「電子契約サービスの比較ポイントとは?」
「結論、クラウドならどの電子契約サービスがいいの?」
と疑問に感じていませんか。
電子契約サービスを比較する際に法対応の側面などで必ず比較が必要なポイントが存在します。また、業務効率化を考える際に比較が推奨されるポイントも存在しますので知っておくとよいです。
当記事では、電子契約サービス選定時に必ず比較したいポイント、契約業務を効率化する際に比較が推奨されるポイント、当記事がおすすめする電子契約サービスまでご紹介します。
電子契約サービス選定時に必ず比較したいポイント
電子契約サービス選定時に必ず比較確認しておきたいポイントをまずご紹介します。
クラウドかオンプレか
電子契約サービスを選ぶ際に何れかを選択できます。
- オンプレミス
- クラウド
電子契約サービスの中にはオンプレミスのサービスもありますが、主流はクラウドサービスです。
クラウドサービスであれば、細かな法改正に伴うアップデートなどにも自動アップデート対応ができますので、電子契約サービスの比較・導入をするのであればクラウドをおすすめします。
また、もし導入したクラウドサービスが自社の要件に合わなくても、別製品に変更・導入しやすい点がメリットです。
電子契約サービスのタイプ
電子契約サービスは以下の2タイプが存在します。タイプ別に特徴が異なりますから、比較検討の上、導入ください。
- 当事者型
- 立会人型(事業者署名型)
当事者型とは、利用者自身が電子証明書を発行し、電子署名を付与するタイプの電子契約サービスです。万が一に係争があった場合に、当事者型の方が利用者自身で電子署名を付与できるので、比較的、証拠の信頼性が高いとも考えられます。
一方で立会人型の場合、利用者自身は電子証明書を発行せず、サービス事業者が代理で電子署名を付与するため、利用者に手間やコストをかけずに電子契約を利用開始できます。
世界No1シェアのDocuSignが立会人型であることからも、一般的には立会人型を利用されるお客様が多いようです。
立会人型は事業者が代理で電子署名を付与するので、電子署名法2条で定義されるような本人性を担保できないのでは?と疑問に感じる方も多いかと思いますが、ご安心ください。
立会人型による電子署名であっても、本人性、つまりは真正性を確保できます。この旨が2020/7に経済産業省など3省連名で公表された文書上に記載があるので、立会人型電子署名による本人性、真正性の確保は国のお墨付きです。
法対応が可能か
電子契約は電子とはいえ契約書ですから、各種税法に基づいた保存が必要です。以下では順守が必要な比較ポイントを税法別に解説します。
電子帳簿保存法
電子契約を相手方とやり取りする場合、電子取引に該当しますので、電子帳簿保存法電子取引要件を満たした保存ができるか比較検討が必要です。
もし要件を満たした保存をしていない旨が国税調査時などで指摘された場合、青色申告の承認の取り消しなどリスクがありますので注意が必要です。
具体的な電子取引要件は以下の通りです。
- 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け
- 見読可能装置の備付け等
- 検索機能の確保
- 真実性の確保
検索機能の確保について、最低限、主要三項目(取引年月日、取引金額、取引先名)で検索できる必要があります。したがって、導入予定の電子契約サービス上でファイルに主要三項目の属性情報を付与できるのか、検索できるのかが比較ポイントです。
また、真実性の確保については以下いずれかを実施できる必要があります。
- タイムスタンプが付された後の授受 または 速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す
- データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
- 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け
上記の中でもっとも簡単かつ確実に真実性に対応する方法はタイムスタンプの付与です。したがって、タイムスタンプの付与ができるかが比較ポイントとなるでしょう。
法人税法
契約書は国税関係書類に該当しますので、法人税法上で7年間(繰越欠損金がある場合は10年間)の保存が必要です。
必ずしも電子契約サービス上で保存する必要はありませんが、同サービス上で保存することを想定している場合には、システム上で7年間以上の長期保存ができるかが比較ポイントとなります。
オンプレミスであれば長期保存によるコストはあまり気になりませんが、クラウドシステムの場合、長期保存によりコストが跳ね上がる懸念がありますので注意が必要です。
契約業務を効率化するために比較したいポイント
契約業務を効率化していく上で比較検討が必要なポイントを解説していきます。
コスト削減のために比較したい機能
電子契約サービスを導入することで以下のようなコスト削減を実現できます。
- 印紙税の削減
- 書面契約の作成、郵送、管理コストの削減
- 監査コストの削減 など
世界No1シェアのDocuSignを導入したソフトバンク株式会社では契約書1通あたり2,500円のコスト削減効果があったと公表しています。このDocuSignの事例のようにコスト削減効果を実現するためには、以下のような機能が搭載されているかが比較・確認ポイントです。
- 契約書テンプレートの登録機能
- 取引先別に契約書や関連文書を保管する機能
- 一括送信機能 など
内部承認を効率化するために比較したい機能
契約書を相手方に送付する前段階の内部承認で想定以上に時間がかかり、契約書の送付が遅れているといった課題が企業によくあります。
この課題に対して電子契約サービスを導入すれば、対応が可能です。電子契約サービスには以下のような機能が搭載されている場合もあるため、このような機能を利用することで内部承認を効率化できるか比較が必要です。
- ワークフロー機能
- 電子印鑑機能
- 契約書別のステータス管理機能 など
電子印鑑機能を利用することで、電子契約上に押印ができますので電子契約をみれば一目で承認されているかどうかを識別できます。このような内部承認を効率化していく機能が搭載されているかも比較ポイントとなるでしょう。
セキュリティ強化のために比較したい機能
契約業務には常に契約書の不正閲覧・編集、持ち出し、紛失、盗難のリスクが付きまといます。このリスクに対して電子契約サービスであれば以下のような機能を利用することによって、リスクの軽減を期待できますので比較ポイントとなります。
- ユーザ別のアクセス制御
- ファイル別のアクセス制御
- ユーザ・ファイルごとの閲覧ログ履歴の取得
- IPアドレス制御
- 二要素認証 など
特に二要素認証は契約の本人性を担保するための重要な機能ですので、比較ポイントとなりやすいです。
取引のリードタイムを短縮するために比較したい機能
郵便法が2021/10に改正され、普通郵便の最短配送日が翌々日と取引のリードタイム長期化が課題です。
この点、立会人型の電子契約サービスを導入すれば契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約締結できますので、取引のリードタイム短縮を期待できます。また、以下のような機能が搭載されているか比較することでさらに短縮を期待できるでしょう。
- 一括送信機能
- 顧客別のステータス管理機能
- 相手方の契約締結用のアカウント作成有無 など
なりすましや無権代理リスク管理のために比較したい機能
電子契約サービスを導入したからと言って、不正を完全に防ぐことは難しいです。例えば、以下のような不正のリスクが常にあります。
- 第三者による電子署名
- 本人による署名であるが契約締結権限のない人間による電子署名(無権代理)
以上のようなリスクに対応するために以下のような機能があるかが比較ポイントとなります。
- 第三者による電子署名を回避するための二要素認証
- 署名者の契約締結権限有無を事前に確認する署名者確認フォーマット など
他システムとの連携を検討するために比較したい機能
電子契約サービスは単体で利用しても十分に効果をだせますが、他システムと連携して利用することで効果を最大化できます。例えば、以下のような事例を実現可能です。
- CRMシステムから顧客情報を電子契約サービスに連携し、自動で契約書の作成
- 契約締結済みの電子契約を文書管理ツールに自動保管、および、法対応に必要な処置の実施 など
上記のような事例を実現するために以下の機能があるかが比較ポイントとなります。
- WebAPIの提供有無
- 他システムとの連携実績
- 他システムと連携する場合の開発有無(連携アダプターの有無) など
クラウドならDocuSignがおすすめ
電子契約サービスを利用するのであれば、クラウド、かつ、立会人型のシステムの利用がおすすめです。該当する電子契約サービスであれば世界No1シェアのDocuSignが最もコストパフォーマンスがよいと考えています。
DocuSignは世界No1シェアを裏付けるだけの機能性と使いやすいUIを搭載しています。DocuSignは上述で紹介してきたようなおすすめ機能はある程度網羅していますし、他350以上ものシステムとの連携実績もありますので、非常に使い勝手のよいシステムとなっています。
また、DocuSignは1アカウントあたり10$~と非常に安価な料金プランから利用できる点もおすすめのポイントです。ただし4アカウント以上の利用の場合には、代理店経由などで個別問い合わせが必要になりますので留意ください。
まとめ 立会人型のクラウド電子契約の導入がおすすめ
電子契約サービスを導入するにあたり、比較ポイントは多数あります。とはいえ、使い勝手の良さを考えるとクラウド利用の立会人型電子契約サービスの導入が最もコストパフォーマンスが高いです。
電子契約サービスはまだまだ市場が未成熟なこともあり、今後より安く、機能性が高いサービスが出てこないとも限りません。未確定な未来に対応するためにも、臨機応変な対応がしやすいクラウドサービスの利用は一種のリスクヘッジになります。
ぜひクラウド、かつ、立会人型の電子契約サービスの中で比較検討をして契約業務を効率化してください。