電子サインの法的効力は有効?導入する前に知っておきたいメリットを紹介
電子サインの法的効力は有効?導入する前に知っておきたいメリットを紹介

紙の文書における法的効力と比較しながら電子サインの法的効力の有効性について解説

近年、新型コロナウイルスの感染拡大により普及したテレワークや社会全体のDX推進を背景に、電子サインを導入する企業が増えています。

そこで気になるのが「電子サインの法的効力は有効か?」ということです。

この記事では、電子サインの法的効力の有効性について解説します。併せて電子サイン導入前に知っておきたいメリットなども紹介していきますので、導入をご検討の方は是非参考にしてみて下さい。

目次

電子サインとは

電子サインとは

電子サインとは、紙の契約書を取り交わして行っていた契約に関わる認証フローを電子化したものです。

PDF化した契約書に、パソコン・タブレット・スマホを通してタッチペンなどでサインを施し、電子データとして保存することができます。クラウド上で保管できるため、紛失のリスクも伏せげます。

また電子サインは契約書以外にも、発注書や請書などビジネスシーンで幅広く活用されており、重要な書面のやり取りや契約においてもオンラインで完結可能です。

電子サインの法的効力は電子署名によって有効になる

電子サインの法的効力は電子署名によって有効になる

結論から述べると、電子サインは電子署名を施すことにより法的効力を持たせることができます。

電子署名とは、紙の文書で言う印鑑と印影に相当する役割を果たすものです。

電子署名を施すことにより、その電子サイン(電子文書)の本人性や成立の真正性を担保し、かつ改ざんされていないことを証明することができます。

従来、紙の文書において契約が「真正に成立した」ものであるという法的効力を持たせるためは、その文書の作成者(作成名義人)が真実の作成者であると相手方が認める若しくはそれが立証される必要がありました。(民訴法第228条第4項)

電子サインの場合は、電子署名法第3条にあるように、電子署名がされた電子サインについては、押印がなされた紙の文書と同様の法的効力が認められます。

電子署名法第3条の規定は、電子文書(デジタル情報)について、本人すなわち当該電子文書の作成名義人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われていると認められる場合に、当該作成名義人が当該電子文書を作成したことが推定されることを定めるものである。
出典:経済産業省 電子署名法3条に関するQ&A

法的効力の有効性だけじゃない!導入のメリット

法的効力の有効性以外も!導入のメリット

テレワークが浸透したコロナ禍の現代社会では、紙の文書に直接署名、捺印をする従来の認証フローから脱却する企業が増えてきています。電子サインの更なる普及を見込むことができるでしょう。

また前述した通り、電子署名が施されている場合、その電子サインは法的効力を持ちます。

電子署名法第3条にもあるように、電子サインの法的効力は認められつつあり、その範囲も拡大していくと予想されます。

法的効力を有すということはもちろん、電子サインには様々なメリットを見込むことが出来ます。

ここでは、電子サイン導入を検討している企業・団体の方に向けて、電子サインを利用するメリットを紹介していきます。

電子サインを導入するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。

  1. 契約に関わるコスト削減
  2. 認証業務の効率化
  3. テレワークの促進

それぞれ確認していきましょう。

メリット① 契約に関わるコスト削減

電子サインを導入することにより、従来の認証フローにかかっていたコストを大幅に削減することが出来ます。

紙の文書を用いて契約を締結する場合、契約金額の大きさに応じて収入印紙を貼り納税する義務があります。そのため、契約を結ぶ機会が多い企業では、多大な税金を収入印紙によって納める必要がありました。

一方で電子サインは、印紙税法における「文書」に該当しないため非課税。収入印紙を貼る必要がありません。

注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。
ただし、電子メールで送信した後に本注文請書の現物を別途持参するなどの方法により相手方に交付した場合には、課税文書の作成に該当し、現物の注文請書に印紙税が課されるものと考える。
出典:請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について(別紙1-3)

電子サインを導入することにより削減出来るコストを具体的に挙げると、紙代・印刷代・郵送代・印紙代などです。

加えて、紙の文書の発行や処理にかかる人件費も削減することができます。

メリット② 認証業務の効率化

紙の文書を用いて契約を締結する場合は、対面または郵送で相手方と認証に関わるやりとりする必要があります。

一方で電子サインの場合は、オンライン上で全ての認証フローを完了できるため郵送の時間や相手方と対面する時間を設ける必要がありません。

また修正して欲しい箇所などがあった場合も、電子メールを送信することで相手方に依頼することが出来ます。

認証業務の時間を削減することが出来るため、紙の文書を用いた認証にかけていた時間を本来の業務に充てることができるのです。

メリット③ テレワークの促進

社会全体のDX推進傾向により推奨されているテレワークは、近年の新型コロナウイルス感染拡大の影響でその浸透率に拍車がかかっています。

テレワークを推進する上でも、電子サインの導入は重要なポイントとなります。

電子サインを導入することにより、契約に関わる「脱ハンコ」を実現することが出来ます。また企業のテレワークの推進はもちろん、ペーパーレス化の促進にも繋がるでしょう。

記事まとめ

記事まとめ

この記事では、電子サインの法的効力の有効性について解説しました。

紙の文書において契約が「真正に成立した」ものであるという法的効力を持たせるためは、その文書の作成者の本人性を相手方が認める若しくはそれが立証される必要があります。

一方で電子サインは、電子署名が施されている場合に、押印がなされた紙の文書と同様の法的効力が認められます。つまり電子署名により電子サインの法的効力は有効となります。

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