「電子契約ソリューションを導入したいがメリットとは?」「電子契約ソリューションと電子契約サービスは異なるの?」
と疑問に感じていませんか。
電子契約ソリューションと電子契約サービスは呼び方の違いがあるものの、同一の概念を指します。電子契約ソリューションを導入することで、印紙税など書面契約の固有の業務運用コストを削減できるなどのメリットが見込めるでしょう。
当記事では電子契約ソリューションを導入するメリットやおすすめの電子契約ソリューションまでご紹介します。
電子契約ソリューションとは
電子契約ソリューション(電子契約サービス)とは、従来書面で実施していた契約業務をすべてオンライン上で実現できるシステムです。
2020年に民法522条が改定され、契約に必ずしも書面が必要でない旨が公表されたこともあり、近年大きく市場規模を拡大しています。
また、電子署名法第3条にて、電子署名が付与された電子契約は真正性を確保すると明記されていることから、書面契約と同等程度の係争時の信頼性を確保できると考えられます。
したがって、書面契約を電子契約に代えたからと言って、契約業務上のデメリットはそれほどないでしょう。むしろ、電子契約ソリューション導入による後述のメリットが勝るため、非常にコストパフォーマンスに優れたシステム導入であるといえます。
電子契約ソリューションを導入することによるメリット
電子契約ソリューションを導入することで多数のメリットがあります。以下ではメリットの一部をご紹介します。
印紙税や書面の保管など書面契約固有の運用コストを削減できる
電子契約ソリューションを導入することで、書面による契約業務の固有の運用コストであった、印紙税や書面契約の保管・管理、監査対応などにかかるコストを削減できます。
特に印紙税に係るコストは、企業にもよりますが1通あたり2,000円~程度かかる場合も多く、コストを大きく削減できるでしょう。
契約締結までの取引にかかるリードタイムを短縮できる
2021年10日に郵便法が改正され、普通郵便の最短の郵送日が郵送してから翌々日になりました。したがって、取引にかかるリードタイムの長期化が懸念されています。
一方で電子契約ソリューションを導入した場合、むしろ取引のリードタイムの短縮が期待できます。多くの電子契約ソリューションは、契約締結用のURLが記載されたメールを相手方に送付するのみで契約締結を実施できるため、郵送時間を考慮する必要がありません。
また、契約書のテンプレート登録機能を搭載している電子契約ソリューションも多いため、契約書を準備するまでの時間も大きく削減できる点も魅力的です。
文書情報の検索性を向上できる
書面契約やその関連資料をデータ化することで、文書の検索にかかる時間を削減できる点もメリットです。
多くの電子契約ソリューションの電子契約を税法で求められることの多い、主要三項目(取引先名、取引年月日、取引金額)で項目検索が可能であり、かつ、契約書に紐づく関連資料を閲覧可能であるため、対象の文書を素早く検索できます。
外部監査時に監査コストを圧迫している原因の一つに、監査の高度化による対象文書の検索時間の長期化が挙げられますが、監査コストを削減していくためには文書のデータ化は必須であるといえます。
セキュリティを強化できる
書面契約の場合、書類の持ち出しや無断閲覧などがリスクとして認識されています。一方で、電子契約ソリューションであれば、契約書別のアクセス制限やアクセスログなどの機能を搭載しているため、セキュリティを強化できる点がメリットです。
ただし、一方で契約業務をオンライン化することで、不正ログインなど新たに検討が必須なリスクがいくつかあります。このリスクに対して、電子契約ソリューション各社では、対策するための機能を日々アップデートしているため、想像するほどリスクは高くはない点に留意が必要です。
おすすめのサービスとそのポイント
電子契約ソリューションは数多ありますが、当記事一押しの電子契約ソリューションをご紹介します。
DocuSign(ドキュサイン)
DocuSignは世界180か国以上で利用され7割弱の世界シェアを誇る電子署名サービスです。電子契約ソリューションの市場が最も拡大している米国では不動産業界における契約の約90%が利用し、世界で66万社以上が利用しています。
DocuSignは電子契約ソリューションとして世界No1のシェアを誇る裏付けとして、非常に多彩な機能を搭載している点が特徴的です。電子契約ソリューション選びに迷ったら”とりあえず”DocuSignを選択するのも悪くないでしょう。以下が搭載している機能例です。
- 契約書のテンプレート登録
- ワークフロー
- モバイルアプリ対応
- ドロップボックスやグーグルドライブなどクラウドサービスとの統合
- 多言語対応 など
また、非常に多彩な機能を搭載している一方で、1ユーザーあたり10$~とリーズナブルな料金プランで利用できるため、個人事業主にもおすすめです。
電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインはGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する電子契約サービスです。20万社以上に導入され、導入企業数No.1の地位を保持しています。
DocuSignは確かに高機能ですが、外資ベンダーが提供しているサービスということもあり、日本国内の法対応に一部未対応である課題があります。一方で電子印鑑GMOサインであれば国産かつ国内導入企業数No1の電子契約ソリューションですので、安心して業務利用できるでしょう。
電子印鑑GMOサインは、ハイブリッド型デジタル署名ができる点に特徴があります。デジタル署名は係争時の信頼性の高さで立会人型デジタル署名と当事者型デジタル署名にわかれますが、ハイブリッド型デジタル署名であれば立会人型デジタル署名と当事者型デジタル署名のメリットを兼ね備えたデジタル署名ができます。
また、電子帳簿保存法電子取引要件などへの法対応を他サービスとの統合なく、単独で対応できる点も魅力的です。
Adobe Sign
Adobe Signは世界36か国で対応でき、年間80億回の処理を行う世界的な電子契約サービスです。
Adobe Acrobat Pro DCユーザーであれば既存契約の中で無料でサービスを利用可能であり、かつ、kintoneなど業務アプリケーションやMicrosoft365など生産性向上アプリケーションと統合可能ですので、非常に使いやすい点に特徴があります。
ある程度の企業であれば、Adobe Acrobat Pro DCを導入済みの企業も多いでしょう。Adobe Acrobat上でPDFの編集・管理から電子契約の締結までを一元管理できれば、利用するシステムを増やすことなく対応できる点に魅力を感じる企業も多いようです。
まとめ 契約業務を効率化しよう
電子契約ソリューションを導入することで、書面を利用した既存の契約業務を大幅に効率化できます。導入メリットとして、印紙税などのコスト削減、取引のリードタイムの短縮などが挙げられる一方で、業務にインパクトの大きいデメリットがないため、導入がおすすめです。
また、政府としても2023年10月のインボイス制度施行を1つのマイルストンとして、民間企業のペーパレス化を促すため、電子帳簿保存法の大幅緩和やデジタル改革関連法の施行などを実施していく予定です。
したがって、ペーパレス化をしていくための環境が整ってきているため、ペーパレス化推進の一環として電子契約ソリューションの導入の時期として今は非常によいといえます。
電子契約ソリューションを導入して、押印業務を廃止し、契約業務を効率化しましょう!