電子署名やタイムスタンプなどの電子契約サービスを会社に導入すると、よりスピーディな契約締結が可能になります。
電子署名サービスにはいくつかの種類がありますが、特にクラウド式のものを利用するとデバイスとインターネットさえあればどこからでも資料を確認できるため非常に便利です。
本記事では、クラウド式の電子契約サービスについて詳しく解説します。導入するメリットや特に利用をおすすめするサービスなどを順番に確認していきましょう。
クラウド式の電子契約サービスを利用するメリットとは
契約書などの資料をインターネット上のクラウドに保存できる形式の電子署名サービスを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
この章では、クラウド式の電子署名サービスが持つ3つのメリットについて解説します。
いつでもどこでも契約手続きを進められる
クラウド式であれば、デバイスとインターネット回線があれば時間や場所に関係なく資料を確認できます。そのため、出張中や外出中など、オフィスでパソコンをチェックできない時間帯でも契約内容のチェック・操作などが可能です。
デバイスに直接ファイルを保存していると、そのデバイスしか当該資料を確認できないデメリットがあります。しかし、クラウド式の電子契約サービスであれば、こうした問題が発生することがありません。
コンプライアンスの強化が可能
契約を電子化してクラウドに保存すれば、書面と違って物理的に紛失する心配がありません。結果的に、コンプライアンスの強化につながります。
セキュリティ対策が整った電子契約サービスを導入すれば、社外秘の資料も安全にシェアできるようになるでしょう
テレワークに対応しやすい
クラウド式の電子契約サービスを導入すれば、テレワーク中でも支障なく契約手続きを進められます。社員は契約書を確認するためだけに会社へ行く必要がなくなり、業務効率の改善につなげられるでしょう。
サービスの選び方を確認しよう
クラウド式の電子契約サービスと言っても、非常に多くの製品があります。そのため、電子契約サービスを利用したことがあったり、知見がなかったりするとどれを会社で使用するべきか判断しにくいでしょう。
そこでこの章では、電子契約サービスを選ぶときのポイントを解説します。クラウド式の電子契約サービスの違いが分からずに困っている人は、必見の内容です。
システムを導入する目的を明確化する
そもそもクラウド式の電子契約を自社に導入する目的はなんでしょうか。導入目的があいまいだと、利用すべき電子契約サービスを判断しにくくなりますし、後述する必要な機能も分かりにくくなります。
クラウド式の電子契約サービスの利用によって、自社でどのようなメリットを得られるかをもとに検討すると良いでしょう。
必要な機能を考える
クラウド式かどうかに限らず、電子契約サービスにはそれぞれ異なる機能が搭載されています。
例えば、よく使用する文書のテンプレートを保存できる機能、他のシステムと簡単に連携できるAPI機能、契約手続きのワークフローを視覚的に確認できる機能などがあります。
電子契約サービスを導入する場合は、どのような機能があれば自社の契約がスムーズに進みそうか考えることが大切です。いろいろな電子契約サービスの機能を比較しながら、検討していくと良いでしょう。
料金プランを確認する
必ずしも費用が安いプランが会社にとって良いとは限りませんが、ビジネスをうまくやっていくためには料金プランのチェックは欠かせません。
クラウド式の電子契約サービスの場合、初期費用が不要なケースもありますが、月額料金が発生します。
イニシャルコストとランニングコストの合計、その金額を支払うことによって得られるパフォーマンスをもとに自社に合うクラウド式の電子契約サービスを選択することが大切です。
管理のしやすさで選ぶ
電子契約サービスの中には、電磁的データだけでなく、紙の契約書も一緒に管理できる製品もあります。
すべての書類を電子化できればこうした機能は不要かもしれませんが、現場ではなかなか難しい場合もあるでしょう。法律上、電子契約が認められていない契約もあるため、すべて電子契約に移行するのは現実的ではないケースもめずらしくありません。
こうした場合は、紙と電子の両方を一元管理できるクラウド式の電子契約サービスを導入すると便利です。
ただし、多くのクラウド式の電子契約サービスは、資料を保管できる容量が決められています。会社で取り扱う紙・電子の資料があまりに多いと、クラウドで管理しきれない可能性もあるため導入前によく考えてください。
セキュリティの高さも要チェック
電子契約サービスを重要な契約に使用する場合は、製品のセキュリティの高さを必ず確認する必要があります。なぜなら、セキュリティが甘い電子契約サービスを使っていると、クラウドに保存している資料が漏洩するリスクがあるからです。
万が一のことを考えて、セキュリティ対策が万全のクラウド式の電子契約サービスを導入しておくと安心できるでしょう。
おすすめのクラウド式 電子契約サービスを紹介
今回は、クラウド式の電子契約として多くの企業から人気を得ているサービスを紹介します。それぞれの特徴や機能などを比較しながら、自社に合うものがないか探してみてください。
クラウド式 電子契約サービス1:Docusign(ドキュサイン)
DocuSign Inc.が提供するDocusign(ドキュサイン)は、海外シェア率が高い電子契約サービスです。多言語に対応しているため、積極的に海外展開を行っている企業に適しています。
文書をクラウド上にアップロードすることで、スムーズに契約手続きを進められる分かりやすいインターフェイスが特徴です。パソコンはもちろん、モバイルアプリも用意されているためスマホやタブレットでも使用できます。
クラウド式 電子契約サービス2:クラウドサイン
弁護士ドットコム株式会社が提供するクラウドサインは、月5件までの電子契約ができる無料プランが用意されています。会社としてビジネス利用する場合は無料プランだけでは済みませんが、操作性や機能性などを確認できるのは大きなポイントでしょう。
搭載されている機能には、テンプレート管理機能やアラート通知機能、ワークフローの申請機能などがあります。
オプションにはなりますが、書面をスキャンすることで電子化できる機能も利用可能です。
クラウド式 電子契約サービス3: 電子印鑑GMOサイン
GMOクラウド株式会社が適用する電子印鑑GMOサインは、契約書の種類に応じて使い分けできる電子契約サービスです。具体的には、法的効力が高い当事者署名型の実印プラン、メールアドレスと手書きのサインで電子契約を進められる事業者署名型の契約印プランの2種類があります。
契約相手が会社だけでなく、フリーランスなどの個人であるケースが多い場合におすすめの電子契約サービスです。
クラウド式 電子契約サービスの注意点とは
非常に便利で各社からさまざまなサービスが提供されているクラウド式の電子契約ですが、利用する前に確認しておきたい注意点があります。
特に、初めて電子署名サービスの利用を考えている場合は、以下2つの注意点を理解しておきましょう。
セキュリティリスクについて考える必要がある
クラウド式の電子契約サービスは、その名の通り、電子署名や電子サインなどを付与した資料をインターネット上にあるクラウドに保管する仕組みです。
閲覧・作業するデバイスが制限されなかったり、他者とシェアしやすいなどのメリットはありますが、クラウドがサイバー攻撃などを受けると大切な資料が外部に漏洩する恐れがあります。
したがって、クラウド式の電子契約サービスを導入する場合は、料金プランや搭載機能だけでなく、セキュリティリスクへの対策についても比較することが大切です。
万が一、情報漏洩が発生した場合の対応の流れなども、確認しておくと安心できるでしょう。
すべての書類が電子契約に対応しているわけではない
クラウド式の電子契約サービスは非常に便利ですが、先に少し触れた通り、すべての書類が電子契約に対応しているわけではありません。
そのため、電子契約サービスを導入する前に、会社で取り扱っている書類の電子契約が認められているか確認する必要があります。
特に、不動産や金融商品に関する契約書は、書面での交付が法律的に義務付けられていることが多いので注意してください。
まとめ
クラウド式の電子署名サービスであれば、デバイスを選ばずにいつでも資料を確認できます。そのため、時間や場所を気にせずに、契約手続きを進められるのがポイントです。
社員の出張や外出が多い企業、テレワークの導入を進めている会社などは、クラウド式の電子署名サービスを利用することで業務効率の改善につなげられるでしょう。
クラウド式の電子署名サービスには、さまざまな種類があります。今回紹介した選び方やサービスを参考に、自社のシステムや仕事の進め方に合う電子署名サービスを検討してみてください。