電子署名やタイムスタンプを用いて、電子契約を締結するのが当たり前になりつつあります。離れた場所にいる相手ともメールなどのツールを用いて、インターネット上で電子契約を結べるので非常に便利です。電子契約サービスを導入している会社も増えている状況です。
そんななか、電子契約に必要なメールアドレスの選び方について迷う人がいます。例えば、社員で共有のメールアドレスがある場合に電子契約で使用していいのか、はたまた私用のメールアドレスでやり取りしても問題ないのかと考えるケースがあります。
そこで本記事では、電子契約で使用するメールアドレスの選び方を解説します。共有のメールアドレスもしくは使用のメールアドレスで電子契約を結ぶ場合のメリットやリスクも説明するので、役立ててください。
共有メールアドレスや私用メアドを利用して締結した電子契約は有効か?
電子契約を締結する際は、本人性を確認するためにメールアドレスが必要です。一口にメールアドレスといってもいろいろなものがありますが、基本的に会社名義で契約を結ぶ場合は会社のメールアドレスを使用します。
社員で共有のメールアドレスがある場合は、これを用いて契約を締結しても構いません。ただし、これには少なからずリスクがあります。詳しくは次の章で解説するので、あわせて確認してください。
また私用のメールアドレスを用いて電子契約を結ぶことも可能です。とはいえ、ビジネスの場で私用のメールアドレスを使用するのはやめておきましょう。会社名義でやり取りする電子契約にプライベートな情報が載るのは不適切です。
私用のメールアドレスを用いて契約するケースとしては、会社と個人で結ぶ雇用契約や個人事業主として結ぶ外注契約などが挙げられます。
共有メールアドレスや私用メアドを利用するメリットとリスクを確認
社員で共有しているメールアドレスを用いて、会社名義の電子契約を結ぶとどのようなメリット・リスクがあるのでしょうか。
私用のメールアドレスを用いる場合もあわせて確認していきます。
共有メールアドレスで電子契約を結ぶメリットとリスク
社員で共有のメールアドレスがある場合は、こちらを使用して電子契約を締結すると契約作業のスピードアップを図れます。これは、契約に関する連絡を会社全体で確認でき、担当者が多忙で手を離せない場合でも誰かが契約作業を進められるためです。
一方で、誰が電子契約に関する作業を進めているのか分からなくなるリスクもあります。社員が集まっていつでもコミュニケーションをとれる日中であればさほど問題はありませんが、残業中であれば話は変わってきます。
この問題を解決するためにはIPアドレスによるアクセス分析などを用いて、作業者を明確にする仕組み作りが必要でしょう。
私用のメールアドレスで電子契約を結ぶメリットとリスク
パソコンやスマホなどを私用している人が多いため、すでに私用のメールアドレスを持っている場合がほとんどでしょう。したがって私用のメールアドレスを電子契約に用いれば、新たに情報登録をしてメールアドレスを取得しなくてすみます。
また私用のメールアドレスで電子契約を締結すれば、会社にパソコンを置いたまま外出している場合でも何か通知が入った際に確認できます。
一方、本当は会社に送ってほしい書類やメッセージも私用のメールアドレス宛に送付される恐れがあるでしょう。会社を退職しても、仕事関係のメールが入る可能性があるため注意が必要です。
電子契約の取引で私用するアドレスの選び方
電子契約は共有のアドレスもしくは私用のアドレスを用いても、締結自体は可能です。
しかし、ビジネスの場では会社のアドレスを用いるのがセオリーです。加えて、できる限り共有のアドレスの使用は避け、電子署名の権限者本人のアドレスを使うことをおすすめします。
作業効率を考えて共有のアドレスを使用したい場合は、作業者を特定できる仕組み作りが大切です。
私用のアドレスはビジネスの場では使用せず、個人名で契約しなければいけない場合(例:雇用契約など)で用いるようにしましょう。
まとめ
電子契約で使用するメールアドレスは、契約の内容に応じて選ぶことが大切です。会社名義で電子契約を結ぶ場合は会社のもの、個人名で話を進めたい場合は私用のメールアドレスを用いるといいでしょう。
どのメールアドレスを使用すべきか判断できない場合は、会社の上司・管理部や取引先などに確認すると確実です。
今回説明した内容を参考に、電子契約にふさわしいメールアドレスを考えてみてください。