「ペーパーレス化を実現するポイントは?」
「ペーパーレス化を実現した事例を知りたい」
と考えていませんか。
ペーパーレス化を実現するためには、電子契約、Web配信、OCRなどシステムを利用すると確実です。しかし、システムを利用する際には他システムとの連携可否、電子帳簿保存法への対応可否などいくつか確認ポイントがありますので注意ください。
当記事では、ペーパーレス化を実現させた4つの事例、事例から見るペーパーレス化を実現するための3つのポイント、ペーパーレス化におすすめのシステム、ペーパーレス化を実現するメリットまでご紹介します。
ペーパーレス化を成功させた4つの事例
ペーパーレス化を実現するためには自社の理想像に近い事例を見つけて真似をしてしまうことが最も簡単かつ、効率的な手法です。以下では参考にしたいペーパーレス化事例4つをご紹介します。
- ペーパーレス化会社事例①:OCRツール活用で年間5,000時間分の業務負担削減に成功
- ペーパーレス化会社事例②:Web配信活用で月間6,000件以上のシステム配信を実現
- ペーパーレス化会社事例③:ワークフロー活用で申請書類の90%以上の電子化を実現
- ペーパーレス化会社事例④:文書管理システムを利用して電帳法に対応し年間50万枚の電子化を実現
ペーパーレス化会社事例①:OCRツール活用で年間5,000時間分の業務負担削減に成功
スルガ銀行株式会社では、口座の不正利用や金融犯罪を抑止する「継続的顧客管理」の一環として、「お客さま情報確認書」をお客さまに郵送して回答を収集し、CRMシステムで企業情報を管理するという取り組みを展開しています。
この取り組み事例の中ではOCRツールを利用することで年間5,000時間の業務負担軽減を実現しているのです。
事例では手書きの「お客様情報確認書」を目検でチェックするのには多大な工数がかかっていました。
しかし、OCRツールを活用して文字をデータ化、システム上での読み取り結果確認、承認ワークフローを構築することで大幅に工数削減を実現しています。
ペーパーレス化会社事例②:Web配信活用で月間6,000件以上のシステム配信を実現
CTCビジネスエキスパート株式会社では、BPRの一環として社内・社外帳票のペーパーレス化を進めてきました。その中で、紙の注文書の作成・郵送における業務効率が課題になっていました。
そこで、当事例ではWeb配信システムを活用することで、注文書を電子化、Web配信、控え文書の自動保存を実現することによって、月間6,000件以上のシステム配信・管理を実現しています。
また、CTCビジネスエキスパート株式会社では、Web配信による迅速な対応により、郵送による郵送タイムラグを解消し、確実な相手方企業の受領を確認することができることで、下請法の順守徹底も可能になっている点も特徴的な事例です。
ペーパーレス化会社事例③:ワークフロー活用で申請書類の90%以上の電子化を実現
株式会社GROPでは、全国60か所の事業所において書面による申請業務を実施していました。書面による申請業務は組織の迅速な運営を阻害しており、事務員一人当たり1時間/日の業務負担が発生していたのです。
この課題に対して、当事例ではワークフローシステムの導入により、全国どこからでも迅速に申請業務が可能にすることで、90%以上の申請業務の電子化に成功しています。
押印による申請・処理業務を削減し、申請業務の迅速化に貢献し、申請業務自体をほぼゼロにできている点が特徴的な事例です。
ペーパーレス化会社事例④:文書管理システムを利用して電帳法に対応し年間50万枚の電子化を実現
丸木医科器械株式会社では、業務の特性上、取引先が多く、また、書面による取引情報のやり取りが多かったことから、取引情報の書面保管による管理工数の高さが課題となっていました。
この課題に対して、当事例では文書管理システムを導入することで、相手方企業から受領する注文書の20%の電子化、販売管理システムに入力する作業工数の大幅削減に成功しています。
また、丸木医科器械株式会社では2022年1月より施行された電子帳簿保存法要件に適応する形式で文書を保存し、同時に企業のガバナンス強化も実現している点が特徴的な事例です。
事例から見るシステム選定・導入時のポイント
上記で紹介したようなペーパーレス化を実現するポイントは、要件に応じたシステムを適切に導入する点にあります。以下では事例から見るシステム導入時に確認がおすすめなポイントをご紹介します。
- 事例のポイント①:ペーパーレス化に利用できる機能がどれだけあるか
- 事例のポイント②:他システム・ツールと連携可能か
- 事例のポイント③:電子帳簿保存法対応など法対応できるか
事例のポイント①:ペーパーレス化に利用できる機能がどれだけあるか
事例からもわかる通り、書面の電子化を推進する方法はいくつかあります。送付側、受領側でペーパーレス化を実現する機能は異なるので、別論点として機能が搭載されているか確認がおすすめです。
送付文書については、上位システムの請求システムなどから請求情報などを連携し、帳票を自動で生成可能な機能があるかが確認ポイントとなるでしょう。
帳票の自動生成ができれば、Web配信システムなどを併用することで、帳票の自動生成・自動送信・控え文書の自動保存まで可能になり、大きくペーパーレス化を実現に近づけます。
また、受領文書については、受領文書についてOCRを活用するなどして電子化することができるかがポイントです。または、受領した文書ファイル上にある属性情報から、検索可能な状況にすることができるのであれば、そのような機能でもよいでしょう。
事例のポイント②:他システム・ツールと連携可能か
文書管理システムにしろ、ワークフローシステムにしろ、単一のシステムで利用しても業務効率化効果は限定的です。
したがって、理想としては、申請業務をワークフローシステム上で実施し、承認済み文書を文書管理システム上に自動保存、OCRによりデータ化などを一連の作業として実現できるとよいでしょう。
そのためには導入予定のシステムが他システムとAPIや専用アダプターなどで連携可能かが確認ポイントになります。
特に一部の古くからある文書管理システムなどでは、限定的なAPIを搭載している場合もあり、事前にAPIリファレンスの確認をしておいた方がよいです。
事例のポイント③:電子帳簿保存法対応など法対応できるか
請求書や注文書などを電子化する場合には注意が必要です。なぜなら、請求書や注文書などは税法上の国税関係書類に該当し、電子帳簿保存法の要件に基づいて保存をする必要があるからです。
したがって、システムを導入する際には導入予定のシステムが電子帳簿保存法対応しているかの確認が必要になります。電子帳簿保存法対応をしている一つの目安としてJIIMA認証の取得有無があります。
JIIMA認証とは国から認められた民間企業により電子帳簿保存法対応ツールであるとのお墨付きのようなものです。電子帳簿保存法対応システム・ツールを検討する場合にはJIIMA認証を一度ご確認ください。
ペーパーレス化を実現するおすすめのシステム
上述で紹介したようなペーパーレス事例を実現するために導入がおすすめのシステムをご紹介します。
- システム①:電子契約サービス
- システム②:文書管理システム
- システム③:ワークフローシステム
システム①:電子契約サービス
電子契約サービスを利用することで相手企業とやり取りする契約情報を電子化し、契約締結までのリードタイムを大幅に短縮ができます。
また、電子化された契約書は印紙税が非課税になるため、大幅なコスト削減が可能な点が大きなメリットです。DocuSignを導入した企業の一つソフトバンク株式会社では契約書1通あたり2,500円のコスト削減を実現しています。
システム②:文書管理システム
文書管理システムを導入することで、企業で管理している文書の一元管理が可能になります。JIIMA認証を取得している文書管理システムを導入することで、電子帳簿保存法対応に対して一元対応できる点も大きなメリットです。
電子契約や電子請求書などを作成しても、各システム上で法対応をすると検索性が下がります。したがって、効率的なペーパーレス化を目指すのであれば、一元管理が可能な文書管理システムの利用がおすすめです。
システム③:ワークフローシステム
ペーパーレス化を実現するうえで申請業務の電子化は重要です。なぜなら、申請業務を行うためにオフィスに出社、書類の作成、郵送、管理などの業務が多数あり、業務効率の低下の一因となっているからです。
この点、ワークフローシステムを利用すると申請業務の電子化が可能になるため、ペーパーレス化を目指すのであれば利用がおすすめです。
また、ワークフローシステムと文書管理システムは相性が良く、導入予定の文書管理システムに合わせて連携アダプターのあるワークフローを導入すると、開発コストが抑えられるのでよいでしょう。
ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化を実施することにより大枠で以下のメリットがあるといわれています。
- コストの削減
- 経理DX、会議資料の削減などIT活用の推進
- 企業のコンプライアンスの強化
- 相手方との取引情報のやり取り短縮化
特にメリットを感じやすいのがコストの削減です。企業がペーパーレス化を進めることで、印紙税の削減や書面の作成・郵送・管理コストの大幅削減が期待できます。また、紙を電子化さえしてしまえば、紙情報の利活用も期待できる点が魅力です。
まとめ 事例を参考に対応を進めよう
ペーパーレス化に成功した事例を参考にぜひ自社のペーパーレス化を検討ください。成功事例の中にはシステム導入時の検討ポイントが記載されているものもありますので、成功事例を参考にシステムを選定導入すると成功確率があがります。
また、ペーパーレス化をする際、電子帳簿保存法など、対応が必要な法対応がいくつかあります。もし対応が漏れるとペナルティが課される場合もありますので確実な対応をするようにしましょう。
ペーパーレス化を実現して業務効率をあげていきましょう!