「中小企業におすすめな電子契約サービスとは？」
「なぜ中小企業こそ電子契約サービスの導入がおすすめなのか？」
と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
法律の改正によりほぼすべての契約書が電子契約化可能になり、電子契約サービスの普及率も伸びています。また、導入によりコスト削減や法対応の容易化などのメリットが見込まれることから、工数不足になりがちな中小企業こそ導入がおすすめです。
当記事では、なぜ電子契約の導入が必要なのか、電子契約を導入した場合のメリット、導入がおすすめな電子契約4選をご紹介します。
なぜ今電子契約の導入が必要なのか
電子契約を導入することによるメリットは何となく理解しているが、他業務も忙しいので電子契約の導入に着手できていないという企業も多いのではないでしょうか。
そのような企業にこそ、まさに今が電子契約の導入すべきタイミングであることをお伝えさせてください。理由は以下の2点です。
- 理由①：電子契約の普及率が伸びているから
- 理由②：ほぼすべての契約書を電子化できるから
理由①：電子契約の普及率が伸びているから
一般財団法人日本情報経済社会推進協会（JIPDEC）らによる「企業IT利活用動向調査2022」によると、2022年における電子契約の利用企業は69.7%となっています。2021年調査では67.2%でしたので、2.5％の増加です。
ここ数年は電子契約の利用企業割合は堅調に推移してきているため、まさに電子契約の普及率が伸びている状況であるといえます。
特に当事者型（利用者自身が電子証明書を発行して電子署名を付与するタイプ）の電子契約サービスの導入が進んでいるようです。
理由②：ほぼすべての契約書を電子化できるから
2021年9月に施行されたデジタル改革関連法によりほぼすべての契約書の電子契約化が可能になりました。
実際に2022年5月には宅建業法改正により、電子契約化ができずにいた不動産売買契約など多数の不動産業に関連する契約書が電子契約化可能になっています。
したがって、ほぼすべての契約書を電子契約化できる今こそ、電子契約を利用する意味が大きいといえます。
中小企業こそ導入がおすすめな理由
上記の背景の中で、中小企業こそ電子契約サービスの導入がおすすめです。中小企業こそ導入がおすすめな理由は以下の3点です。
- 中小企業におすすめな理由①：業務効率化によるコスト削減効果が大きい
- 中小企業におすすめな理由②：取引のリードタイムを大幅に短縮できる
- 中小企業におすすめな理由③：法対応を容易に実施可能
中小企業におすすめな理由①：業務効率化によるコスト削減効果が大きい
電子契約サービスを導入し機能を活用することで契約業務の効率化を期待できます。機能活用により例えば、以下のコスト削減が可能なのです。
- 印紙税にかかるコスト
- 書面契約の作成・郵送・管理にかかるコスト
- 書面契約の検索や監査にかかるコスト など
世界No1シェアのDocuSignを導入したソフトバンク株式会社では機能活用により契約書1通あたり2,500円のコスト削減に成功したと公表しています。
また、日本No1シェアのクラウドサインを提供する弁護士ドットコム株式会社が公表するデータによれば、電子契約サービスの導入により契約業務にかかるコストの75%を削減できるそうです。
この事例やデータからわかるとおり、電子契約サービス導入・機能活用によるコスト削減効果は大きいといえるでしょう。資本力に不安のある中小企業こそ、コストカット効果の大きい電子契約サービスをご利用ください。
中小企業におすすめな理由②：取引のリードタイムを大幅に短縮できる
立会人型とよばれる、利用者自身は電子証明書を発行せず、事業者に代理で電子署名を付与してもらう電子契約サービスを利用すると、取引のリードタイムを大幅に短縮できます。
なぜなら、立会人型を利用する場合、契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付することで、契約締結ができるからです。
一般的な立会人型の場合、機能上、相手方は電子証明書の発行やアカウントの作成は不要であるため、特に準備なく契約締結できる点が取引の迅速化に貢献しています。
中小企業の場合、キャッシュ回収のスパンを可能な限り短くしたい企業も多いかと思います。この点、電子契約サービスを利用するとリードタイムを大幅に短縮ができますので、中小企業にこそ導入がおすすめです。
中小企業におすすめな理由③：法対応を容易に実施可能
電子契約は税法上の国税関係書類に該当しますので、電子帳簿保存法 電子取引要件に基づいた保存が必要です。
もし、要件を満たして電子契約を保存していない旨を指摘された場合、青色申告の承認取り消しや仕入れ税額控除が認められないなどのリスクがありますので、確実な対応が求められます。
この電子帳簿保存法への対応は大企業だけでなく、中小企業や個人事業主も対象に含まれますので、準備を進めてください。とはいえ、人員不足に悩まれる中小企業も多い中で法対応を厳密に行うのは難しいという場合も多いかと思います。
この点、電子契約サービスの中にはシステム上で電子帳簿保存法の要件を満たした保存をすることもできる場合がありますので、法対応が可能な電子契約サービスの導入をおすすめしています。
中小企業に導入がおすすめな製品4選
中小企業にこそ導入がおすすめな電子契約サービスをご紹介します。導入がおすすめなサービスは以下の通りです。
- 中小企業におすすめ①：みんなの電子署名
- 中小企業におすすめ②：freeeサイン
- 中小企業におすすめ③：クラウドサイン
- 中小企業におすすめ④：ContractS CLM
中小企業におすすめ①：みんなの電子署名
みんなの電子署名は利用を開始して1年目は完全無料で利用ができる電子契約サービスです。
クラウドサインや電子印鑑GMOサインなど大手とそん色のない機能を搭載している一方で、無料で利用できるというコストパフォーマンスが高い点が最大の特徴といえるでしょう。ただし、2年目以降は50文書ごとに500円が課金されますので注意が必要です。
とはいえ、中小企業のような場合、締結する契約書量も少ない場合が多いですので、50文書あたり500円であればコストパフォーマンスが高い場合が多いのではないでしょうか。
中小企業におすすめ②：freeeサイン
freeeサイン(旧：NINJA SIGN by freee)は月額5,478円（税込）で契約書の送信およびタイムスタンプ付与、テンプレート登録などがし放題の電子契約サービスです。
契約書のテンプレート登録や契約別のワークフロー設定など、電子契約で求められる機能を網羅しています。
また、freeeサインではPDFだけでなく、Wordからグーグルドキュメントに変換して契約書の作成が可能ですので、Office365ユーザーであれば、効率的に契約書を作成できると評判になっています。
中小企業におすすめ③：クラウドサイン
クラウドサインは国内シェア80%の電子契約サービスです。電子契約サービス導入時に相手方と利用する電子契約が異なる場合、どちらの電子契約を利用するかで議論になる場合があります。
その際に国内シェアの高いクラウドサインを利用することで、議論を早期に終結させられる点がメリットです。もちろん国内No1シェアだけあり、機能性、UIともに業界最高クラスです。
中小企業におすすめ④：ContractS CLM
ContractS CLMは契約書の作成・承認・締結・保管までを一気通貫して実施ができる電子契約サービスです。書面を電子化して契約書を管理したい場合、ContractS CLMであれば、同じプラットフォーム上で保管できます。
また、文書管理機能が強化されているので、契約業務にまつわる文書をまとめてContractS CLM上で管理できる点がメリットです。
電子契約を利用する際の注意点
契約業務全体を効率化し、コスト削減に貢献できる電子契約サービスですが、利用時にいくつか注意点があります。特に中小企業が気を付けたいポイントは以下の通りです。
- 中小企業への注意点①：電子署名の有効期限は5年
- 中小企業への注意点②：書面契約を電子化する場合はスキャナ保存要件対応が必要
中小企業への注意点①：電子署名の有効期限は5年
電子署名法上で電子署名（正確には電子証明書）には5年間の有効期限が設定されています。一方で電子契約は国税関係書類なので、法人税法上で7年以上の保存が必要です。
つまり、電子署名を付与しただけで保存をしていると電子契約に付与された電子署名の有効性（真正性）が消失してしまいます。この事態に対応できるのが長期署名機能です。
長期署名機能とは電子署名にタイムスタンプを付与する技術で、長期署名を利用することで電子署名の有効期限を10年、20年と延長することができます。
したがって、電子契約を利用する際には長期署名機能が利用できるかも製品の選定ポイントとなるでしょう。
中小企業への注意点②：書面契約を電子化する場合はスキャナ保存要件対応が必要
書面契約を電子化してシステム上で保存する場合、電子帳簿保存法 スキャナ保存要件を満たして保存が必要です。電子契約は電子取引要件ですが、書面を電子化した契約書はスキャナ保存要件なので、対応すべき要件が異なる点に注意ください。
スキャナ保存要件には相互関連性（帳簿と電子化した文書の紐づけをする要件）などの要件があるため、一般的に電子取引要件より対応難易度が高いと言われています。
したがって、スキャナ保存要件対応をする場合には保存要件を確認したうえで対応するようにしてください。
まとめ 電子契約を導入して業務を効率化しよう！
中小企業にこそ電子契約サービスの導入がおすすめです。
普及率が伸びたり、電子契約化できる契約書の種類が増えたりと外部環境が整理されてきたこともありますが、なにより電子契約サービス導入によるコスト削減や法対応などのメリットが大きいといえます。
自社に適切な機能が搭載されているか確認し電子契約サービスの導入をぜひご検討ください。