電子契約サービス導入時に確認が必要な機能とは 導入メリット別に解説!
電子契約サービス導入時に確認が必要な機能とは 導入メリット別に解説!

電子契約サービス導入時に確認が必要な機能とは 導入メリット別に解説!

「電子契約サービス導入時に必要な機能とは?」

と疑問に感じていませんか。

電子契約サービス導入時には法対応の面での確認事項があります。また、導入メリットを最大化するために確認が必要な機能もありますので、複数の側面からのシステム選定が重要です。

当記事では、電子契約サービス導入時に必須での確認事項、メリットを最大化する時に確認が推奨される機能までご紹介します。

目次

電子契約サービスを導入するのであれば確認が必須な機能

電子契約サービスの機能のイメージ

電子契約サービス導入時、必ず確認をしておいた方がよい機能があるため、以下では解説します。

電子契約サービスのタイプ

電子契約サービスには以下の2タイプが存在します。したがって、電子契約サービス導入時には以下の2タイプのうちいずれを利用するのか検討が必要です。

  • 当事者型
  • 立会人型

当事者型とは、利用者自身が電子証明書を発行し、電子署名を付与するタイプの電子契約サービスです。利用者自身が電子署名を付与するため、万が一、係争になった場合に証拠の信頼性が比較的高いとも考えられます。

一方で立会人型であれば、利用者自身は電子証明書の発行が不要であり、事業者が代わりに電子署名を付与するタイプの電子契約サービスです。

利用者自身が電子証明書を発行しないで良い分、コストと手間をかけることなく電子契約サービスの利用を開始できる点にメリットがあります。

ただし、立会人型を利用する場合、法的に文書の真正性が確保できるか懸念される方も多いかと思います。

この点について、2020/7に総務省、法務省、経済産業省の3省連名で公表された「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A」の中で、立会人型を利用した場合においても真正性は確保できると公表されているため、安心してご利用できます。

税法への対応に必要な機能

電子契約は契約書ですので、税法上の国税関係書類に該当します。したがって、各種税法に基づいた保存が企業に求められているので、導入予定のシステムにおける各種税法への対応方法を確認する必要があります。

電子帳簿保存法対応

電子契約は電子取引に該当しますので、電子取引要件を満たすための機能が搭載されているか確認が必要です。

電子取引要件では以下の要件を満たすことが求められており、国税調査時に要件を満たして保存をしていない場合には青色申告の承認取り消しのリスクがありますので注意してください。

  • 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け
  • 見読可能装置の備付け等
  • 検索機能の確保
  • 真実性の確保

上記の要件を満たすために以下のような機能が搭載されているかが確認ポイントです。

  • タイムスタンプの付与機能
  • タイムスタンプの一括検証機能
  • 主要三項目(取引年月日、取引金額、取引相手名)による検索機能 など

電子取引要件への対応後、書面契約を電子化して保存するためのスキャナ保存対応を見据えている場合には以下の機能が搭載されているかも確認が必要でしょう。

  • バージョン管理機能
  • ファイル別のユニークIDの自動付与機能 または URLリンク発行機能
  • 帳票の解像度、大きさなどの属性情報を付与する機能 など

ただし、電子取引要件、スキャナ保存要件のいずれも必ずしも電子契約サービス上で満たす必要はありません。電子契約をダウンロードして他システム上で要件を満たすことも可能ですので留意しましょう。

法人税法

電子契約は法人税法上で7年間、繰越欠損金がある場合には10年間の保存が必要です。

したがって、電子契約サービス上で長期保存ができるか確認する必要があります。電子契約サービスの中には保存する容量に応じて従量課金されるタイプのサービスもあります。料金プランの確認もあわせて必要です。

電子署名法

法律関係のイメージ

民法522条2項により契約はいかなる形式でも成立しますが、万が一裁判があった時に証拠として利用するためには民事訴訟法228条1項に定められるような真正性を満たす必要があります。

では、電子契約において真正性をどのように満たすかというと、電子署名法3条に記載のある通り、電子署名を付与することで真正性を確保できます。

したがって、導入予定の電子契約サービスで電子署名が付与されるか確認が必要です。とはいえ、一般的な電子契約サービスであれば電子署名が付与できる場合が大半ですのでそこまで注意する必要もないでしょう。

また、電子署名の付与と同時にタイムスタンプの付与ができることも確認をしておくのがおすすめです。タイムスタンプが付与できることで、文書の係争時の信頼性向上に加えて、バックデートのリスク対応などが期待できます。

実務を効率化する上で確認が必要な機能

実務効率化のイメージ

電子契約サービスを導入することで、実務を大きく効率化できます。以下では実務を効率化するにあたり確認がおすすめの機能をご紹介します。

内部承認フローを効率化する機能

電子契約サービスを導入することで、内部承認のフローを効率化することができます。

内部承認のフローの効率化は電子契約サービス導入による効果を特に実感しやすいポイントの1つでもありますので、ぜひ内部承認の効率化ができる機能を搭載したサービスを選択してください。

内部承認フローを効率化する機能例は以下の通りです。

  • ワークフロー機能
  • 電子印鑑の付与機能
  • 承認者別のステータス管理機能 など

電子印鑑の付与は法的に求められるものではありませんが、電子契約上に印鑑の付与があった方が”それらしい”という理由で付与される企業が多いようです。内部承認上も付与されることで、既に承認済みであることがわかりやすいですので、検討いただくとよいでしょう。

書面契約を電子化して保存する機能

電子契約サービスの中には電子契約サービス上で作成した契約書のみならず、書面契約を電子化して保存する機能を持つものもあります。書面契約を電子化して電子契約と一元管理できれば、検索性の向上や法対応の効率化を期待できるためメリットは大きいです。

ただし、書面契約を電子化する際には、電子帳簿保存法スキャナ保存要件を満たした状態で保存する必要があります。上述したようなスキャナ保存要件を満たした保存ができるかが1つの比較ポイントとなるでしょう。

取引のリードタイム短縮のための機能

時間短縮のイメージ

2021/9に郵便法が改正されたことで普通郵便の最短配送日が翌々日となり、取引のリードタイム長期化が懸念されています。

立合人型の電子契約サービスであれば契約締結用のURLを相手方に送付するのみで、クラウド上にて契約締結を完了できますので、取引のリードタイム短縮を期待できます。

他に以下のような機能が搭載されていると取引のリードタイム短縮を期待できますので、システムの比較ポイントとしてください。

  • 相手方はアカウント発行なしで電子契約を受領できる機能
  • 顧客別ステータス管理機能
  • SMSによる契約締結通知 など

コスト削減のための機能

電子契約サービスを導入することで以下のコストメリットを受けられます。

  • 印紙税の削減
  • 書面契約の作成・郵送・管理コストの削減
  • 監査コストの削減 など

世界No1シェアのDocuSignを導入したソフトバンク株式会社では契約書1通あたり2,500円のコスト削減効果があったと公表しています。ソフトバンク株式会社の事例からも電子契約サービス導入によるコスト削減効果は大きいと判断できるでしょう。

このようにコストメリットを最大化するためには以下の機能が搭載されていると、コストメリットを最大化できるでしょう。

  • 契約書テンプレートの作成・登録機能
  • 契約書別の検索機能
  • 一括送信機能
  • 関連文書の紐づけ登録機能 など

セキュリティの強化のための機能

書面契約を作成する場合、契約書の持ち出し・紛失などがリスクになります。この点、電子契約サービスであれば、これらのリスクを低減できる点にメリットがあります。

セキュリティを強化するにあたり確認が必要な機能は以下の通りですので、システム比較のポイントとしてください。

  • ユーザ別のアクセス制御機能
  • 閲覧ログ管理機能
  • ファイル別のアクセス制御機能
  • IPアドレス制御機能
  • SSO機能
  • 二要素認証機能 など

セキュリティの水準を確認する上では、導入予定のシステムがISO 27001を取得しているかも確認ポイントとなるでしょう。

他システムとの連携のための機能

システム連携のイメージ

電子契約サービスは他システムと連携することで、より活用を進められます。例えば他システムとの連携によって以下を実現可能です。

  • CRMシステムから顧客情報を電子契約サービスに連携し、契約書の自動作成
  • 電子署名済みの電子契約を電子契約サービスから文書管理ツールに自動連係 など

上記のようなことを実現するために以下の確認が必要です。

  • 連携実績のある他システム名
  • WebAPIの利用可否 など

世界No1シェアのDocuSignの場合、350以上ものシステムと連携実績があるため、1つの参考指標としてください。

なりすましや無権代理リスクへの対応のための機能

電子契約サービスを利用しても以下のようなリスクは引き続き存在します。

  • 第三者が契約者になりすまし契約を締結
  • なりすましではないが、そもそも契約権限を持たない人間による契約の締結(無権代理のリスク)

上記のようなリスクに対応するにあたり、以下のような機能が搭載されているかが確認ポイントとなります。

  • SMSなどによる二要素認証
  • 電子契約締結前に契約締結権限を持つかの確認画面の提示 など

上記のようなリスクを野放しにして、リスクが顕在化した場合に、契約書の成立の有効性自体が疑われかねませんので、リスクに対応可能なシステムの選定をおすすめします。

まとめ 電子契約を利用して契約業務を効率化しよう!

まとめ 電子契約を利用して契約業務を効率化しよう!

電子契約サービス利用時には電子契約サービスのタイプや法対応など必須で確認が必要な事項があります。確認を怠ると導入後にリスクを抱えますので注意が必要です。また、電子契約サービス導入によるメリットを最大化するために確認が必要な機能もいくつかありますので併せて確認するとよいでしょう。

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