電子契約書の作り方とは システム選定や契約書文言の変更箇所も解説!
電子契約書の作り方とは システム選定や契約書文言の変更箇所も解説!

【まとめ】電子契約の作り方 システム選定上のポイントや文言変更を解説

「電子契約の作り方とは?」

と疑問に感じていませんか。

電子契約はExcelなどのシステムでも作成が可能です。しかし、Excelなどのシステムで作成してしまうと電子契約のメリットを最大化できない、電子帳簿保存法などの法対応が難しいなどの点にデメリットがあります。

したがって、電子契約を作成するのであれば電子契約サービスの利用がおすすめです。

当記事では電子契約の作り方、電子契約サービスを利用するメリット、電子契約サービス導入までの流れ、電子契約に利用するフォーマットの作り方までご紹介します。

目次

電子契約の作り方は2通りある

電子契約の作り方は2通りある

電子契約の作り方は2通りあります。各作り方のメリットデメリットを解説します。

作り方①:Excelなどの既に手元にあるシステムで作成する

最も簡単な作り方はExcelやWordなどのシステムを利用する方法です。ExcelやWordではシステム上の機能として電子署名の付与がありますので、とても簡単に電子契約を作成することができる点にメリットがあります。

ただし、電子契約は電子とはいえ契約書ですので、各種税法に基づいた保存をする必要がある点がこの作り方の注意点です。なぜなら、Excelなどで電子契約を作成した場合、これらの税法対応が難しいケースが多いからです。

また、Excelなどを利用して電子契約にすることで契約業務を効率化できますが、あくまで契約書を電子化することのみ可能ですので、契約業務の劇的な効率化につながるわけではない点に留意してください。

作り方②:電子契約サービスを利用して作成する

電子契約サービスを利用して電子契約を作成した場合、Excelなどで電子契約を作成するときの課題を解消できます。

電子契約サービスの中には電子帳簿保存法や法人税法など各種税法に対応した機能、タイムスタンプや主要三項目での検索機能など、を搭載しているサービスも多いですので、容易に法対応できる点がメリットです。

また、電子契約サービス上には契約書のテンプレート登録や一括送信、ワークフロー機能など、契約業務自体を効率化する機能が多数搭載されていますので、契約業務自体を効率化できる点もメリットといえるでしょう。

電子契約サービスを利用するメリット

電子契約サービスを利用するメリット

電子契約サービスを利用して電子契約を作成する定量的なメリットを解説します。

契約書1通あたり2,500円のコスト削減ができる場合がある

電子契約サービスを導入することで以下のコスト削減効果を見込めます。

  • 印紙税の削減
  • 書面契約の作成・郵送・管理コストの削減
  • 監査コストの削減 など

世界No1シェアのDocuSignを導入したソフトバンク株式会社では契約書1通あたり2,500円のコスト削減効果があったと公表しています。

この事例からもわかる通り、電子契約サービスを導入して電子契約のメリットを最大化するとコスト削減効果があることがわかります。

契約業務を即日に短縮できる可能性がある

立会人型の電子契約サービスを導入する場合、契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約締結を完了できるので取引のリードタイム短縮を期待できます。

また、電子契約サービスの中には契約書の作成時間を短縮するテンプレート登録や社内承認をスムーズにするワークフロー機能などを搭載している場合もありますので、さらに取引のリードタイム短縮を期待できるでしょう。

電子契約サービス導入までの流れ

電子契約サービス導入までの流れ

一般的な電子契約サービス導入の流れをご紹介します。

手順①:現状の契約業務を整理する

現状の契約業務で扱っている契約書別に以下の観点から整理が必要です。整理することでどの契約書のどの業務フローに課題があるのか洗い出すことが目的となります。

  • 作成頻度
  • 作成工数
  • 保管方法
  • 作成するまでの業務フロー など

手順②:導入範囲を決定する

手順①の情報を元に電子契約化する範囲を決定していきます。

すべての契約書を電子契約化できればよいですが、実際には契約書に優先順位をつけて電子契約化していく必要があります。なぜなら、契約書ごとにワークフローの承認順序整備や契約書テンプレートの登録などの作業が発生するからです。

契約書に対して優先順位をつけるにあたり以下の軸から整理するとよいでしょう。

  • 社内/社外で利用する契約書
  • 契約書の取り扱い頻度
  • 契約書の重要度 など

手順③:システムを選定・導入する

手順③:システムを選定・導入する

手順①手順②を踏まえて、実際にシステムを選定し導入をしていきます。手順①で特定した課題を解消することができるような機能をもつ電子契約サービスを選定するようにしてください。

システム選定上でよく評価軸として利用される観点は以下の通りです。

法対応が容易であるか

冒頭でご紹介した通り、電子契約は各種税法に基づいた保存が必要です。例えば以下の電子帳簿保存法電子取引要件を満たした保存が必要になります。

  • 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け
  • 見読可能装置の備付け等
  • 検索機能の確保
  • 真実性の確保

システム的に求められる要件は「検索機能の確保」と「真実性の確保」です。この2つの要件について、電子契約サービス上で要件を満たすことができるか確認してください。

検索機能の確保で言えば主要三項目(取引年月日、取引先名、取引金額)で検索ができること、真実性でいえば、要件を満たす方法はいくつかありますが、タイムスタンプを付与できることを確認できればよいでしょう。

その他に法人税法上で求められる7年間の保存(繰越欠損金がある場合は10年)がシステム上で可能かも確認ポイントになります。

セキュリティ対策が十分であるか

電子契約サービスに搭載されているセキュリティ対策の充実度もまた評価軸の一つになります。例えば以下の観点から比較検討を進めるとよいです。

  • 契約書別の閲覧制御
  • ユーザ別の閲覧制御
  • 閲覧履歴の取得
  • 二要素認証
  • ISO27001を取得しているか など

契約業務を効率化する機能が搭載されているか

手順①で特定した課題を解消できるだけの機能を搭載しているかが確認ポイントになります。例えば以下のような機能が搭載されていうと契約業務を効率化しやすいので、システム選定の際のポイント例としてください。

  • 契約書のテンプレート登録
  • 契約書の一括送信
  • 顧客のステータス管理
  • 内部承認用のワークフロー機能
  • 立会人型の電子契約サービスの利用有無
  • 立会人型の利用時、手順上で相手方のアカウント発行は義務か
  • 契約に未署名のユーザに対するリマインド など

手順④:社内外で調整をする

電子契約サービスを導入したとしても相手方の許可がでなければ、利用することができません。したがって、相手方へ電子契約サービス導入によるメリットの説明が必要になります。

ただし、立会人型の電子契約サービスを利用する場合、基本的に相手方は提供されたメールに記載のURLをクリックして署名をする仕組みですので負担が少ないですので、負担の高さを理由に断られるケースは少ないです。

漠然としたシステムへの抵抗感などが理由で断られるケースも多いですので、電子契約の使い方や法的有効性、利用するコストメリットなどを説明してあげるとよいでしょう。

利用するフォーマットの作り方

利用するフォーマットの作り方

電子契約には書面契約のフォーマットをそのまま利用することができない点がいくつかあります。以下では電子契約のフォーマットの作り方を解説します。

作り方①:書面は利用しなくなるため文言の修正が必要

税法上で書面とは紙を指し示す場合が多いです。この点、電子契約では書面は利用しませんから、書面と記載のある個所はファイルを指し示す文言に修正が必要になります。例えば以下のように修正するとよいでしょう。

修正前:書面契約書の記載文言 修正後:電子契約書の記載文言
記載文言 甲と乙は、本契約成立の証として、本書2通を作成し、両者記名押印のうえ、各自1通を保有するものとする。 甲と乙は、本契約の成立を証として、本電子契約書ファイルを作成し、それぞれ電子署名を行う。なお、本契約においては、電子データである本電子契約書ファイルを原本とし、同ファイルを印刷した文書はその写しとする。

作り方②:電子署名を利用するので押印に関する文言修正が必要

書面契約では民事訴訟法228条2項に定義されるような真正性を押印によって満たしていましたが、電子契約では電子署名法3条に記載されるように電子署名を付与することで真正性を確保しています。

したがって、電子契約上では押印は使用しませんので、電子署名を示す文言への修正が必要です。

作り方③:契約書の書式を変更すると尚よい

電子契約を締結する上で真正性の確保は電子署名が担うため押印の付与は不要です。したがって、必ずしも電子契約上に押印を付与する必要はありませんが、商習慣上、電子契約上にも電子印鑑を付与したいというニーズがあります。

この電子印鑑のニーズに応える際には、電子契約の冒頭固定位置に電子印鑑の付与カ所を設定しておくとよいです。

冒頭の固定位置に付与カ所を設定することで、複数の電子契約に対して一括で電子印鑑を付与する機能があるサービスもありますから、業務の効率化を期待することができます。

まとめ 作り方を覚えよう!

まとめ 作り方を覚えよう!

電子契約の作り方はいくつかありますが、もっとも効率的な作り方は電子契約サービスを利用する作り方です。

電子契約サービスを利用する作り方をするためには、そもそも適切に電子契約サービスを導入する必要がありますので、上述の手順を参考に導入を検討することをおすすめします。

電子契約サービス導入後、適切な電子契約のフォーマットの作り方をキャッチアップして文言上問題のない契約書フォーマットの作成を実施ください。

電子契約の適切な作り方を抑えて契約業務を効率化していきましょう!

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