電子サインには電子署名を施すのがおすすめ!法的効力や導入メリットを解説
電子サインには電子署名を施すのがおすすめ!法的効力や導入メリットを解説

電子サインの概要を始め、混同されやすい電子署名との違いや法的効力、メリットについて解説

近年のデジタル技術の進化に伴い、様々な業界で電子サインを導入する企業が増えてきました。

この記事では、電子サインの概要を始め、混同されやすい電子署名との違いや法的効力、電子サインおよび電子署名の導入メリットについて解説していきます。

目次

電子サイン/電子署名を用いた契約業務のデジタル化が急務!

電子サイン/電子署名を用いた契約業務のデジタル化が急務!

現在、国を上げてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のために様々な対策が取られています。

DXは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で、その内容は「進化を続けるデジタルテクノロジーが人々の生活に影響を与えて、あらゆる面で日々の生活を豊かに変えていく」とされています。

DXは単なるデジタル転換ではなく、デジタルテクノロジーを用いて業務の利便性・生産性を向上して、企業が競争上の優位性を獲得することです。

また2018年12月に経済産業省が発表した『DX推進ガイドライン』において、DXは以下のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
出典:経済産業省『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0』

デジタルテクノロジーを駆使したビジネス変革を推進し、レガシー企業文化からの脱却を図る中で、重要な役割を果たすシステムが電子サインと電子署名です。

電子サインとは

電子サインとは

紙の文書を用いて行っていた契約や本人証明などの認証業務を電子化することを「電子サイン」と言います。

近年、社会全体で叫ばれているDX推進傾向により、ビジネスシーンではペーパーレス化が進んでいます。

それに伴って電子サインを導入する企業が増えてきました。

電子サインを導入することにより、紙の文書での認証業務にかかっていたコストや労力、時間の削減を見込むことができるなど、企業は多くのメリットを期待することができます。

電子サインと電子署名の違いを比較

電子サインと混同されやすいのが「電子署名」です。

電子サインが電子契約上の認証業務全体を指すのに対し、電子署名は電子文書に対して付与される署名のことです。

認証局(第三者機関)を通じて発行される「電子証明書」を付与することにより、署名の本人性を担保することや内容が改ざんされていないことを証明することができます。

電子サインのプロセス上で、認証局が発行する電子証明書を、電子文書に付与することで確実な本人証明を行えるようになるのです。

電子署名による電子サインの法的効力を解説

電子署名による電子サインの法的効力を解説

前述したとおり、電子文書に電子署名を付与することにより、その文書の本人性や真正性を担保することができます。

では、電子上で交わされた契約には法的効力があるのでしょうか?

結論から言うと、電子サインは正しい使い方をすることで紙の文書での契約と同様の法的効力を持ちます。

2001年4月に施行された「電子署名及び認証業務に関する法律」(電子署名法)の第3条では、電子署名の法的効力について以下のように規定されています。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
出典:電子署名及び認証業務に関する法律 第三条

しかし従来の紙の文書と比較すると、電子文書には改ざんのリスクがあります。

そのため、電子署名法第3条の規定が適用されるためには、次の要件を満たす必要があります。

  1. 電子文書に電子署名法第3条に規定する電子署名が付されていること
  2. 上記電子署名が本人(電子文書の作成名義人)の意思に基づき行われたものであること

つまり該当する電子文書に認証局によって発行された電子署名が付与されており、その電子署名が本人すなわち電子文書の作成名義人の意思に基づき行われたものである場合に、その電子文書の完全性・法的効力が認められることになるのです。

3つの電子署名導入メリット

3つの電子署名導入メリット

前述したとおり、電子署名を電子サイン上に導入することで該当文書の原本性を維持し、法的効力を獲得することができます。

不測の事態で文書が必要となった際、電子署名は企業の助けとなります。

またこれに加え、電子上での契約や認証業務を行う際に電子署名を導入するメリットは以下のとおりです。

  1. 契約/認証フローに関わるコスト削減
  2. 認証業務の効率化
  3. 保管スペースが不要に

それぞれ解説していきます。

契約/認証フローに関わるコスト削減

紙の文書と電子契約の大きな違いとして、収入印紙の要不要が挙げられます。

紙の文書の場合は契約金額に対応した収入印紙を添付する必要がありましたが、電子契約の場合は不要です。

収入印紙が不要となることで、大幅なコストカットを見込むことができます。

また文書を電子化することで、契約に関わるペーパーレス化を実現することが出来ます。用紙代や印刷代・インク代などのコスト削減にも繋がるでしょう。

認証業務の効率化

紙の文書の場合、契約が完了するまでに何度も契約書を郵送したり、お互いの捺印・署名に立ち会う必要があったりと、認証業務のために多大な手間がかかります。

一方で、電子契約の場合は相手先まで出向いたり文書を郵送したりする必要がありません。

また文書を修正したい場合でも、オンライン上で修正することができます。

そのため、認証業務の完結までの時間や手間を削減し、効率化することが出来ます。承認の進捗状況の確認なども可視化でき、スムーズに契約を締結させることが出来るでしょう。

保管スペースが不要に

保管スペースの要不要も、紙の文書と電子文書の大きな違いです。

紙の文書の場合は、一定期間保管する義務があります。文書を保管するためのスペースを設けなければならず、契約の多い企業は相当なスペースを確保する必要がありました。

一方、電子サインの場合は文書をクラウド上で保管することが出来ます。

物理的な保管スペースが不要となり、印刷・捺印作業などにかかる手間も省くことができます。

記事まとめ

記事まとめ

この記事では、電子サインの概要を始め、混同されやすい電子署名との違いや法的効力、電子サインおよび電子署名の導入メリットについて解説しました。

電子サインにおいて、電子署名を導入することにより、文書に法的効力を持たせることが出来ます。

また現在、DocusignやAdobe sign、GMOサインなど多くの電子サインツールが展開されています。

電子サインツールを導入することで企業は認証業務の効率化だけではなく、様々なメリットを見込むことが出来るでしょう。

DocusignやAdobe sign、GMOサインなど電子サインツールの特徴や導入メリットを確認したい方は併せてこちらをご覧ください。

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