「合意締結証明書とは?」
と疑問に感じていませんか。
電子契約サービス利用時に契約締結したことの証明として、合意締結証明書を発行できる場合があります。合意締結証明書を利用することで、書面上においても契約が締結されたことを確認可能になる点がメリットです。
当記事では、合意締結証明書が概要や必要性、利用する際の注意点、システム選定時の確認ポイントまでご紹介します。
電子契約における合意締結証明書とは何か
合意締結証明書とは、電子契約サービス上で締結された締結の詳細情報を証明書として出力したものです。
取引上のトラブルを防止するために発行する
基本的に以下のような取引上のトラブルを未然に防止するために発行されます。
- 電子契約サービスを利用しなくなった場合に備える
- 相手方からの求めに応じて提供する
電子契約サービスを利用しなくなった場合に備える
無料で利用ができる電子契約サービスや利用ユーザ数が少ないサービスは突然サービスが利用できなくなるリスクがあります。電子契約サービスが利用できなくなった際に契約締結の事実が確認できない点にリスクがありますので対応が必要です。
重要度の高い契約に対して合意締結証明書を発行しておくことで、このようなリスクに対応ができるため合意締結証明書を発行するケースも少なくありません。
相手方からの求めに応じて提供する
電子契約は電子署名を付与していれば、書面契約と同様に利用ができます。とはいえ、まだまだ電子契約の証拠としての信頼性に懸念を持つ方が多いのも事実です。
そこで、電子契約の信頼性に懸念を持つ企業に対して、合意締結証明書を発行する方法を取る場合があるのです。
電子帳簿保存法上で電子的にやり取りした電子契約は必ず電子保存する必要があるため、電子契約の信頼性を確認する意味で合意締結証明書を利用しています。
合意締結証明書に含まれる3つの要素
合意締結証明書には一般的に以下の3つの要素が含まれる場合が多いです。
- 合意締結をした双方のアクション
- 合意締結をした双方の氏名およびメールアドレス
- 合意締結の方法(メール、iD/PW など)
合意締結をした双方のアクションとは、「いつ」「誰が」「どのような」アクションをしたのかが一覧で記載されます。例えば、契約書の送信や受領、署名などの操作アクションです。
したがって、合意締結証明書を見れば、契約締結に至るまでの関係者の動きが把握できます。また、合意締結をした双方の氏名、メールアドレス、締結方法まで詳細に記載がされますので、締結に必要な情報は網羅的に把握可能です。
合意締結証明書を発行する方法
電子契約サービスを利用している場合、基本的にシステム上から発行する方法がとれます。
システムによっては、契約が締結された後に自動で合意締結証明書が登録されたメールアドレス宛に送付する設定にすることもできるようですので、自社の運用に適した方法で管理をしてください。
合意締結証明書を利用する際の注意点
電子契約の締結情報を確認するのに便利な合意締結証明書ですが、一部利用時に注意点があります。
合意締結証明書を契約原本の代わりにはできない
合意締結証明書はあくまで証明書であり、契約書の原本ではない点に注意が必要です。電子帳簿保存法や法人税法などの税法上で保存が求められているのは契約書の原本、つまり電子契約自体です。
電子契約の内容を合意締結証明書に含んでいるからといって、電子契約の代用としての保存は認められていません。
電子契約は税法上で保存が求められている文書ですので、もし要件を満たした形式で保存をしていない旨を指摘された場合、最悪の場合で青色申告の承認取り消しのリスクがあります。
あくまで合意締結証明書は契約締結の内容を確認するための文書として認識しておきましょう。
システムによっては合意締結書を発行できない
利用する電子契約サービスによっては合意締結証明書を発行できない場合がありますので注意が必要です。とはいえ、法律的に合意締結証明書の保存が必ず必要なわけではない点に留意ください。
つまり、仮に合意締結証明書が発行できなかったとしても、電子契約に電子署名を付与して電子帳簿保存法や法人税法などで求められる要件を満たして保存をしておけば、税法上は問題がないのです。
エクセルやWord、AdobeAcrobatReaderなどで電子契約を作成し電子署名を付与した場合も、合意締結証明書は発行できませんが、税法上で求められる要件を満たして保存をすれば、合意締結証明書は不要です。
電子契約サービス選びの際の確認点
合意締結証明書の発行が可能かが1つのシステム選びのポイントになります。それ以外に電子契約サービス選びの確認ポイントとなる点を紹介します。
確認①:コスト削減が可能な関連機能を搭載しているか
電子契約サービスを導入することで以下のコストを削減し、契約業務で発生するコストの75%を削減できるといわれています。
- 印紙税の削減
- 書面契約の作成・郵送・管理コストの削減
- 検索・監査対応コストの削減 など
上述のコスト削減を実現できるような以下の関連機能が搭載されているかがよく確認ポイントとなります。
- 契約書テンプレートの登録・編集
- 顧客別の契約ステータス管理
- 一括承認・送信
- 社内稟議を円滑にするためのワークフローなど
確認②:立会人型と当事者型がサービスにはある
電子契約サービスには利用者自身が電子証明書を発行するか否かにより以下の2タイプが存在します。
- 当事者型
- 立会人型
当事者型は利用者自身で電子証明書を発行する必要があるものの、万が一の係争時に電子契約の証拠としての信頼性が高いとも考えられています。
一方で立会人型は利用者自身は電子証明書を発行せず、事業者が代理で電子署名を付与する役割を担うため、電子契約を利用し始める際に手間とコストがかからない点がメリットです。
世界No1シェアのDocuSignが立会人型、国内導入数No1の電子印鑑GMOサインが立会人型を利用できることを考えると、一般的に利用されているのは立会人型のようです。
したがって、利用予定の電子契約サービスが立会人型を利用できるかが1つの確認ポイントとなるでしょう。
まとめ 合意締結書が発行可能なサービスを選ぼう
合意締結証明書をファイルとして発行できることで、相手方の安心感を得ることができるなどのメリットがあります。
したがって、合意締結証明書の発行が必要であるシーンが想定される場合には、合意締結証明書を発行可能なシステムを選ぶようにしてください。