、一括送信機能、コラボレーションフィールド、同席での署名機能、認証機能 | BusinessPro(企業向け)の全機能、SSO、Enterpriseレベルのサポート、埋め込み署名、管理者やユーザの管理 |
NINJA SIGN
大手クラウド会計ソフト企業freee株式会社が提供する電子契約サービスです。内資系の電子契約サービスの月額相場が税込みで11,000円程度である中で、NINJA SIGNは月額5,478円と業界水準の半分程度の安い料金プランを提供しています。
また、機能面でもグーグルドキュメント上での契約書の随時編集が可能など製品的な特長を出しつつ、電子契約サービスに求められる契約書のテンプレート登録機能などを搭載しているため、通常の業務で十分使えるでしょう。
ただし、月額5,478円の安いプランは月間50通以内の契約書の送信量を想定している点に注意が必要です。料金プランは以下の通りです。
ライセンス名 | 月額(税込) | アカウント数 | 機能 |
---|---|---|---|
Free | 0円 | 1 | 基本機能のみ |
Light | 5,478円 | 1 | テンプレート登録数無制限 など |
Light Plus | 21,780円 | 6 | Wordテンプレート登録 など |
Pro | 55,000円 | 20 | 専任サポートなど |
Pro plus | 132,000円 | 100 | 全機能、全オプションを利用可能 |
電子契約サービス選びのポイント
電子契約サービスの選び方ポイントを紹介します。ポイントを押さえたうえで比較検討し、安い料金プランの電子契約サービスを選択ください。
電子契約のタイプは何か
電子契約サービスには利用者自身が電子証明書を発行する必要があるか否かによって以下の2タイプがあります。
- 当事者型
- 立会人型
当事者型は利用者自身が電子証明書を発行する必要があるため、係争時の信頼性が高いとされています。ただし、電子証明書の発行には手間とコストがかかる点が懸念点です。
一方で立会人型は契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約締結が完了する点がメリットです。ただし当事者型と比較して係争時の信頼性に劣ると考えられる点が課題です。
一般的には導入のしやすさとコストの観点から安い料金プランを求めるユーザには、立会人型が好まれているようです。
文書の保管・管理コスト削減などのコストメリットがあるか
電子契約サービスに搭載されている機能によって以下のコストメリットを受けられるかどうかを比較する必要があります。
- 文書の保管・管理コストの削減
- 監査コストの削減 など
電子契約サービス上に文書を長期保管できる、契約書に紐づく関連文書もシステム上で一元管理できるなど、契約書の管理機能が搭載されている場合、文書の保管管理コストの削減効果を見込めます。
また、システム上で税法上求められるような主要三項目で検索できる場合、文書の検索性向上ができるため、監査コストの低減が期待できる点もメリットです。
取引リードタイムの短縮ができるか
契約書の作成、封緘、郵送など、契約書を相手方に送付するまでのリードタイムを短縮できる機能が搭載されているか比較が必要です。
2021/9に郵便法が改正され、普通郵便の最短配送日が翌々日になったこともあり、取引のリードタイムの長期化が課題です。
この課題に対して、電子契約サービスの中には、契約書のテンプレート登録機能や複数の企業への契約書の一括送信機能などが搭載されている場合があり、これらの機能が搭載されているかが確認ポイントとなるでしょう。
セキュリティの強化ができるか
契約業務をする上で、契約書別の編集・閲覧履歴の管理や持ち出し・紛失リスクへの対応をしなければなりません。
この課題に対して、電子契約サービスを利用する場合、契約書別のアクセス制御やユーザ別のIPアドレス制御、SSOなど対応することが可能です。
導入時の注意点
電子契約サービス導入時の注意点について解説します。
電子帳簿保存法など法対応が必要な場合がある
電子契約は契約書であるので、税法上の国税関係書類に該当します。したがって、各種税法に基づいた保存が必要です。例えば、電子帳簿保存法に基づいた保存が求められます。
電子契約は電子取引に該当しますので、電子取引求められる可視性の要件(主要三項目で検索できるなど)や真実性の要件(タイムスタンプを付与する等)などを満たした保存が必要な点に注意が必要です。
したがって、電子署名法や法人税法など、各種税法に基づいた対応が電子契約サービスで実施できるかが、1つの比較軸になる場合もあるでしょう。
すべての契約書原本を電子化できるわけではない
契約書の中には2022/2現在で原本を電子化できない契約書があります。例えば、不動産業で扱う一部の契約書では取り扱う金額が大きいことから、書面での契約締結を法律上で求められているため注意が必要です。
ただし、原本の電子化が認められていないだけであって、複製の電子化は認められているため、複製の電子化による契約書の検索性向上は期待できます。
また、2021/9に施行されたデジタル改革関連法案の中で、2022/5までを目途として不動産業界の契約書を含む契約書の電子化解禁が検討されているため、現状電子化を検討している契約書の電子化が可能かは法案の内容を合わせてご確認ください。
まとめ 機能に対して安いサービスを選ぼう!
安い料金プランの電子契約サービスはたしかにありますが、一部機能制限がある場合が多いですので、自社のシステム要件を満たした電子契約サービスを比較検討して導入しましょう。
一方で、安い料金プランと比較して非常にリッチな機能を搭載しているDocuSignなど一部電子契約サービスがありますので、機能に対して安いサービスを選ぶ点が重要です。
電子契約サービスを比較検討の上、安いサービスを導入し契約業務を効率化していきましょう!