電子契約サービスAdobe Sign(アドビサイン)とは?機能や特徴を解説
電子契約サービスAdobe Sign(アドビサイン)とは?機能や特徴を解説

電子契約サービスAdobe Sign(アドビサイン)とは?機能や特徴を解説

Adobe Signは世界36か国の言語で対応でき、80億件もの取引実績がある世界的な電子契約サービスです。

Adobe Acrobat Pro DCユーザであれば既存契約の中で無料で利用可能であり、かつ、kintoneなど業務アプリケーションやMicrosoft365など生産性向上アプリケーションと統合可能ですので、非常に使いやすい点に特徴があります。

したがって、Adobe Signは海外との取引が多く、かつ、他システムと連携し契約業務を効率化していきたい方におすすめの電子契約サービスです。

当記事ではAdobe Signの機能や価格、他の電子契約サービスと比べた際の導入メリット、デメリットをご紹介します。

目次

基本機能

Adobe Signは電子契約サービスに求められる機能を網羅的に搭載しています。

紙運用を廃止可能

Adobe Signを導入することで、従来紙で運用していた契約業務をオンライン上で完結できます。オンライン上で契約業務を完結することで印紙税や紙の保管コスト、運用コストを削減できる点、また、取引先と契約締結までにかかるリードタイムを削減できる点がメリットです。

また、Adobe Signでは電子契約業務に必要な機能を網羅しているため、業務効率をあげられるでしょう。一例として以下の機能が搭載されています。一例の紹介ですが非常に機能が充実していることがわかります。

  • 進行中の文書のステータス管理機能
  • 本人性を担保する安全性の高い複数の認証機能
  • 電子上での手書きサイン
  • モバイルやタブレットでの利用可能
  • WebAPI連携機能
  • 真実性を確保するタイムスタンプの付与
  • 電子印鑑の付与
  • 署名のステータスや日付などによる検索機能
  • 署名者や承認者、受取人などの役割や文書の閲覧や署名の順序を指定可能なドキュメントワークフロー機能 など

使い方が簡単で法的拘束力のある電子署名を付与可能

Adobe Signの使い方は非常にシンプルです。以下のような簡単な方法で電子署名付きの契約を締結できます。

◆電子契約の送信側

  1. ブラウザ上でマイページにログインし、取引先のメールアドレスを入力
  2. 署名とフォームフィールドをページ上にドラッグ&ドロップ
  3. [送信]ボタンをクリックして電子メールを送付

◆電子契約の受信側

  1. 受信した電子メールにある[確認して署名]のリンクをクリック
  2. 文書内のメッセージをクリック
  3. 署名を作成する
  4. 署名オプションを選択する
  5. 文書に署名する
  6. [適用]>[完了]の順にクリックして署名完了
  7. 送信する

他電子契約サービスを利用する場合、取引先にアカウントの作成・ログインを求めるサービスがあります。その中で、Adobe Signはアカウントの作成なしで取引先に負担をかけることなく電子契約できる点はメリットです。

世界水準のセキュリティを備えたシステム

Adobe Signは幅広い法的要件に準拠し、コンプライアンスを担保する世界水準のセキュリティ基準を満たした電子サインソリューションです。セキュリティの堅牢さは業界内随一であり、世界の名だたる企業の中で優れた情報リスク管理とセキュリティの向上に貢献した企業を表彰する2021 CSO 50 Awardで表彰を受けています。

加えて、Adobe Signは業界標準のセキュリティ対策を実施している証左として以下の認証を受けています。

  • ISO 27001
  • SOC 2 Type 2
  • PCI DSS  など

電子契約サービスAdobe Signを導入するメリット|他企業と比較して解説

他電子契約サービスと比較した場合のAdobe Signの導入メリットをご紹介します。

Adobe Acrobat Pro DCユーザであれば無料で利用可能

Adobe Signは法人向けのAdobe Acrobat Pro DCを契約している場合、追加の手続きが必要なく利用できます。ただし、個人向けプランであるAdobe Acrobat Pro DCに搭載の電子契約機能は小規模企業版のプランと比較して利用可能な機能が少ない点に留意が必要でしょう。

多様なシステムと連携可能

Adobe Signは国内外の主要なシステムと連携しており、業務で使い慣れたシステムを利用して作業効率を上げながら電子署名を実施することができます。

例えば、Microsoft社のMicrosoft365やMicrosoft dynamics 365を使用してあらゆる文書に署名できます。以下、活用事例です。

  • Microsoft365
    └Microsoft365のアプリケーションから直接PDFを作成して取引先に署名文書を送付できます。
  • SharePoint Online
    └文書のワークフローを合理化し、承認用文書の署名を迅速に行えるようになります。
  • Microsoft dynamics 365
    └契約書の送信、署名、トラッキング、ファイリングをすべてMicrosoft dynamics 365 CRM内で完結できます。

他主要なシステムとの連携事例としてSalesforce、kintone、servicenow、Google、BOX、dropbox、Agile Worksなどがあります。すでに企業内に導入済みのCRMシステムや人事システム、ワークフローシステムとの連携をGUI上の操作のみで実施できる点が魅力的です。

とりわけCRMツールとしてシェアの大きいSalesforceとの連携では、Salesforce上で契約書のテンプレートを選択し送信ボタンを押すだけで、顧客情報が入った状態で取引先に契約書を送信できるため、SalesforceユーザであればAdobe Signの導入をおすすめできます

自社ホームページ等へWebフォームの埋込作成が可能

Adobe SignではPDFの文書をWebフォームに変換し、ホームページに埋め込みが可能です。したがって、取引先は自社のホームページ上から直接署名できる点がメリットです。

Adobe Signでは場所や時間を問わずホームページ上から署名できますので、顧客の署名までの心理的ハードルが大きく下がるでしょう。また、署名をするまでのリードタイムの削減が見込める点も魅力的です。

モバイル版アプリ・オフライン対応機能付き

Adobe Signでは署名文書をモバイル版アプリから送信、オフライン時の電子契約の受信、署名文書の処理状況の管理など電子契約に求められるあらゆる業務をモバイル上で対応できます。したがって、出張や外出の多いビジネスマンでも隙間時間に契約業務をできる点がメリットです。

また、対面での署名時にはモバイルやタブレットを顧客に提示し、従来通り手書きの署名を受け取ることができます。これまで顧客や患者、住民などあらゆる人と対面で署名をしていた方が利用できる機能でしょう。

Megaサインを使用して一括送信が可能

Adobe Signでは1つのフォームや文書を複数の個人に送付する機能(Megaサイン)が搭載されています。Megaサインを利用することで従来顧客ごとに送付していた署名文書を一括で送信できるようになるため、契約業務にかける工数を減らせる点がメリットです。

また、Megaサインで送信された署名文書の署名ステータスは追跡可能です。署名ステータスを管理することで署名していない取引先に署名を促すなど、必要に応じてすぐにアクションがとれるでしょう。

海外企業からの知名度の高さ

Adobe Signの提供会社であるAdobe社はPDFやクリエイティブの分野でグローバルに展開する企業ですので、海外企業からの知名度が高いです。したがって、電子契約時に顧客からの理解が得やすい点にメリットがあります。

また、Adobe Signでは世界36か国語に対応していますので、海外の企業に対して安心して利用できる点も魅力的です。

電子契約サービスAdobe Signを導入するデメリット|他企業と比較して解説

他電子契約サービスと比較した場合のAdobe Signの導入デメリットをご紹介します。

文書保管・管理機能がない

2022/1/1に改正予定の電子帳簿保存法 電子取引要件を電子契約も満たす必要がある中、Adobe Signは契約書の保存機能がない点がデメリットです。Adobe Signを導入するユーザはAdobe Signと他のシステムを連携してに保存先を確保する必要があるでしょう。

ファイルサーバー上での保存であっても小規模なユーザであれば、Excel台帳の作成などで対応できる場合がありますが、ある程度の規模の企業になると対応が難しくなります。

したがって、ある程度の規模の企業に所属するAdobe Signのユーザは、税務・会計上求められる7年間の保存義務を履行可能であり、かつ電子帳簿保存法に適合する文書管理ツールを検討しなければいけない点に注意が必要です。

統合、API機能などは上位プラン限定機能

Adobe SignではWebAPIや統合、ワークフローなどを利用する場合にはAdobe SignのEnterprise版の契約が必要です。Adobe SignのEnterprise版は公式ホームページ上で価格を公表していませんが、「大規模組織向け」と対象をしていることから高額であることが予想されます。

したがって、Adobe Signの多彩なWebAPI連携を使用する場合にはある程度のコストがかかる点がデメリットでしょう

業界最大手のクラウドサインの場合、月額11,000円(税込)でWebAPI機能が利用できますので、安価にWebAPIを利用したい場合は他社の利用の検討をすすめます。

署名数に制限がある

Adobe Signの個人向け、中小企業向けのプランでは電子署名を1ユーザーあたり年間150件までしか実施できません。年間150件以上の電子署名を実施する場合は追加契約が必要になる点に注意が必要です。

業界大手のクラウドサインや電子印鑑GMOサインの場合、年間の署名数に上限がないため、年間に150契約以上する場合は他社の検討が必要でしょう

印鑑の押印に対応していない

Adobe Signでは契約書上に表面的に印鑑を押す印鑑機能に対応していません。契約は特段の定めがある場合を除き、事者の意思の合致により成立するため印鑑がなくても法的拘束力を持ちますが、印鑑の押印にこだわる企業がいることも考えられます。

印鑑の押印が必要な場合、電子契約サービスのイースタンプであれば押印機能を提供していますので、他社の検討が必要になるでしょう。

料金プラン

Adobe Signの価格を他社と比較して紹介します。

個人向けプラン|Adobe Acrobat Pro DC、Adobe Acrobat PDF Pack

Adobe Signの個人向けプランは以下の通りです。純粋な電子署名機能のみでよければ1,218円で利用できる点が魅力的です。

Adobe Acrobat Pro DC(電子サイン機能付き) Adobe Acrobat PDF Pack(電子サイン機能付き)
月額(税込) 1,738円 1,218 円
目的 PDFの電子サイン、変換、結合、編集のための
オールインワンソリューション。
Acrobat Pro DCソフトウェアに加えて、
PDF Packが含まれます。
オンラインでPDFの電子サイン、
変換、結合をおこなうための
基本のツールコレクション。
機能詳細 Adobe Acrobat PDF Packの全機能、
PDF内のテキスト編集、
Wordファイルなどを
入力可能なフォームに変換など
PDF文書に署名、
文書を送信して
他の人から署名を収集、
モバイルアプリで本人から
直接署名を取得など

法人向けプラン|小規模事業者版、ビジネス版、エンタープライズ版

Adobe Signの法人向けプランは以下の通りです。大規模組織向けのビジネス/エンタープライズ版は導入費用をAdobe社と相談する必要があります。ビジネス/エンタープライズ版であれば統合、WebAPI、ワークフローなど契約業務をする上で便利な機能を利用できますのでご検討ください

Adobe Sign小規模企業版 Adobe Signビジネス/エンタープライズ版
月額(税込) 4,270円 要問合せ
目的 2〜9ユーザにおすすめのプラン より高度な統合を必要とする組織または大規模組織向け
機能詳細 一括署名、カスタマイズ、署名可能なフォームをwebサイトに投稿する機能など、高度な電子サイン機能が含まれます。 統合、API、ワークフロー、高度な認証、追加の管理機能などをサポートする完全な電子サインソリューションです。

他社比較

Adobe Signの法人向けプランと他社プランの最低価格の比較は以下の通りです。1ユーザあたりの導入費用は安いですが、実際に導入する際には導入するユーザ数×月額がかかりますので注意が必要です。仮に10ユーザ利用した場合42,700円(税込)のコストが月額費用として発生します。

一方で電子印鑑GMOなどであれば月額9,680円で利用可能な上に、無制限にアカウントを利用可能です

したがって、Adobe SignはAdobe Acrobat Pro DCなどと連携予定はない、かつ、純粋に電子契約を使用したい場合は、コスト面において他社製品の方が優位ですので他社製品の導入をおすすめします

Adobe Sign小規模企業版 NINJA SIGN クラウドサイン 電子印鑑GMOサイン
月額(税込) 4,270円 5,478円 11,000円 9,680円
アカウント数 1 1 無制限 無制限

Adobe Signを導入して契約業務を効率化しよう!

Adobe Signは海外との取引が多く、かつ、他システムと連携し契約業務を効率化していきたい方におすすめの電子契約サービスです。

Adobe Acrobat Pro DCユーザであれば無料で利用可能、多彩なシステムと連携可能、海外企業からの知名度が高いなどのメリットがあります。

一方で、文書管理・保管機能がない、WebAPI機能は上位プラン(ビジネス/Enterprise版)からしか利用できない、署名数に制限があるなどのデメリットもありますので、総合的に見て導入をご検討ください。

公式サイトで詳細を見る
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次