「電子印鑑で角印（社印）を作成する方法とは？」
「web上で電子印鑑を作成できる無料ソフトが知りたい」
と疑問に感じていませんか。
角印は企業としての文書であることを示す場合に押印される社判です。また、角印は電子印鑑として電子文書に付与したとしても、書面上の印影と法的な効力は変わりません。
したがって、引き続き角印の押印が必要である場合、電子印鑑を利用した方が業務効率を上げることができるでしょう。
当記事では、角印や電子印鑑の概要、角印を電子印鑑化する際のおすすめの無料ソフトまでご紹介します。
そもそも角印とは
そもそも、角印を電子印鑑化しても問題ないのでしょうか。角印を押す意味から解説します。
角印とは社印を指す場合が多い
会社で利用する印鑑を総称して社判と呼んでいます。この社判の中で、特に企業名が彫られており、会社としての文書であることを明らかにするために押印されるのが、社印です。
社印は、印面が四角く、押印したときの印影が四角い印鑑であることから、角印と呼ばれる場合も多いです。
角印は公共機関への届け出る場合には使用せず、また、株式取引や不動産取引などの重要な契約締結にも使用もしません。あくまで角印は企業における認印として利用されます。
角印の扱いには注意が必要
角印は日々の業務上で、見積書や領収書などの文書に押印されます。対外的に角印が付与されると、会社として押印したと意思表示をすることになります。したがって、角印を押す場合には、本当に押印してよい文書であるか注意を払う必要があるのです。
また、角印を代表者印と混同して利用する場合には注意が必要です。代表者印と併用した場合、日々の業務で扱う領収書や見積書に押印されることになりますので、代表者印の印影が流出しやすくなります。
角印が流出した結果、印影をコピーして悪用されるリスクがありますので、注意が必要です。
電子印鑑とは
角印は電子印鑑を利用することで電子化できます。押印はそもそも法的な効力を持ちませんが、商習慣上の問題で押印を求められる場合も多いですので、効率化の観点から電子印鑑の利用がおすすめです。
電子印鑑は電子文書に添付可能な印影データ
電子印鑑とは、印影をスキャンしてデータ化したものです。電子文書に対して簡単に印影画像を埋め込めるため、重宝されています。電子印鑑の種類は以下の2種です。
- 識別情報を持たないタイプ
- 識別情報を持つタイプ
識別情報を持たないタイプ
識別子情報を持たないタイプの電子印鑑の作成方法はとてもシンプルです。白い紙に押印をしてスキャンをします。データ化された印影画像は無料で電子印鑑として利用ができるのです。
簡単無料、かつ、直ぐに利用できる点にメリットがありますが、一方で、簡単に複製しやすい点にデメリットがあります。印影画像から3Dプリンターを利用して実印を再現することも可能ですので、電子印鑑には実印は利用しないようにしましょう。
識別情報を持つタイプ
識別情報を持たないタイプの電子印鑑は簡単に複製がされる点にデメリットがありました。この点、識別情報を持つタイプの電子印鑑であれば、複製が困難であるため、誰によって押印されたか判別できるようになるのです。
一部の電子印鑑サービスでは、電子署名法で求められる真正性（本人性＋非改ざん性）を満たした識別情報を印影画像に持たせていますので、電子印鑑に高度な識別情報を求める場合には電子印鑑サービスのご利用をご検討ください。
法的な効力はない
電子印鑑が付与されていることで、電子文書に何か法的な効力は生まれません。そもそも、民法522条1項にある締結方式の自由によって、どのような形式・方法であっても契約は成立するので、契約の成立と電子印鑑の押印は無関係です。
また、電子署名法3条により電子署名を付与してあれば、電子文書の真正性は証明できますので、真正性の確保とも電子印鑑は無関係といえます。
つまり、契約書などの文書が成立し、裁判時の証拠として利用できることに対して、電子印鑑は法的な効力を全く持っていないのです。
商習慣上の理由で押印される
法的効力を持たない電子印鑑ですが、例えば以下のような商習慣上の理由から角印などの電子印鑑が押印されることが多いです。
- 電子印鑑が押してあると信用ができる電子文書に見える
- 契約締結していることが一目でわかる など
いずれにしても、相手方の印象の問題で角印などの電子印鑑の押印が求められます。とはいえ、この印象の問題はとても重要です。
なぜなら、現状、電子文書は普及期にあるので、電子文書そのものの信頼性に疑いの目が向けられており、角印などの電子印鑑が付与されることで感覚としての信頼性向上を期待できるからです。
相手方に電子契約など電子文書の利用を拒否されるくらいであれば、角印などの電子印鑑を付与して相手方に安心して利用してもらった方がよいでしょう。
web上で無料作成可能なおすすめソフト
電子印鑑をweb上で無料作成可能なソフトが多数あります。その中でもweb利用可能なおすすめの無料ソフトを以下の通り紹介させてください。
- おすすめ無料ソフト①：電子印影
- おすすめ無料ソフト②：Excel電子印鑑
- おすすめ無料ソフト③：クリックスタンパー
- おすすめ無料ソフト④：手作りはんこ作成ツール
おすすめ無料ソフト①：電子印影
電子印影はweb上で無料利用できる電子印鑑ソフトです。パソコンの画面上で以下3つを入力するのみで簡単に電子印鑑を生成できます。
- 種類（丸印、角印（角印は2行or3行から選択可能））
- フォント（新生楷書、リュウミンなど）
- 文字（電子印鑑に出力したい文字）
また、同画面上で設定を変更した場合のプレビュー画像も出力されますので、設定を細かくいじりながら設定できる点がメリットです。
おすすめ無料ソフト②：Excel電子印鑑
Excel電子印鑑はMicrosoftOffice365のExcelにweb上から無料インストールして利用可能な電子印鑑作成ソフトです。無料でweb上からダウンロードできますので、エクセルユーザであれば使いやすいソフトといえるでしょう。
Excel電子印鑑を無料でアドインすると、エクセル上で右クリックすることで電子印鑑の押印メニューが作成されるようになります。このメニューから角印や丸印はもちろん、ユーザ自身で印面を作成して電子印鑑の作成が可能です。
おすすめ無料ソフト③：クリックスタンパー
クリックスタンパーもweb上で無料利用可能な電子印鑑作成ソフトです。クリックスタンパー上にはすでにサンプルファイルが用意されており、サンプルファイルを利用して角印などの電子印鑑を作成することになります。
無料ソフトとはいえ、角印や丸印の他、三文判や回覧印、データネーム印まで幅広く作成できる点が特徴的です。デザインは基本的にサンプルファイルに依存しますが、解像度や縦横サイズなどは細かく調整ができますのでカスタマイズ性もあります。
おすすめ無料ソフト④：手作りはんこ作成ツール
手作りはんこ作成ツールは日本郵政サービスが提供する無料の電子印鑑作成ソフトです。手作りハンコ作成ツールはスマートフォンに対応をしているため、スマホ上で利用する電子印鑑作成時に利用すると便利です。
元々は年賀状に押印する電子印鑑の作成ソフトでしたが、画像やテキストを編集できるので、無料の電子印鑑作成ソフトとして利用ができます。
契約業務そのものを効率化するなら電子契約サービスがおすすめ
角印などの電子印鑑を作成する場合、web上の無料作成ソフトを利用すれば容易に電子印鑑を作成できます。ただし、契約業務そのものの効率化までを見据えると電子印鑑を作成可能な電子契約サービスの利用がおすすめです。
電子印鑑はExcelなどでも作成できる
上述した通り、角印などの電子印鑑はweb上の無料作成ソフトやExcelなどでも作成が可能です。しかし、電子印鑑に識別情報を持たせるとなるとweb上の無料作成ソフトなどを利用する方法では対応が難しいようです。
したがって、角印などの電子印鑑に電子署名法などで求められるような真正性の要素（本人性や非改ざん性）を識別情報として持たせるのであれば、web上の無料ソフトではなく、有料ソフトを利用する方法を検討する必要があります。
電子契約サービスを利用するメリット
電子契約サービスの中には電子印鑑に識別情報を持たせて作成できるサービスがあります。加えて、電子契約サービスであれば以下のメリットがあるので、契約業務そのものを効率化できます。
- 契約業務にかかるコストの75%程度を削減可能
- 取引のリードタイムを最短で即日化できる
契約業務にかかるコストの75%程度を削減可能
電子契約サービスを利用することで以下のコスト削減ができます。
- 書面契約の作成・郵送・返送・保存コストの削減
- 契約締結までのリードタイム短縮
国内導入数No1である電子印鑑GMOサインによるデータによれば、電子契約サービスを導入することで契約業務にかかるコストの75%を削減できるようです。この例からも電子契約サービス導入によるコスト削減効果が大きいことがわかります。
取引のリードタイムを最短で即日化できる
電子契約サービスの中でも特に立会人型と呼ばれる電子契約サービスを利用すると、相手方と契約締結が完了するまでの時間を最短で即日までに短縮できます。
立会人型の場合、契約締結を実現するためのURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約締結を完了できるため、大幅なリードタイム短縮を実現できるのです。
まとめ web上の無料電子印鑑作成ソフトで角印を作成してみよう
web上の無料電子印鑑作成ソフトを利用することで、角印などの電子印鑑はように作成できます。しかし、web上の無料作成ソフトで角印などを作成する場合、識別情報を埋め込めないなど、一部検討ポイントが残りますので注意が必要です。
電子契約サービスなど一部の有料サービスであれば、電子印鑑に識別情報を埋め込めるほか、契約業務自体を効率化可能ですので、ぜひ一度導入をご検討ください。