「電子契約サービスを導入開始予定だが、確認すべき最新のニュースってあるの?」
と疑問に感じていませんか。
電子契約サービスを導入開始するにあたり確認すべきニュースはいくつかありますが、特に最近では電子帳簿保存法の改正内容や、デジタル改革関連法案に含まれる電子契約が解禁される契約書種別がニュースのポイントです。
当記事では、電子契約サービス導入開始時に確認すべきニュースや電子契約サービス市場の最新動向、おすすめの電子契約サービスまでご紹介します。
電子契約サービス導入開始時に確認すべきニュース
2022/1の段階で電子契約サービス導入開始時に確認すべきニュースのポイントをご紹介します。
改正電子帳簿保存法が2022/1に施行
契約書は税法上の国税関係書類に該当するため、日本国内で利用した電子契約は電子帳簿保存法に基づいた保存が必要です。この電子帳簿保存法ですが、2022/1に改正するとニュースになっています。
電子帳簿保存法は保存対象とする文書の種類により要件が異なりますが、すべての文書区分の要件で改正が実施され、全体的に緩和された傾向が強いです。したがって、電子帳簿保存法に対応がしやすくなっています。
一方で、電子帳簿保存法の電子取引要件では紙保存措置廃止の要件が盛り込まれたため、電子取引で利用した電子契約はかならず電子データとして保存せねばならなくなりました。
仮に電子帳簿保存法に基づいた保存をしていない旨が税務調査時に指摘された場合、青色申告の承認取り消しリスクがあるため注意が必要です。
ただし、2021/12に国税庁より紙保存措置廃止に対して、2年間の宥恕措置が設けられたため、実際に紙保存措置が廃止されるのは2024/1からである点に留意ください。
デジタル改革関連法が2021/9に成立
2021/9にデジタル庁が発足したのは記憶に新しいですが、同時にデジタル改革関連法案が成立している点もニュースになっています。
デジタル改革関連法案の中には「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」が含まれており、この中で「押印・書面の交付等を求める手続きの見直し」が必読です。
「押印・書面の交付等を求める手続きの見直し」の中で以下法改正により、これまで原本の電子契約化ができなかった契約書の電子契約化が認められつつあります。
- 借地借家法
- 宅地建物取引業法
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律
例えば宅地建物取引業法が改正されたことで、売買の媒介契約書や重要事項説明書など、不動産業界でながらく電子契約化が望まれていた契約書の電子化が認められています。
ただし、2022/5までに電子契約化可能になる見込みであるため、引き続き動向を確認していく必要があります。
一部企業で他電子契約サービスとの連携を前提としたサービスの提供開始
2022/1にsansan株式会社から、他電子契約サービスとの連携を前提とした電子契約サービス「Contract One」がリリースされています。
従来の電子契約サービスは種類が多く、取引先が利用している電子契約サービスを利用する必要がある場合があることから、1つの企業で多数の電子契約サービスを利用しなければならない点が課題でした。
Contract OneはDocuSignやクラウドサイン、NINJA SIGNなど国内電子契約サービス主要7社と連携を発表していることから、Contract One上で複数の電子契約サービスを管理することが可能になっています。
したがって、今後はContract Oneのように、1つのプラットフォーム上で複数の電子契約サービスを追加・集約して利用できるか、DocuSignやクラウドサインのように主要なプラットフォーム上で利用できる電子契約サービスであるか等が新たに製品の選定軸に入ってくるでしょう。
電子契約サービス市場の最新動向
電子契約サービス導入時に確認すべきニュースに続いて、電子契約サービス市場の最新動向を紹介します。
2021/7にドキュサイン・ジャパン株式会社が電子契約サービス・電子署名市場調査を公表
ドキュサイン・ジャパン株式会社が日系BPコンサルティング株式会社に委託し、契約業務の課題と電子契約サービスの国内市場の現状を調査しました。2021/7にビジネスパーソン1,000人に対して実施しています。
DocuSignによる市場調査結果
以下、DocuSignによる市場調査結果です。
紙で契約する際のトラブル
回答者の34%が契約業務中にトラブルにあったことがあると回答しています。この中でトラブルの種類として最も多かったのが、「契約書の印鑑捺印までに時間がかかりなかなか成約ができなかった」(16%)でした。
2番目に多かったのが「契約書の作成に時間がかかり、なかなか成約ができなかった。」(13%)でした。以上の数値からみても、取引のリードタイム短縮の課題のインパクトは大きそうです。
紙の契約のデメリット
回答者の63%以上が紙の契約に不便さを感じたことがあると回答しています。最もデメリットとして回答が多かったのが「わずらわしい印刷や製本、スキャンなどの手作業」(29%)でした。
2番目に多かったのが「在宅勤務中に印鑑押印の為に出社しなければならない」(26%)でした。以上の数値から、多くの方が書面契約固有のデメリットの為に工数を割かれていることがわかります。
電子契約サービスの利用意向状況
回答者の37%程度が電子契約サービスを利用したことがあると回答しています。また、電子契約サービスの未利用者の6割が「利用したいと思う」と回答しており、電子契約サービス利用者の9割以上が「便利だ」と感じていることから、電子契約サービスの需要は高まりつつあり、実際に利用した場合の満足度は高いと考えられます。
電子契約サービスの導入状況
回答者の18%が導入済みと回答しており、導入検討や導入意向まで含めると6割程度の回答者がいることが判明しています。導入規模でいうと、企業規模の大きさと導入率は相関しており、従業員10,000人以上の企業がすでに電子契約サービスを導入しています。
99人以下の企業の7%程度が導入済みであることから、中小企業の導入が進んでいないことがわかります。
導入する際のポイント
回答者の27%がポイントの1番目に「セキュリティ対策に優れている点」をあげています。次点に「使いやすさ」をあげていることから、安心安全に契約を締結できる点が最重視されていることがわかります。
電子契約サービス導入のメリット
最新のニュースを確認してまでなぜ電子契約サービスを導入する必要があるのか、電子契約サービス導入のメリットの側面から解説します。
印紙税削減などコストメリットがある
電子契約サービスを導入することで以下のコスト削減を見込めます。
- 印紙税
- 書面契約の保管・管理費
- 監査コスト(文書の検索性向上による) など
特に印紙税によるコストメリットが大きいです。印紙税は契約書に記載された取引金額の大きさにより課税額が決定しますが、1通あたり2,000円~かかる場合も多いため、印紙税を削減できた場合のコスト削減効果は大きいといえるでしょう。
また、契約書を電子で保存することで、保管スペースに係るコストを削減できるほか、検索性向上により監査コストを削減できる点も魅力的です。
取引のリードタイム短縮が期待できる
2021/10に郵便法が改正され、普通郵便の最短配送日が翌々日になりました。したがって、取引のリードタイム長期化が懸念されます。特に海外顧客企業とのやり取りやNDAなどの複数回修正が発生する業務はさらに長期化が課題になるでしょう。
電子契約サービスを利用すれば、契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約を完了できる場合が多いため、取引のリードタイム短縮が期待できます。
上述のDocuSignによる市場調査結果で紹介した通り、「契約書の印鑑捺印までに時間がかかりなかなか成約ができなかった」「契約書の作成に時間がかかり、なかなか成約ができなかった。」のような取引のリードタイム長期化が課題認識として大きいです。
電子契約サービスを導入することで、社内の課題認識を大きく解消できる点は大きなメリットでしょう。
セキュリティの強化が期待できる
契約業務には契約書の閲覧・編集・持ち出し履歴の管理や紛失リスクへの対策などが求められます。書面業務で上記に対応するとなると、人的工数や設備投資が必要になる場合が多く負担が大きいです。
一方で、電子契約サービスを利用すればシステム上で契約書別のアクセス制御やユーザ別のIPアドレス制御などができるため、コスト負担少なく容易に対応できる点がメリットでしょう。
最新ニュースに対応していく機能を求めるならDocuSignがおすすめ
DocuSignとは世界180か国以上で利用され7割弱の世界シェアを誇る電子契約サービスです。米国では不動産契約の約90%が利用し、世界で66万社以上の事業者が利用しています。
世界No1シェアを裏付けるだけの機能性や使いやすいUIを搭載している点が特徴的です。昨今ニュースになっている電子帳簿保存法対応や他サービスとの連携を視野に入れたシステム設計などをしているため最新のニュースに対応した業務対応ができます。
DocuSignが搭載している機能例は以下の通りです。
- モバイル対応機能
- テンプレート登録機能
- ワークフロー機能
- リアルタイム監査証跡機能
- 多言語対応機能 など
また、電子契約サービスは他システムとの連携をして利用する場合が多いですが、DocuSignは350以上のシステムとのapi連携実績があるため、安心して利用できる点も魅力的でしょう。
非常に高機能なDocuSignですが、1アカウント10$~と業界最安水準で利用できる点も魅力的です。ただし4アカウント以上利用する場合には問い合わせが必要な点に注意ください。基本的には代理店契約の方がサポート面で手厚いため、代理店を経由した契約がおすすめです。
まとめ サービスを導入して印鑑業務を廃止しよう!
電子契約サービスは昨今注目される分野であることから、デジタル改革関連法案の成立など関係するニュースレターが多いです。
とはいえ、関係するニュースを見なければ、電子契約サービスを十分に活用できない場合もありますので、最新のニュースには注意を払いましょう。
最新のニュースを把握して、電子契約サービスを活用し印鑑業務廃止を実現していきましょう!