社会全体におけるDX推進傾向や、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、多くの企業がテレワークを導入するようになりました。
テレワークの導入にあたり、電子サインの活用を検討している企業の方も多いと思います。
この記事では、電子サインの概要や導入メリット、使用方法などについて解説します。
また電子サインと電子署名が混同してしまっている方に向けて、両者の違いも解説していきますので「電子契約を始めたい」とお考えの企業の方は是非参考にしてみて下さい。
電子サインと電子署名の違い
混同されやすい「電子サイン」と「電子署名」ですが、この2つの用語には明確な違いがあります。
ここでは電子サインと電子署名の概要と違いについて解説していきます。
電子サインとは
「電子サイン」とは、従来は紙の書類で行っていた認証をオンライン上で行うこと
契約書などをパソコンやスマートフォンでオンライン上に作成し、その電子文書に署名を施して電子データとして保存することができます。 従来は紙の文書へ手書きで署名を施す方法が一般的でしたが、インターネットの普及によって電子サインが誕生し、現在では契約の締結など様々なビジネスシーンで使用されています。 電子サインと混同されやすいのが「電子署名」です。 「電子署名」とは、電子サインにおけるプロセスの1つで、その電子文書のデータが改ざんされていないことや文書の作成者を証明するためのものです。 紙の文書を認証に用いる場合、印鑑や手書きの署名を用いて、その文書の真正性や本人性を証明していました。 一方、電子文書の場合は容易に書き換え・改ざんを行うことが出来てしまうため、その電子文書の真正性や本人性を担保するために電子署名を施します。 結論から言うと、電子署名が施されている電子サインには、手書きの署名と同様の法的効力が認められています。 平成13年4月1日から施行された 「電子署名及び認証業務に関する法律(以下電子署名法)」により、電子署名の法的効力が認められるようになりました。 電子署名法は、インターネットの普及によって、電子署名やオンライン上での認証業務が利用されるビジネスシーンが多くなったことに伴い、電子署名の円滑な利用を確保し、ネットワークを利用した社会経済活動の一層の推進を図るために制定された法律です。 また電子署名法の目的は、以下のように示されています。 上記でも紹介したとおり電子署名法によって、電子署名が施されている電子サインには法的効力が認められています。 他にも電子サインを使うことで、企業は多くのメリットを見込むことができます。ここでは電子サインを使用するメリットを紹介していきます。 電子サインを使用することによって、収入印紙や印刷代など、紙の文書での認証業務のために発生していたコストを削減することができます。 紙の文書で契約書を作成する場合、契約金額に応じた収入印紙を原本に添付することが義務付けられています。 一方、電子サインは紙の文書を作成する必要がないため、収入印紙を添付する必要がありません。 また電子サインを使用することで、用紙代やインク代など、紙の文書の作成のために発生していた印刷コストも削減することができます。 紙の文書での契約の場合、契約を交わす双方が立ち会うか原本の郵送によって契約を完結する必要があるため、交通費や郵送代も双方の負担になります。 オンライン上で契約を完結できる電子サインなら、これらのコストも削減することができるのです。 電子サインを導入することで、契約に関わる多くのコスト削減を見込めるでしょう。 前述したとおり、紙の文書で契約を交わす場合は、契約を交わす双方の当事者が立ち会うか原本の郵送によって契約を完結する必要があります。 郵送の場合は、契約完了までに以下のように多くのフローを踏む必要がありました。 そのため、契約書の作成から契約完了までに長い時間を要します。 一方で電子サインは、作成した文書をデータとしてオンライン上で共有できるため、契約内容の確認や署名に関わるやりとりを円滑に遂行でき、認証業務の効率化を見込めます。 また電子サインなら、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなど、様々な端末で認証業務を行うことができるため時間や場所に縛られることもありません。滞りなく認証業務を進めることができます。 物理的な保管スペース確保の要不要も、紙の文書による契約と電子サインによる電子契約の大きな違いと言えます。 紙の文書による契約書は一定の期間、保管することが法律により義務付けられています。この場合、物理的な保管スペースの確保が必要であり、過去に作成した契約書が必要になった際には探す手間がかかります。 一方、電子サインを使用した場合は作成した文書を電子データとしてクラウド上に保管することができます。 ペーパーレス化が実現されるため、物理的な保管スペースが不要となり、管理コストの削減も可能です。 電子サインを使用することで、紙の文書での契約にかかっていた様々なデメリットを解消することができます。 企業にとって多くのメリットが見込める電子サインは、PDF形式の文書の場合はPDFツールで、WordやExcelなどPDF以外の文書の場合は電子契約サービスで作成することができます。 ここでは、電子サインの作成方法を紹介していきます。 PDF形式の書類の場合は、AcrobatやAdobeのAcrobat Readerなどを代表とするPDFツールを利用して電子サインを作成することができます。 PDFツールで電子サインを付与する手順は以下のとおりです。 WordやExcelなどのPDF以外の文書の場合は、電子契約サービスを用いることで電子サインを作成することができます。 ここでは世界シェアNo.1を誇る電子契約サービスDocuSignでの電子サインの作り方を紹介します。 またDocusignをはじめとする電子契約サービスには、電子契約に関わる様々なシステムが搭載されており、オンライン上での認証業務や文書の保管をより効率的に行うことができます。 この記事では、電子サインと電子署名の違いを始め、電子サインの概要や導入メリット、使用方法などを紹介しました。 最後に、電子サインと電子署名の違いをおさらいしておきましょう。 また電子署名法により電子サインは、電子署名を施すことによって法的効力が認められるとされています。 導入することで企業は多くのメリットを見込むことができる電子サイン。是非御社でも活用してみてくださいね。電子署名とは
法的根拠と法的効力
電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)及び関係法令
電子署名に関し、電磁的記録の真正な成立の推定、特定認証業務に関する認定の制度その他必要な事項を定めることにより、電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的方式による流通及び情報処理の促進を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与すること電子サインを使うメリット
収入印紙や印刷コストの削減
認証業務の効率化
保管スペースが要らない
PDFツール・電子契約サービスでの作り方
PDFツールでの作成方法
電子契約サービスでの作成方法
DocuSignでの電子サインの作り方
※署名タイプは「スタイルの選択」「手書き」「アップロード」の3種類から選択可能。
※ネーム印を無料で利用可能。印影データをアップロードしたり、社名や部署名、役職名などを入力して、社印や部署印などを自動で作成することもできます。記事まとめ:電子サインと電子署名の違いを理解して電子契約を始めよう
電子サインと電子署名の違いのポイント