「電子契約サービスの中にブロックチェーンを活用しているものがあるけれど、なぜブロックチェーンを活用しているの？」
「そもそもブロックチェーンとは？」
と疑問に感じていませんか。
ブロックチェーンとは、改善が困難な特徴を持つデータ管理の仕組みです。電子契約サービスにブロックチェーンを利用することで文書の真正性が強化されると考えられることから、電子契約サービスにブロックチェーンを運用する事業者が増えています。
当記事では、そもそものブロックチェーンの定義や特徴、電子契約サービスにブロックチェーンを活用する目的をご紹介します。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンの概要知識をご紹介します。
ブロックチェーンの定義
日本ブロックチェーン協会によるとブロックチェーンとは以下の定義のプロトコルを指します。
１）「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
２）「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
上記の説明は抽象的でわかりづらいですが、つまりブロックチェーンとは、データ管理技術の1つです。ブロック単位でデータを管理し、そのブロック同士が鎖（チェーン）の用に紐づいていることからブロックチェーンと呼ばれています。
ブロックチェーンの技術的な特徴
ブロックチェーンのシステム的な特徴は以下の通りです。
- 改ざんが事実上困難
- 中央管理しないため、システムダウンが起きない
- 取引記録の修正や改ざんができない
- 自律分散型台帳
電子署名やハッシュを利用する仕組みであるため、改ざんを容易に検知できる特徴があります。また、ブロックチェーンは不特定多数のユーザの多数が全参加者の取引履歴のコピーを保持するため、システムダウンが起きる懸念がない点も特徴的です。
この取引履歴のコピーは仕組み上、削除ができないため、一度発生した取引は多くの参加者がデータを分散して持つ形で残り続けます。このようなシステムのことを分散型台帳と呼ぶ点が特徴的です。
ブロックチェーンはなぜ注目されているのか
ブロックチェーンは昨今市場をにぎわせているビットコインなどに利用されている仕組みです。ビットコインへの注目が集まると同時に、ブロックチェーンの知名度が向上しました。
2021/4に公表された株式会社グローバルインフォメーションが作成した市場調査レポートによると、ブロックチェーンの市場規模や2020/1段階で36億7,000万ドル、2021/1-2028/1の期間で年平均成長率は82.4%を見込んでいます。
この数値からもわかるように急速にブロックチェーンの活用は進んでいます。ブロックチェーンを利用することで、取引の公明な記録を残すことが可能になるため、NFTや他分野でも活用の検討が進んでいます。
したがって、電子契約サービスにおいてもブロックチェーンの活用は今後の主流になる可能性があるといえるでしょう。
電子契約サービスでブロックチェーンを利用するメリット
電子契約サービスにおいて、ブロックチェーンを利用するメリットをご紹介します。
真正性を強化できる
ブロックチェーンを利用することで、電子契約に求められる真正性をより強化できると考えられます。ブロックチェーンはその仕組み上、情報をセキュアかつ半永久的に保存できる点が特徴です。
このブロックチェーンを電子契約に応用することで、契約締結時の「誰が」「いつ」「どのIPアドレスから」という情報を長期間、不正から守ることができます。
電子契約サービス事業者の知名度が契約締結に影響を与えなくなる
電子契約サービス導入時に導入する電子契約サービス自体の知名度の低さがハードルとなり、相手方から電子契約サービスの導入を拒否される場合があります。
一方で、ブロックチェーンは世界中で信頼された利用されている技術および情報の保管方法ですので、電子契約サービスにブロックチェーン機能が備わってさえいれば、電子契約サービス自体の知名度に関係なく、サービスの信頼性の観点から相手方の了承を得やすくなるでしょう。
また、ブロックチェーンであれば、相手方の電子契約サービスの使用審査プロセスを大きく削減できる点から、利用開始までのリードタイムを短縮できる点もメリットです。
電子契約サービス導入のメリット
ブロックチェーンを利用してまで、文書の真正性を確保し、電子契約サービスを利用するメリットをご紹介します。
印紙税削減などコストメリット
電子契約サービスを利用することで以下のコストメリットを得られます。
- 印紙税の削減
- 書面契約の保管・管理コストの削減
- 文書の検索性向上による監査コストの削減 など
株式会社ソフトバンクがDocuSignを導入した結果、1通あたり2,500円のコスト削減効果があった事例があります。この事例からわかる通り、電子契約サービスの導入によるコストメリットは大きいです。
また、印紙税は契約書に記載されている取引金額により課税金額が変わりますが、契約書1通あたり2,000円~の課税をされる場合も多いため、印紙税が削減できるだけでも大きなコストメリットがあるでしょう。
加えて、検索性向上による監査コスト削減も大きいです。電子契約サービスの中には他請求書なども関連文書として紐づけられるタイプもありますので、併せて検討することで検索性向上、昨今コストの高騰が問題視されている監査コストの削減が期待できます。
取引のリードタイム短縮
2021/10に郵便法が改正され、普通郵便の最短の配送日が翌々日になりました。したがって、取引のリードタイム長期化が懸念されています。また、海外企業とのやり取りやNDAなど複数回の修正が発生する契約書の場合、さらに長期化が心配です。
この点、電子契約サービスであれば契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約を締結完了できるタイプもありますので、取引のリードタイム短縮を期待できます。
また、契約書のテンプレート登録や契約締結メールの一括送信機能などが搭載されている電子契約サービスも多くありますので、取引のリードタイムのさらなる短縮を期待できるでしょう。
セキュリティリスクへの対応強化
契約書を管理する中で、契約書の修正・閲覧・持ち出しの管理や紛失・盗難のリスクへの対応が課題です。書面契約の場合、これらの課題に対して手動で対応するため、工数が高い点が問題でした。
一方で電子契約サービスを利用すれば、契約書別のアクセス制御やユーザ別のIPアドレス制御、ユーザの閲覧履歴管理などを実施できるため、容易にこれらの課題やリスクに対応できる点がメリットです。
ブロックチェーンを利用するならDocuSign(ドキュサイン)がおすすめ
ドキュサインとは世界180か国以上でリリースされ7割弱の世界シェアを誇る電子署名サービスです。米国では不動産契約の約90％が利用し、世界で66万社以上の企業が利用しています。
電子契約業界をけん引するドキュサインですが、2021/6にブロックチェーンを利用した契約書の自動締結サービスを提供するclauseを買収しています。
世界No1シェアを裏付けるだけの豊富な機能とUIを利用しつつ、ブロックチェーン機能を将来的に利用できるのであれば、ドキュサインの利用がおすすめです。
※ただし、2022/1段階でブロックチェーン機能は未リリースですので、今後のリリースを待つ状況です。
また、ドキュサインは業界最安水準となる1アカウント10$~の料金プランをリリースしていることからもコストパフォーマンスに優れた電子契約サービスといえるでしょう。ただし、4ユーザ以上利用する場合は問い合わせが必要な点に注意ください。
基本的には代理店経由で問い合わせをする流れの方が、手厚いフォローがある分だけ、メリットがあるため、代理店経由での問い合わせを推奨します。
まとめ 電子契約サービスを活用して契約業務の効率化を実現しよう！
ブロックチェーンを利用することで、電子契約の真正性の向上を期待できます。また、真正性向上以外にも利用する電子契約サービスの知名度が導入の弊害になりにくい点もメリットでしょう。
電子契約サービスを導入して契約業務を効率化していきましょう！